36―Freezing Island 3

作者:円山翔

本文冒頭

 海底神殿は半透明のバリアに覆われていた。ムメイを乗せたロンドの頭が触れると、その部分に人一人がやっと通り抜けできる程度の穴が開いた。ロンドがそこを通り抜けると、穴はひとりでに塞がった。海水が入ってくることはなかった。
 不思議な空間だった。何が不思議化と問われれば答えるのは難しかったけれども、それでも不思議な空間だと思えた。重力は地上と変わらず上から下。ふわふわ浮くことも、押し潰されているようで歩きにくいということもない。状態異常が効かなくなるとかそういうこともなさそうで。気付くまでに随分と時間がかかったが、ボンベを外しても呼吸ができる。足を進めるごとに重力とは別の理由で押し潰

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