紫雲さんの投稿小説

 紫雲さんが投稿しているシリーズと小説です。

シリーズ

連載小説

「キミは、誰だい?」問いかける先にいるのは見たこともない生き物。
「ワタシは、誰だ?」知らぬ間に変わってしまった世界に立ち尽くす少女。
――――変革した世界の日常で、記憶喪失の少女は未来と過去を求める。

『歴史の始点に立つ少女』に続く、連載シリーズ第3作

※本作は、過去作『歴史の始点に立つ少女』の続編であり、『10sec Bullets!!』の内容も含みます。
 ごく普通の世界の日常に、少女は立ち尽くしている。
 薄幸な人生、孤独な環境、弱気な自分。その全てを呪いそうになる。
 その思いを吐き出した時、少女は不思議な生き物と出会う。

 それは歴史の始まり。
 
※ 過去作『10sec Bullets!!』と世界観を共有しています。
 世界が混沌に陥った時代。ある日突然、モンスターボールの機能が停止した。野生のポケモンは人間に牙を剥いた。人々は愛するポケモンと触れ合えない失意の中で、世界を呪った。

 やがて若者たちは立ち上がる。一瞬の煌めき、それは時計の針を進めるために。永年の輝き、それは世界を変えるために。

 これはもう一度、ポケモンとともに未来を歩み続けるために戦う、若者たちの奇譚である。

短編小説

テーマ:花畑
 眩い夕日が町並みを煌々と照らすと生まれる、幾重もの光と影をキミは知らなかった。それでも見せてあげたいと思うのは野暮だろうか。だってキミは――
『ポケモン小説スクエア10周年記念同人誌』掲載作品 
 蒸し暑い朝だった。コンクリートジャングルの都市は、地表から熱を放ち続け、通い路をゆく人々をうだらせていた。その人混みに逆らうように、スーツ姿の男女が重い足取りで歩いていた。
 ここはポケモン達の楽園。どんなポケモンも、みんな仲良く、平和に暮らしている。
 以下の文章は、私の下に届いた一通のメール文書です。猫という最近絶滅した動物について記入がなされており、人類に警鐘を鳴らす文面であることが分かります。また、送信者はポケモンを快く思っていなかったことが読み取れます。さて、送信元が存在しないメールアドレスだったことは大変憂慮すべき事項です。情報提供のためにメール本文を掲載致しますので、参照して下さい。
私は、君を待っている。今日が、約束の日だった。
【覆面作家企画3投稿作品】
少年は、ポケモンという生き物にも死があることを初めて知った。