感情がわからないキルリアの話

作者:円山翔

本文冒頭

 感情がわからないキルリアの話

 生まれた瞬間からずっと、頭痛がしていた。
身の回りにいる誰かの感情が次々と飛び込んできた。元々私たちの種族にはそういう力が備わっているそうなのだが、私のそれは他の個体よりも強力だったらしい。必要以上に感情をキャッチしすぎたせいなのか、生まれたばかりのまっさらな心はズタズタに引き裂かれた。物心ついたときには、私は感情というものがわからなくなっていた。
 私を産んだのが誰なのか、私は知らされなかった。けれど、名目上は私の世話をしてくれる人間が親ということらしかった。私を産んでもいないのに変な話だ、とは思わな

全文はこちらから

つながり