13話目 夜明けの誓い

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はい。
ここよりすごーく脱線致します。
もはやポケダン時闇じゃないです。
時闇じゃなくなる、予定……?
「んんっ……。」

「あ、目さましたー?」

アルトは目を擦りながら体をゆっくり起こした。
まだ目は開いておらず、寝惚けている。

「あーるーとー?」

「んんっ、るなぁ?」

アルトは寝惚けた状態で立ち上がると、ギルド地下2階の大広間に向かっていった。

「わぁ、今日も満天の星空だ……!」

もう日はすっかり……というか、ギルドも寝静まっている時間帯。丑三つ時あたりだろうか?

「お月様、今日は大きいねぇ。ほれぼれしちゃう。」

ルナは夜空を見て一つ、ため息をついた。
それと同時に、目尻が熱をもってきているのも感じている。

「あぁっ、ここで泣いちゃだめだっ!」

何かを振り飛ばすようにして顔をブンブンと振る。
また、夜空を見上げ直した、その時。

「ちょ、アルトっ!?何をしてるんでゲスかっ!?だ、誰か助けてぇぇっ!」

突如、ビッパのSOS。

アルト……?

ルナは恐る恐るビッパの部屋へ行くと、アルトはビッパに腰かけて眠っていた。

ー寝相が悪い…で済むかな?ー

少し口角を緩めながら、アルトを引っ張っていく。

ーこれは、大人しく眠らせた方がいいよね。ー

心でそう言うと、アルトの布団に彼を投げる。
ほぼほぼ背負い投げ。

ーストレスも解消できて、いい投げ方だったー!ー

ゲスい?

いえいえ、ルナはこういう子です。

それからルナは眠れずに、ずーっと夜が明ける空をまじまじと見つめていた。

「んー、眠れないねぇ……。クスリ、切れちゃったし……」

「んんっ、」

アルトが布団の上でモゾモゾと動き始めたのを見て、ルナは思わず声を掛ける。

「アルト?また寝ぼけるの?寝ぼけるとビッパ達にメーワクかかっちゃうよー?」

「んー……」

ルナも、疲れた時のアルトはよく寝ぼけてそこらへんを徘徊しているのは知っていた。
それを知ったうえで、アルトの姿を見ていつもクスクス笑っている。

「……ルナァ、いまなんじ?」

「今はね、朝日が少しずつ出てきた感じかな。少しだけオレンジになりつつあるけど、まだ寝る時間だよ?」

「おー、了解ー。……んんっ。」

アルトは体を伸ばして、両手でパシンッと自分の頬を叩いた。

「いよっし、目ぇ覚めた。」

「?アルト、どこか行くの?」

「ん、ルナも一緒に行こう?」

「ど、どこにっ……?」

「それはお楽しみ。」




アルトに引っ張られて向かった先は、アルとルナが初めて出会った砂浜。

太陽はまだ顔を覗かせるか覗かせないかの間際に留まっている。
夜が明けるまで、もう少し。

「アルト……?朝日を見るの?それは弟子部屋からでもー」

「ここだから見れるって光景もあるだよ、ルナ。」

ルナは「んー……」と少し考えながら、唸りながら。
太陽が出てくるのを今か今かと待ちわびる。

「もう、少しだね。」

「ホントだね。何が見れるの?」

「だから見てのお楽しみ。」

アルトは頑なに言おうとしない。

ーなぜ、だろう?ー

「あぁ、サプライズか」と一人で合点をしていると、太陽がじわりじわりと顔を出す。

「そろそろだ。見てて。」

太陽がゆっくりと顔を覗かせると、それと同時にどこからか泡が飛んでくる。

ーこれはー!ー

「クラブに、キングラー……!」

「そうそう。あのポケモン達が夜明けと夕暮れに泡を吹くんだ。綺麗だと思って。ルナにも見せたかったんだ。」

泡は朝日を浴びてオレンジ色に輝いている。

ー朝焼けー。幾度と無く見てきたけど、ここまで心に残る朝焼けは、はじめてー!ー

ルナは嬉しくて、フフフッと笑う。
その姿を見て、アルトは首をかしげる。

「あぁ、ごめんね?朝苦手なアルトが、ここまで私に見せようとしてくれる姿が嬉しくて……!ありがとーっ!」

ルナが笑っている理由を聞いて、アルトもニッコリと微笑む。

「ルナ。」

「んー?」

なかなかアルトからの返答が来ないもので、ルナはアルトの顔を見る。

ー頬をそめて、なにやら口をパクパクさせている……?ー

「あの、こっこれからも、僕の相棒として、ポケモンズの一員として、僕と居てくれますかっ……?」

言い切った直後、アルトは手で顔を覆った。
それほど恥ずかしかった、という事なのだろう。

「ぷっ………!ふふふっ、あははっ!アルトってば、面白いねっ!」

「うっうるさいっ!僕だって勇気振り絞って言ったんだからっ!」

「あははっ、そんな当たり前のこと聞かれると思って無くて……あははっ」

めっちゃ笑ってるルナは涙を浮かべはじめ、それを羽で拭った。

「勿論、アルトと居るよ!アルトは私の相棒だからねっ!」

その返答を聞いて、アルトは口がほころぴる。



ー残念だが、それはムリな話だー


突如聞こえた、トーンの低い声に、二人は身震いする。

「こんちゃ、ポケモンズ。つか、アルトー。ここで何やってんだよー?」

「だっ、誰だ……っ!?」

「ん、もしや覚えてない?俺のこと。」

アルトは静かに頷く。
それを見て「ハァ……」と大きなため息をついた。

ー俺はダーク。ゾロアークってポケモンで、アルトの人間時代を知ってるー




へ?
今、なんて?
まぁ、新キャラ登場です!
ゾロアーク出てる時点で、時闇じゃないですけど……

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