
あらすじ
僕は旅のポケモントレーナー。僕の毎日の話し相手は、ユズちゃん。病気がちな女の子。
ユズちゃんとはスマホ越しにいつもたくさんの話をしている。
だけど僕は知らない。
ユズちゃんのことを知らない。
知らなかったんだ。
シリーズ
この作品はシリーズ「短編集「よくあるはなし」」に所属しています。
本文冒頭
『きょうはどんなことあった?』
スマホ越しに届いたメッセージ。「ユズちゃん」からだ。宿のベッドの上で僕はすかさず返信の文字を打つ。珍しいミツハニーのメスをゲットできたこと、洞窟でズバットの大群に追いかけられるはめになったこと、そのあと外へ出るなり目に飛び込んだ夕焼けがとっても綺麗だったこと。夕焼けの写真も添えておこう。
『すごい きれい わたしはおりがみしたよ リリもいっしょだよ』
返信して程なく、またメッセージが返ってくる。一緒に送られてきた写真にはピンク色の紙で折られたハート――じゃなくて、ラブカス。前に僕が教えたやつだ。思わずにっこりとしてしまう。
こうやって、どちらかが眠......
スマホ越しに届いたメッセージ。「ユズちゃん」からだ。宿のベッドの上で僕はすかさず返信の文字を打つ。珍しいミツハニーのメスをゲットできたこと、洞窟でズバットの大群に追いかけられるはめになったこと、そのあと外へ出るなり目に飛び込んだ夕焼けがとっても綺麗だったこと。夕焼けの写真も添えておこう。
『すごい きれい わたしはおりがみしたよ リリもいっしょだよ』
返信して程なく、またメッセージが返ってくる。一緒に送られてきた写真にはピンク色の紙で折られたハート――じゃなくて、ラブカス。前に僕が教えたやつだ。思わずにっこりとしてしまう。
こうやって、どちらかが眠......