追憶――南の孤島にて

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作者:円山翔
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本文冒頭


 目を開けると、朱紅(あか)い空が僕の眼に映った。ところどころに浮かんだ白いはずの雲も、スポンジが空にこぼれた絵具に染まったような色をしていた。

「綺麗だな……」

 お世辞ではなく、心からそう思った。同時に、体が小刻みに震え始めた。気づけば、来ている服はびしょ濡れで、ほのかに潮の香りがした。船で移動中に嵐に遭い、船から落ちてしまった。たまたま流れてきた小さな流木につかまって数日間海を漂い続け、いつの間にか気を失っていたはずだが、どこかに打ち上げられたようだ。

――寒い……このままでは風邪をひいてしまう――

 どうにか体を起こそうと彼は身じろぎするが、どうにも動かない......

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