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作者:
円山翔
本文冒頭
それは暑い夏、月明かりのない真っ暗な夜の事だった。
美しいソプラノの歌声が、夜の森に響く。コンサート会場で聞こえてきてもおかしくないような、透き通った声だった。
その歌声は森を飛び越え、草原を駆け抜け、近くの街にまで聞こえてきた。
普段は滅多に聴く事の出来ないその歌声に、街の皆が聴き惚れた。
子供たちも、この時ばかりは騒ぐのをやめて歌に聴き入った。
そして翌日。
街の住人の多くが、原因不明の眩暈に襲われた。数日後には皆何事もなかった
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