精霊達のChristmas

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読了時間目安:20分

作者:Lienさん

[キャスト]
Ⅰ シード(セレビィ♂) Ⅱ チェリー(セレビィ♀:色違い)
Ⅲ リヴ(ミュウ♂) Ⅳ スノウ(フリーザー♀) Ⅴ エン(ファイヤー♂) 
Ⅵ イカヅチ(サンダー♂)

午後3時頃 カントー地方付近上空 sideリヴ

シード〈…みんな、あつまったね?〉
リヴ〈うん!シードの頼みとなったら断る訳にはいかないさ!〉
スノウ〈そうよね。〉

太陽の高度が下がり初め、人間達が{おやつの時間}と呼んでいるぐらいの時間に、僕達はあるポケモンに呼び出された。

……彼は[セレビィ]のシード。僕の一番の親友さ。

ついでに、僕はリヴ。詳しく言わなくても大丈夫だよね?

本編では、僕は人間の姿だけど、特別版だから元の姿って訳さ。

で、3番目に話した彼女は、[フリーザー]のスノウ。

僕達の中ではまとめ役って感じかな?

エン〈……まっ、最初に話をもらったのは俺だけどな。〉
イカヅチ〈いいや俺だ!俺は一週間前から知っとっ……〉
エン〈なら俺は二週間前だ!〉

………また始まったよ……。

……まっ、いつもの事だからいっか!

最初のほうは[ファイヤー]のエン。

後のほうは[サンダー]のイカヅチ、

二匹は昔から会うたびにこんな感じ。

三回ぐらい言い争いがバトルにまで発展したけど、{喧嘩するほど仲がいい}とも言うし、蚊帳の外の僕は暖かく見守る………。

シード〈………また始まったね。〉

シードは苦笑いを浮かべながらお決まりの台詞を呟き……、

スノウ〈……はいはい。いつまでやってるのかしら?そろそろ止めないと[冷凍ビーム]で凍らせるわよ?〉

スノウは目だけは笑わずに微笑みながら仲裁にはいる………。

エン・イカヅチ〈(………はい……。〉〉

何かトラウマがあるのか知らないけど、スノウが止めに入るとどんな時でもピタッてか収まるんだよ……。

……これは僕の推測でしかないけど、清楚で穏やかなスノウがキレたのかもしれないね……。

その時僕はいなかったから話でしか聞いてないけど………。

……とにかく、これがいつもの件くだりって訳さ。

リヴ〈……で、本題に入るけど、僕達は打ち合わせ通りにすればいいんだよね?〉
シード〈うん!〉

………実は、シードからある事を頼まれて実行する事になってるんだよ。

……今話すと楽しみがなくなるし、秘密でいいかな?

……まっ、そのうちわかるさ!

……1つ、ヒントを言うと、今日はクリスマス。

それは僕達、ポケモンにとっても同じなのさ!

エン・イカヅチ〈〈シード、俺達に任せな!〉〉
リヴ〈久しぶりに会うんでしょ?だから楽しんでくればいいさ。〉

スノウ・イカヅチ〈私はセツに今日の事は言ってあるから、この二匹の事は気にせずに言ってきてほしいわ!〉〈エン!それは俺は初めに言おうとしたんだぞ!〉

シード・エン〈スノウがいれば安心だね。〉〈俺だって言おうとしたんだ!〉

………似た者同士…。

リヴ・イカヅチ〈そうさ!だから、行ってきて!〉〈俺が先だ!〉

シード・エン〈うん!……じゃあ、頼んだよ!…〉〈いいや俺だ!〉

仲が良いんだか……悪いんだか………。

シードは、また言い争ってる二匹を無視して僕達と目を合わせた。

シード・スノウ〈[時渡り]!〉〈いってらっしゃい!…〉

そして、満面の笑みで頷き、光を纏った。

[セレビィ]の特殊能力、いくら僕が姿を変えてもこれだけは無理。

………まっ、シード、楽しんできて!

スノウ〈……ハァー……。本当に懲りないわね……。リヴ?やってもいいかしら?〉

スノウが、二匹の様子に呆れながら僕に是非を聞いてきた。

………好きにすればいいと思うよ……?

いつもの事だし……。

リヴ〈………ほどほどにね。〉

僕の言葉を聞いた途端、スノウから何か黒いモノを感じた。

………まるで今の僕の心情を表すかのように、師走の風が吹き抜ける………。

僕はスノウだけは怒らせまいと、心に堅く誓った。

スノウ〈……[冷凍………]……〉

エン・イカヅチ〈〈!!?〉〉

……この後、どうなったかは想像に任せるよ。

………2つの断末魔が響いた……っとだけ言っておこうかな?

………とにかく、シード、楽しんできてね!




………

西暦7001年 森の高台 sideシード

シード〈チェリー! ごめん! 待った?〉
チェリー〈ううん。わたしも丁度今来たところだよ!〉

ぼくは時を越えるとすぐに、大切なガールフレンドのチェリーの元に駆け寄った。

………ぼくの場合、飛んでいったって言った方が正しいかな?

ちなみに、今ぼく達がいるこの場所……、[森の高台]は思い出の土地なんだよ…。

~交錯~を読んでくれてない人のために簡単に説明すると、チェリーがある[使命]を背負って7000年代に来た時、ここで運命的な出会いをしたんだよ。

彼女達の[使命]は無事に成し遂げられて、チェリーは一度消滅しちゃったんだけど、古くからの付き合いの[ディアルガ]の計らいで何とか復活できたんだ……。

………あの時の感動はいまでも忘れないよ……。

ぼくの姿を認識すると、チェリーは満面の笑みでぼくのもとに飛びこんだ。

シード〈なら、ちょうどよかったね!〉
チェリー〈うん! シード? 今日は2000年代を案内してくれるのよね?〉
シード〈そうだよ。 チェリーはぼくの時代に来るのは初めてだったよね?〉

ぼくははやる気持ちをおさえながらも、彼女の問いに笑顔で答えた。

チェリー〈わたしには今までそんな暇がなかったからね。………さっ行きましょ!〉

……どうやら、チェリーも同じ気持ちみたい。

シード〈うん!……じゃあ……〉

ここで、ぼく達は堅く手をつなぐ。

シード〈[時渡り]!〉

そして、間髪を入れずに、光を纏い、この時代から姿を消した。

……目指すはぼくの出身の時代………。

……今までずっと今日という日を楽しみにしてきたんだよ!!


………

西暦20XX年 3の島 木の実の森 sideシード

シード〈……よし。〉
チェリー〈シード?ここは?〉

ぼく達は手をつないだまま、とある森に姿を現した。

森の木々はまるでぼく達を歓迎するかのように揺れ、絶妙なハーモニーを奏でる……。

冬特有の乾燥した風が吹き抜け、ぼく達を弄ぶもてあそぶように撫でる………。

生い茂る木々に目を向けると、赤、青、紫………。

色とりどりの木の実がたわわに実っている……。

クリスマスのイルミネーションにも劣らない色彩の共演………。

ここはぼくのお気に入りの場所の1つなんだよ。

シード〈[木の実の森]と言って、名前の通りいろんな種類の木の実を季節に関わらずに楽しめる場所なんだよ。〉
チェリー〈[木の実の森]……?………言われてみれば、見たことがない実がたくさん……。シード?ここにある木の実って全部食べられるのよね?〉

チェリーは、興味津々という様子でぼくに聞いた。

……気に入ってくれそうで、よかったよ。

シード〈うん。……中には辛過ぎたり渋過ぎたりして食べにくい物もあるけど、殆ど食べれるよ!〉

………流石に、[マトマ]の実とかは無理だね……。

聞いたところによると、シルクさんが実験用の薬品に使ってるっていう噂…。

チェリー〈そうなのね? シード? 7000年代にはない木の実もあるって言ってたけど、どれかその木の実なのかしら?〉
シード〈ええっと……、まずはこれかな?  [ズリの実]と言って、この時代ではお酒とかお菓子の材料になってるんだよ。〉

ぼくはそう言いながら薄いマスカットグリーンの木の実を手に取った。

チェリー〈お菓子の?……それに、お酒って?〉
シード〈そっか。6000年以降には無かったね……。主に人間の大人が呑む飲み物らしいよ。………ぼく達ポケモンには刺激が強すぎて飲めないみたいだけど………。でも、加工する前なら食べれるんだよ。…〉

またシルクさんからの情報だけど、果汁を搾りだしてそれを発酵させるみたい……。

スノウのトレーナーがよく飲んでるって言ってた、確か…。

シード〈ちょっと癖があるけど、甘酸っぱくて爽やかな味だよ!〉

ぼくは彼女にそれを勧めなながら、一粒を口に放り込んだ。

……途端に、口の中で果汁が溢れ、爽やかな香りが漂う………。

チェリー〈そうなのね?……………、本当だ……、美味しいかも…。〉

チェリーは半信半疑で、その実を噛んだ。

すると、迷いが一気に晴れ、瞳がキラキラと輝く……。

シード〈でしょ?〉

チェリー、喜んでくれて嬉しいよ!!

ぼく達はこの後、日が暮れるまで天然のビュッフェを楽しんだ。







午後7時頃 木の実の森 sideシード

チェリー〈………えっ!? いつの間にか真っ暗に!?〉
シード〈……やっぱり、楽しい事だと時間が経つのが早いね……。〉

僕達の食欲が幾多の木の実によって満たされた頃……、日は既に沈んでいて、森は黒一色に染められていた。

チェリーとの話に夢中で全然気づかなかったよ……。

チェリー〈そうね。……シード? もう暗いから今日はここで休むって事?〉
シード〈ううん、まだ1つ、今日中に見せたい所があるんだよ。〉
チェリー〈見せたい所……?〉

静寂に包まれた空間で、彼女はキョロキョロと辺りを見渡しながら呟いた。

……チェリーとのデートは今日を含めて3日間の予定……。

シード〈うん!……とにかく、来て! [テレポート]!〉

……でも、僕にとっては一番のイベントかな?

僕は目的の場所の風景を思い浮かべながら、彼女の手を執る。

そして、さっきとは異質の光を纏う。

……これは能力じゃなくて技だからね。

……あの時は戦闘に身をおかないといけなかったから、別の技にしていたんだよ。

……で、その光は僕達を包み込み、ある場所へと誘った。





…………

午後7時過ぎ ヤマブキシティー上空 sideシード

チェリー〈うわっ!すごい!! 綺麗!!〉

僕が彼女を連れてきた場所は……、

昼夜問わず人間達が過ごす賑やかな繁華街……。

……カントー地方の主要都市とも言える、[ヤマブキシティー]……。

もう空は暗いから、オフィスビルやデパート、高層マンションからの明かりが眩しいくらいに街全体を照らす……。

目を凝らしてよく見てみると、ビルの合間を縫って網目状に広がる街道沿いには、色とりどりなイルミネーションが施されている。

聴覚に意識を向けると、販売店から季節に見合った曲が競うように流れる……。

シード〈ここはこの地方の政治とか経済の中心の街……、一番発展している街なんだよ。………人間って凄いでしょ?既に日が沈んでいるのに昼みたいに明るいし、建物も有り得ないぐらい高い……。ポケモンには真似できないよ……。〉

後半部分は、半ば独り言のように呟いた。

チェリー〈………これが、シルクが言ってた[化学]………?〉

チェリーは、景色、技術力………、とにかく色んな事に圧倒されて感嘆の声をもらした。

シード〈うーん、僕にはよく分からないけど、とにかく沢山の学問の分野が複雑に影響し合ってできた技術らしいよ?〉

………何か凄い。

これだけは言えるよ。

チェリー〈………時代ではかなり昔なのに、文明が発展していたのね………。7000年代以上に……。〉
シード〈…………。 チェリー。君にどうしても伝えたい事があるんだ………。〉

僕は頃合いを見て………、[勇気]を振り絞って言葉を伝えた。

……実は、これからが本当の目的……。

チェリー〈伝えたい事……?〉
シード〈うん。……まず、どうしてこの季節を選んだのか分かる?〉
チェリー〈うーん……。肌寒いから……冬って言うのは分かったけど……。〉
シード〈……チェリー。……今日は聖なる夜………、[クリスマス]なんだよ。7000年代にもあるから知ってるよね?〉
チェリー〈えっ!? そうだったの!?〉

彼女は、驚きで声を荒げる。

シード〈うん。……それともう一つ。ちょっと上を見ててくれる?〉
チェリー〈うえ?……うん。分かったわ…。〉

チェリーは僕に促され、半信半疑で黒いキャンバスを見上げた。

……………よし!

これで準備は完璧。

あとは僕が合図を送るだけ……。

シード〈チェリー!話す前に僕からとびっきりのショーをプレゼントするよ!![エナジーボール]!!〉
チェリー〈ショー!? 本当に!?〉

俗に言う、サプライズ、だね。

……喜んでくれるといいなー!

僕は言うとすぐに、手元にありったけの深緑のエネルギーを溜める……。

………そして、真上のキャンバスに緑の光を滴下する………。

黒の下地に緑の星が輝く………。

すると、ちょうど[ハナダシティー]の方向から、水色の光線が一直線に放たれた。

それと同時に、[グレン島]からは赤、[シオンタウン]からは黄色のエネルギーが割り込む……。

四色の光はそれぞれに集まり、四色の光塊となった………。

チェリー〈綺麗…………。〉

四色のうち、緑色にある変化が起きはじめた。

移動を開始し、ある一点を境に4つに分裂した……。

そして、それらがある文字を形成し始める………。


  W

I

L

L

チェリー〈………文字………?〉

案の定、チェリーは不思議そうに首を傾げる。

その間にも、別の光にも変更が表れる。


赤い光が、緑とは逆の方向に移動していき、同じように分裂する………。

    M

E



順を追うように、水色にも…………。

これは緑色の方に移動する…………。

   
  Y

O

U


残された黄色も、ついに文字を描いていく………。



   M

A

R

R

Y


……………。

チェリー〈シード…………、もしかして………。〉
シード〈All I want for life is you. ……僕と結婚してくれますか!!?〉

僕は彼女の目線の正面に移動し、[魂]を込めて想いをぶつける………。


彼女の瞳からは、一筋の光がこぼれ落ちた。

チェリー〈……もちろん………。わたしでよかったら………喜んで!!〉

彼女は…………大きく…………頷いてくれた…………。

シード〈チェリー!!〉
チェリー〈シード!!〉



空からは、まるで僕達のゴールを祝福するかのように、白い片鱗がちらつき始めた…………。



…………今夜は寒くなりそうだけど、この温もりなら、なんとかなりそうだよ…………。





    fin…………

6400文字
[解説]水色の光は、スノウの[冷凍ビーム]、赤い光は、エンの[火炎放射]、黄色い光は、イカヅチの[10万ボルト]。そして、これらの光を操っているのは、[サイコキネンシス]を使っているリヴです。
[後書き]
この2人の未来が明るいものだといいですね。
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