波の囁く町

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作者:揚げなす
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本文冒頭

水の都アルトマーレ。画家の青年カーターがその街に訪れたのは、海が描きたくなったからだ。
その街は地盤沈下で海の中へ水没した建物の上に家が立ち並び、かつて通路だった空間は今は水路となっている。見た目に美しいそこは芸術家たちに愛され、古くから芸術の都として栄えていた。
ゴンドラのオーナーに支払いを終えた青年が船内に乗り込むと、船はすぐに通路を蹴って水流に乗った。
南に位置するこの町は乾燥気味で気温が年間通して高い。通路を吹き抜けてくる風と時々オールが跳ね上げる水が心地いい。水に弱いキャンパスを仕舞い込み、代わりに防水カメラをナップサックから引っ張り出した。

「ここはいつも綺麗ですね。」......

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