第128話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください


突如ホウエンからやってきた元ヨーギラスのバンギラスを連れていくかどうするかの議論を繰り広げていたタツミ達であったが、議論中にヴォーグがテーブルの上にある夕食の全てを食べようとしていた事からタツミ達は一旦議論を打ち切り、夕食を食べることを優先。そしてそれが功を奏したのか全員が無事にそれぞれが満腹となる量の夕食を食べる事が出来た。夕食を取り終わった後、再び話題にしていた事の議論を再開した。


フ『まぁ・・・そういう感じで確認が取れているなら今回は大丈夫そう・・・だから・・・今回までだからね?もう今後は一切認めないからね?いい?』

タ「分かった。じゃあ・・・バンギラス、フィーロもこう言ってる事だしこれからよろしくね?まぁあとで名前付けようと思うけど今暫くはバンギラスって呼ばせて貰うよ。」

『ほ・・・本当ですか!!皆さんありがとうございます!僕凄く嬉しいです!』

そうバンギラスは言うと再びタツミの手を握りしめその場をぐるんぐるんと回り始める、その瞬間に二次被害を防ぐ意味合いで急いでテーブルを移動したりしていたポケモン達であったが、レガやスパイアは既にどうもこのバンギラスに至っては嬉しい事が起こるとぐるぐると回る癖があるという事を認識しているようだった。

タ「目が回って気持ち悪い・・・嬉しい気持ちは分かるけど・・・お願いだからぐるんぐるんと回さないで・・・・。」

タツミからそう言われたバンギラスはハッとした顔になった後、すぐに回転を止めタツミの手を離した。目が回っている状態のタツミはフラフラと動き回った後、地面に倒れそうになった所でスパイアに抱きかかえられそのまま椅子に座ることが出来た。

『ご・・・ごめんなさい!つい嬉しくなると・・僕って何時も回ってしまうんです・・・。』

レガ『何か不思議な癖を持つバンギラスだな・・・それよりもこれからどうするの?もうあいつらに狙われる事は無いと思うから、今までみたいに大人数で移動する必要はないから大丈夫とは思うけど・・・流石にこんな大人数でずっと旅はキツいと思う・・?』

タ「・・あー・・まだ目の前がぐるぐるする~・・・・ちなみにこの後は仲間をグッと減らして旅を続ける事にする予定・・・その連れていく候補だけどもうちょっと待ってて・・・凄くぐるぐる回ってるんだ。」

ク『あんだけぐるぐる回されちゃあ暫くの間は目の前がぐるぐるしている!状態だろうな~、あっヴォーグ勝手にそれ食べないで。ちょっと食べないでって言ってる傍から一気に口に運ぶのやめて!』

ヴォ『早い者勝ちですよ!!このままじゃあみんなの分も食べちゃいますからね~モグモグ。』

ウィ『あんたはちょっとは遠慮という事を知りなさいよ!第一あんたってまだタツミの仲間になってからそう日経ってないでしょ!だったらもうちょっと先輩に譲るとか出来ないの!』

ヴォ『僕は僕の考えで動きます!だから僕が食べたい物は食べますしやりたい事はやります!先輩後輩関係無いですよ!お互いポケモンでしょ!?』

レガ『はいはい、そこまでそこまで。ヴォーグもみんなの分も食べるからこうなるんだぞ~・・・ウィングもそこまで怒らないの。先輩なんだからさ?』

ウィ『そうだったわね・・分かったわ。』

タ「よし、目のぐるぐるも治ってきたし気を取り直して明日から連れていくポケモンの発表を」

ス『怖いからまだ話さないで!・・・・凄く不安になるから・・・ちょっと気持ちを整理させて・・・・すぅー・・・はぁ・・・。』

ウィ『ちょっとどうしたのよ?何時ものスパイアらしくないじゃないの?・・・もしかして・・・今までもずっと付いていきたかったけど付いていけないって寂しい気持ちを我慢しててストレス溜めてたとか?』

ルビ『それなら最近のスパイアが寝不足になるのも分からないでもない・・・でも最終的にはタツミが決めるからそう酷く落ち込まないで?ね?大丈夫だから、永遠の別れって訳じゃないんだからそう心配しなさんな。』

プ『そうそう!僕なんて何時も研究所で寝てばっかりだけど凄く快適だと思ってるよ?そりゃあタツミと旅したら楽しいだろうけどね?』

ヴォ『会おうと思えばすぐに会えるじゃないですか!大丈夫ですって!すぐタツミは帰ってきますから!』

それぞれのポケモンがスパイアに対して優しい言葉を掛けて慰めていくが、クラウンだけは全く違った対応だった。

ク『スパイア、・・・・・そんな気持ちでタツミが守れるか-!!!』

クラウンはいきなりスパイアに跳び蹴りをかました。咄嗟のことで対応が出来なかったスパイアはそのまま5メートル程度の距離にあるベッドにぶつかると一瞬何が起きたのか分からないかのように周りを見渡す。そして、蹴飛ばした張本人がクラウンだと分かるとクラウンを睨み付け

ス『クラウン・・・いきなり何するんだよ!!!!』と叫んだ。

ク『そんな気持ちじゃタツミを余計不安にさせるだけだろ!お前がしっかりしてなくてどうする!!ジョウトでもカントーでもホウエンでも・・・・ずっとタツミの傍にいたんだろ・・・少しは分かれよ・・・それにまだスパイアよりも僕の方が可哀想!だってカントーの次から連れていってくれてないんだもん・・・僕の方が泣きたい!』

ス『・はっ!・・・ごめん・・・・。』

タ「ま・・まぁまぁ!そんなに熱くならなくて・・・ね?じゃあ発表するよ・・・今回5体をこのまま旅に連れていこうと思う。その他は研究所で待ってて・・・多分後1ヶ月か2ヶ月かしたら帰ってくるから・・・そしたら暫く向こうでゆっくりと休もうかなと考えてるし、それならみんなともまた一緒に居れると思うからね?」

レガ『分かった。じゃあ発表して?』

タ「まずはフィーロは確定してて・・・後は・・・セル、マーニ、バンギラス・・・・そして・・・スパイア・・・・行こう。」

ス『・・・・・・・!?えっ・・・・でもタツミ・・・僕以外の方がまだ良いんじゃ・・・レガとかクラウンだって行きたがってたと思うのに・・・。』

レガ『まぁ~僕はここまで一緒に旅してきたから・・・寂しいけど・・・スパイアをよろしく頼むね?僕は研究所で待ってるから・・・・。』

ク『次の地方では連れてってよ~?それに・・・スパイア泣くなよ?ちゃんとタツミ守れよ?』

ウィ『これでスパイアのストレスも少し減るでしょうね・・・これで私も一安心~・・・・あー私もこの広い地方を旅してみたいわー、一体この地方ってどんな町があるのかしら?折角来たのにもう帰るのも勿体ない気持ちもあるし。』

ルビ『じゃあ女2人旅でもする?ちょっと近くの町1つ2つ観光してから研究所に戻る?勿論移動手段はレガでね?』

ウィ『それ良い!』

レガ『僕は君達のハイヤーか何かかよ・・・そんなのやってたら体が持たないよ・・・やれって言うならやるけど・・・果たして重いからなぁ・・・んで何処の町巡りたいのよ。』

タ「おいおい・・・・ポケモンだけで旅とか出来るのかい・・・まぁ行っても良いけどちゃんと安全に配慮してから気をつけてね?」

ティ『冗談だと思うよ。だってこの2人が一緒に行動するとすぐあーでもないこうでもないって喧嘩になるからね~。僕だったらあまり乗る気じゃないな~。』

ウィ『ちょっとそれどういう意味!?ティア!あっ!待ちなさい!!コラー!!!』

ポル『何か凄く賑やかだなぁ~・・・研究所って所でもこんな感じに賑やかなのかなぁ・・・・じゃあ僕達は研究所で待ってるから・・・楽しんできてね!』

ルデ『僕もこの地方から出た事ないから何か今から楽しみ・・・・ね?ルタ?』

ルタ『あんたと一緒だと肩の荷が重いわ・・・。』

ルデ『なにそれ酷い。』



翌日は澄み切った青空が広がるようなとても穏やかな日だった。それぞれがそれぞれに向けて旅立つには良い日であり、ここからスパイア・フィーロ・セル・マーニ・バンギラスの計5体の仲間を連れてタツミは旅を続けることとなる。その他のポケモンは今朝、研究所へと転送し無事に済んだが、ウィングとルビア、レガはちょっとこの地方を観光して帰る事となったようでここからは別行動となる。

タ「じゃあみんなも気をつけてね?まぁレガがいるから大丈夫だろうけど・・・あまり無茶な行動はしないように!それにしてもレガの方が荷が重いなぁ・・・そんなに大量に背中に乗って大丈夫なの?飛んでる時ってそんなに重さを感じないと言ったパターン?」

レガ『苦しいけど休み休み行くから大丈夫。それに重さもずっと感じながら飛んでるよ・・・それよりもタツミ達も元気でね・・・?もうあいつらは襲ってこないと思うけど万が一と言う事もあるし・・スパイアもしっかり守るんだよ!』

ウィ『無理はしないでね?スパイアとかフィーロもちゃんとタツミの事をサポートするんだよ!良いね?もし何か問題起こしたら・・・それこそ無事じゃ済まないと思いなさい。』

ス『怖!』

ルビ『じゃあレガ行こう?タツミもまた研究所でまた会おうね!それじゃあ!』

それぞれがそれぞれに挨拶を済ませるとレガは重そうにしながらも何とか空へと飛び上がりそのまま西の空へと飛んでいった。それを見ていたタツミ達であったが如何にも危なっかしいと誰もが思っていた。

タ「さてと・・・じゃあ次の町へと向かおう?次の町は・・・ここから順当に進むとなると・・・キッサキだね!キッサキって・・距離も離れているし基本雪道って事になると思うし、今朝の交通情報でも唯一チェーン規制が掛かっていたから恐らく人にとってもキツい道になると思う・・・だから覚悟しておいた方が良いかも・・・?」

ス『僕は炎タイプだから大丈夫!フィーロも大丈夫でしょ?』

フ『うん!僕は大丈夫・・だけど・・・マーニとセルはまだ寒さに慣れてないから歩くのはやめておいた方が良いかもね・・・。』

マ『そうする・・・キッサキって町に着いたらボールから出して貰えると助かる・・・・。』

セ『おいらは別に大丈夫なのに~。それにおいらも雪ってどんな物か見てみたいし!』

タ「まぁまぁ、本格的な雪道になったらボールから出してあげるからそれまで我慢しといて。じゃあ・・・・ってバンギラスはどうしますかね・・・。」

バ『いいからいいから、セルはボールの中に入ってのんびりとしておきなさいよ。じゃあタツミさん行きましょ!って僕の事?』

タ「う・・うん・・・バンギラスはボールの中に入らなくても大丈夫なの?あれならボールの中に入れてキッサキで出すって事も考えるけど・・・?」

バ『今まで寒いときも暑いときも歩いてきたから大丈夫!!』

フ『まぁそうだよね・・・じゃあタツミ行こう!』

タ「よし!じゃあ出発だ!!」


タツミはスパイアとフィーロ、そしてバンギラスをボールから出した状態で昨日も通った道を歩き出す。そしてその足取りはどこか軽い物だったのはここだけの話である。
この小説はこの話で一区切りとなります。長い間ありがとうございました。

これからはガラッと変えて話を進めて行けたらなと思っていますが、暫くは続きを書けそうにないのでご了承下さい。

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