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本文冒頭
「ゲホッ、ゲホッ……」
とても寒い日の冬の夜。中学二年生の月城(つきしろ)美冬(みふゆ)は、風邪で寝込んでいた。
「37.5度……まだしばらく寝てた方が良さそうね」
母親に寄り添ってもらいながら体温計で熱を測ったが、朝からずっと下がらないままこの調子だ。
「うん……悔しいな。なんでよりによって今日風邪ひいちゃうかな……」
「花音梨(かおり)ちゃんと月食を見に行く予定だったんだっけ?」
「うん……」
本当であれば美冬は今日、親友である花音梨と年に一回起こる月が欠けて見える現象、月食を見に行こうとしてたのである。当日になってこのような状況になってしま......
とても寒い日の冬の夜。中学二年生の月城(つきしろ)美冬(みふゆ)は、風邪で寝込んでいた。
「37.5度……まだしばらく寝てた方が良さそうね」
母親に寄り添ってもらいながら体温計で熱を測ったが、朝からずっと下がらないままこの調子だ。
「うん……悔しいな。なんでよりによって今日風邪ひいちゃうかな……」
「花音梨(かおり)ちゃんと月食を見に行く予定だったんだっけ?」
「うん……」
本当であれば美冬は今日、親友である花音梨と年に一回起こる月が欠けて見える現象、月食を見に行こうとしてたのである。当日になってこのような状況になってしま......