風船と一緒に

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作者:円山翔
読了時間目安:20分

この作品は小説ポケモン図鑑企画の投稿作品です。






『ふわぁーん、ふわぁーん』





 シンオウ地方、谷間の発電所。一年中風が途絶えることのないその場所に、決まった曜日、決まった時間に現れる影があった。風に飛ばされてきたのか、はてまた自らの意思でそこに現れるのかは分からない。だが、その姿を一目見たいとねだる子供に、親は決まってこう言うのだった。

「行ってはいけません。あの世に連れていかれますよ」

 これは親が子供に対して、夜遅くに出歩いてはいけないということを仄めかす方便であるはずだった。そうではないと人々が口をそろえて言うようになったのは、そのポケモンが、小さな子供の手を引いて空高く昇っていく姿が目撃されたからである。更には、そのポケモンが飛び立った場所――――谷間の発電所の風車の足元に、目撃された子供が既に息を引き取った状態で座っていたというのだ。この噂は瞬く間にシンオウ全土に広まり、そのポケモンは、子供の魂をあの世へ連れていくなどという説が流れ始めた。この説はあながち間違いではないのだが、人々の中には、この説を聞いてそのポケモンを「死神」と呼ぶ者も少なからずいたという。

 それが、そのポケモンの真の目的を知らない人間たちの、悲しい妄言であるとも知らずに。



    *****



 花の街、ソノオタウン。谷間の発電所の西に位置するその街に、一人の少女が住んでいた。生まれつき病弱で、通っていた幼稚園も休みがちだった。医者に何度も残酷な余命を告げられながらも、少女は前向きに生きた。
 少女はポケモンに好かれやすい体質らしく、街の中で出会う人が連れているポケモンたちには必ずと言っていいほどじゃれつかれた。街の外に出れば、草むらや花畑からたくさんのポケモンたちが、少女の周りに集まってくる。幼稚園に行けず、同年代の友達のいなかった彼女にとって、ポケモンは心の慰めであった。
 少女はまた、星空を見るのも好きだった。空に輝く星を眺めては、あれがバッフロン座だの、シシコ座だのと星座を見つけて、傍にいる大人たちを驚かせた。そして、流れ星を見つけるたびに、自分の病気が少しでも良くなることを願うのだった。

とある金曜日の夜。
 二階にある自分の部屋で、東向きの窓を開けて星空を眺めていた少女の元に、風船のような形の何かがふわり、ふわりと舞い込んできた。明かりをつけてよく見れば、それは大人たちが近付くなと騒ぐポケモン、フワンテだった。風船のような丸い体に、小さな二つの目と黄色いバツ印。頭には白い雲。体の下から伸びる二本の細い手の先には、黄色いハートが付いている。可愛らしいそのポケモンを見て、少女は大人たちが何故近づくなというのかが分からなかった。
「ねぇ、あなたが、死神さん?」
 何となく、少女は尋ねてみた。フワンテはぶんぶんと顔を横に振る。あんまり激しく降るものだから、手がデンデン太鼓のようにぱたぱたと丸い体を叩く。
 少女はクスリと笑って、
「お父さんもお母さんもそう言っているけど、私にはそうは見えないな」
 風船のようなフワンテの頭を優しく撫でた。フワンテは嬉しそうに目を細めながらも、落ち着きなく体を震わせている。
「あなたはどうしてここに来たの?」
「ふわぁーん、ふわわわぁぁーん」
 少女が尋ねると、フワンテは身振り手振りで何かを少女に伝えようとする。だが、少女には何が言いたいのかさっぱり分からなかった。
「ごめんね、よくわからないや」
 少女の言葉に、フワンテはひどく落ち込んだ様子で俯いた。それでも、何を思ったのか、細い手を少女の手に巻き付けて、窓の方へと引っ張る。小さな体からは想像もできないくらい強い力だった。途中で少女の手を放したフワンテは、今度は二本の手を輪っかのように結んで、少女の後ろに回り込む。輪っかに少女が腰掛ければ、丁度ブランコのような体勢になる。少女の顔が輝いた。
「どこかに連れて行ってくれるの!?」
 思わず大声を上げる少女。だが、すぐにそれが間違いだったと気付く羽目になる。

「まだ起きているのか」

 階下から声がした。少女の父親だ。ゆっくりと、階段を登ってくる足音が聞こえる。少女は慌ててそのポケモンから飛び降り、フワンテを窓の外へと押しやって窓を閉めた。
 同時に、ガチャリと音を立てて部屋のドアが開いた。少女の父親が、顔を真っ赤に染めて立っていた。酒を飲んでいるらしいことが、父親からわずかに香るアルコール臭から分かった。
「いい子だから、早く寝なさい」
 父親は少女の頭に手を置いて、ポンポンと軽く叩いた。
「遅くまで起きていると、死神がお前を連れて行ってしまうから」
 少女は無言で頷くしかなかった。怖かったのだ。普段はおとなしい父親だが、酒に酔っている時に反抗すれば何を言われるか分からない。同じように真っ赤な顔をしていた時の父親の語調が少し荒くなるのを少女は何度か見たことがあった。そのせいで母親と口げんかになっていたことも。
 父親は部屋の窓を回って、一つ一つカーテンを閉めていった。途中、東側の窓を閉める時だけ父親は怪訝そうに窓の外を眺めていたが、何事もなかったかのようにカーテンを閉めた。全部閉め終えてから、電気のスイッチをいじっていく。広いとも狭いとも言えない少女の部屋を、就寝灯のオレンジ色の明かりだけが照らす。
「おやすみ、――――」
 就寝前の挨拶と少女の名前を残して、父親は部屋を出た。さっきは近付いてきた足音が、今度は遠ざかっていくのが聞こえた。
「……」
 少女は無言のまま、父親が閉めて言ったカーテンを全て開けていった。それから就寝灯を消し、東側の窓の向こうから不安そうに部屋の中を覗く影に向かって言った。

「おやすみ、風船さん」

    *

 次の日も、フワンテは少女の家にやって来た。少女はそのことを分かっていて、東側の窓を開けて待っていた。大声を出すとまた父親がとんでくるので、できるだけ声を落として喋った。
「ふわぁーん」
 フワンテは昨晩と同じように、両の手で輪っかを作って少女に乗るように促す。フワンテの意図を知った少女は、迷わずフワンテの作る輪っかに腰掛けた。
 少女がフワンテの手をしっかりつかんだのを確認してから、フワンテは東の窓からゆっくりと飛び立った。

「うわぁ、高い!」
少女の声が両親のところまで届かないくらい離れたところで、少女は歓声を上げた。フワンテは少女を乗せてシンオウ地方の空をゆっくりと横切っていく。いつもは見上げて首が痛くなりそうなほど高いテンガン山が、今日は随分と下に見える。

途中で強い風に煽られて、フワンテはゆらゆら揺れる。それでも、少女は手を放さない。どんなに高く昇っても、どんなに不安定に揺れようとも、不思議と怖いという感情は湧いてこなかった。絶対に大丈夫という安心感さえあった。まるで空中に浮かぶ小さなブランコにでも乗っているように、少女は心底嬉しそうに笑った。ソノオタウンとその周りしか知らなかった少女にとって、他の街は未知の領域だった。それを、今はいとも簡単に飛び越えている。

 月が空の頂上を横切る頃、フワンテは少女の家に戻って来た。あまり遅くなると、少女の睡眠時間を奪ってしまとでも考えたのだろう。少女は少し残念そうな顔をしていたが、眠気には勝てなかったらしく、
「おやすみ、フワンテ」
と言ってベッドに潜り込んだ。

 少女が寝息を立て始めたのを確認して、フワンテはまたどこかへと飛んでいった。

    *

 次の日も、そのまた次の日も、フワンテは少女を乗せてシンオウの空を巡った。風の吹き方によってスピードは変わるが、フワンテ自身はそこまで早くは飛べない。そのため、限られた時間の中でテンガン山の向こうの東大陸まで行くことは滅多になかったが、それでも少女は空から眺めるシンオウの大地にご満悦のようだった。

 不思議なことに、空を飛んでいる間は、少女の病気が嘘のように引っ込んでしまうようだった。昼間に血を吐いてしまいそうなほどひどく咳き込んでいても、フワンテが来て少女を空へ連れていくと、たちどころに咳が止まってしまうのだ。
「風船さんが、私の病気を止めてくれているの?」
 空を飛んでいる最中に、少女はフワンテに尋ねたことがあった。だが、フワンテは不思議そうに顔を傾けるだけだった。

 少女は毎晩、フワンテがやってくるのを楽しみにしていた。行ったことのない場所へ行って、見たことのないものを見る。それは、病気のせいで外出することがめっきり減った少女の、唯一の楽しみだった。

 しかし、そんな楽しみも長くは続かなかった。

 ある夜のこと、いつものようにフワンテに連れられて空の散歩を楽しんできた少女を待っていたのは、少女の両親だった。少女が部屋に降り立つと、母親はわっと声を上げて少女をに抱き付き、
「大丈夫だった?何もされなかった?」
と少女に問う。父親が窓の外のフワンテを睨みながら言った。
「最近夜になると咳の音が聞こえなくなると思っていたら、死神に連れていかれていたのか」
「違うよ。風船さんは死神じゃないよ。お空のお散歩に連れて行ってくれただけだもん」
 少女は必死に弁解するが、父親が聞き入れる気配はなかった。窓の外で不安そうに少女を見つめるフワンテに、
「二度とここに近付くな」
と冷たく言い捨てて窓を閉める。少女は父親を止めようともがくが、母親は頑として少女を放そうとしない。父親は窓に鍵をかけ、それから静かにカーテンを閉じた。
「お前もだ、――――(少女の名前だ)。無事に戻って来たからいいものの、途中であの世に連れていかれたらどうする」
「違うもん……」
 小さな声で反論する、しかし両親の耳には届かない。
「父さんも、母さんも、お前のことが心配して言っているんだ」
「そうよ。それに、いきなりいなくなったら、誘拐されたのかと思うじゃない」
 父も母も、おそらく本当に心配だったのだろう。声色からそう思えた。親には親にしかわからないことがあるのだろう。だが、少女は素直に認めようとは思わなかった。心配する声も、今は過保護にさえ思えた。
「正直に言ったって、許してくれなかったでしょ」
 心に貯め込んだ鬱憤を吐き出すように少女は言った。その言葉に、両親はさらにヒステリックになる。
「当たり前でしょう。体が弱いのに、死神なんかについて行って……」
「ともかくだ。今後一切、夜に家から出てはだめだ。いいな?」
 何も言えずに俯く少女を残して、両親は部屋を後にした。
 両親が完全に下の階に降りた音を確認して、少女は東側の窓のカーテンを静かに開いた。そこにはもう、フワンテの姿はなかった。
「……ごめんね、風船さん……」
 届かないと分かっていながら、少女は泣きそうになるのを堪えてベッドに潜り込んだ。

    *

 翌日、少女の部屋の窓に、木製の格子が取り付けられた。少女の腕がやっと一本通るくらいの隙間しかない枠は、少女が窓から出ていけないようにと父親が買ってきたものだった。 

更には、少女の部屋の周りには、少女の手が届かないところに清めのお札が何枚も貼り付けられた。雨に濡れても大丈夫なようにわざわざラミネート加工が施されたお札にはたして効果があるのかどうかは分からなかったが、ゴーストタイプのフワンテがもう寄ってこないようにと母親がお寺に頼んでもらってきたものだった。

 それでも、少女はまたフワンテが来てくれることを期待して、夜になると窓を開けて外を眺めていた。だが、いつも来ていた時間になってもフワンテは現れない。結局その日はフワンテは現れなかった。次の日も、またその次の日も、フワンテは少女の元へはやってこなかった。

 それまで落ち着いていたかに思われた少女の病状が悪化し始めたのは、このころからだった。医者に聞いても具体的なことはよく分からないと言われるばかりで、明確な答えには辿り着けなかった。原因が分からない以上、手の施しようもないという。
「どうしたのかしら……今までそんなに酷くなかったのに……」
「やはり、あの死神が呪いでも掛けていったんじゃないのか」
「そうね……あれだけ何度も連れていかれたんですもの」
 少女の両親は、少女の病気の原因を、まだフワンテのせいだと思い込んでいる。少女にとって、フワンテといた時の方が病状は軽かったのだ。何もかもフワンテのせいにされるのは、無性に腹が立った。だが、否定したところで信じてはもらえないだろう。

 日ごとに咳をする回数が増え、ひどいときには血を吐くこともあった。これも全てフワンテのせいにされるのか。フワンテは自分を元気づけようとやってきたのだと信じてやまない少女は、これ以上体調が悪化しないことを願った。だが、病状は悪化の一途を辿るばかりで、一向に良くなる気配はない。このまま死んでしまうのではないかという悪い予感が、時折少女の頭を掠める。

「この家に近付くなと、あれほど言ったはずだぞ!」

 父親の怒声が聞こえる。おそらく、家の外からだ。何かいるのだろうか?
 少女は軋む体に鞭を打って、東側の窓のカーテンを恐る恐る開けた。

 そこに見えたのは、少女の寝室へ近づこうとするフワンテと、竹箒を振りかざしてフワンテを叩き落とす父親の姿だった。傷だらけになりながらも、フワンテは何度も窓の中の少女の方を向いて飛び立とうとする。父親はそれを阻止しようと、手に持った箒を何度も叩き付ける。

(やめて!)

 少女は窓を開けて叫ぼうとするが、掠れた音がするばかりでちゃんとした音にならない。

「何をしている!窓を閉めろ!」

 父親が気付いて少女の方を向く。箒で叩く手が一瞬止まる。その一瞬の隙に、フワンテはどこかへと飛び去っていく。

「くそっ、逃がしたか……」
 悪態をつきながら踵を返す父親とは対称的に、少女はフワンテを引き留めようと声を振り絞る。

(待って!)

 しかし、少女の声はまたしても掠れて届かない。もどかしさが胸にこみ上げる。同時に、ひどい咳が少女を襲う。少女は辛うじて窓を閉め、ふらふらと歩いてベッドに倒れ込んだ。

    *

 その日の晩だった。

(起きて、起きて)

 声が聞こえる。どこか不安げで、それでいてはっきりとした男の子のような声だった。

 少女は目を開けると、少女の視線の先には何故かフワンテがいた。窓は閉めたはずだし、そもそも木枠が邪魔で入ることができないはずだ。それなのに、傷だらけのフワンテは当然のような顔をしてそこにいた。

「どうやって、入ってきたの?」

 今にも掠れて消えてしまいそうな声で少女は尋ねる。

(僕はゴーストタイプだから、壁抜けくらいなら簡単にできるんだ)

 少女は目を丸くした。今まで「ふわぁ~ん」という鳴き声でしか喋らなかったフワンテが、人間の言葉を喋っているのだ。しかも、テレパシーではなく、ちゃんと耳から聞こえてくる。その体に刻まれた傷跡を見た少女の目から涙が零れ落ちた。

「ごめんね……あんな酷いことされて……それでも、また来てくれたんだね……」

 頬を伝う涙を、フワンテの小さなハート形の手が優しく掬う。声を出せずすすり泣くばかりの少女を、フワンテは静かに見守った。

 しばらくして少女が落ち着いてから、フワンテは言った。

(仕方がないんだ。君のお父さんやお母さんの言っていることは、半分くらい正しいことだから)

「どういうこと?」

(君を迎えに来た。君を安全に空まで運ぶのが、僕の仕事なんだ)

 少女はフワンテの言うことがよく分からなかった。フワンテは

(残酷なことだけれど、君はもうすぐ死ぬ。君が天国へ迷わずに行けるように導くのが、僕の役目)

「……そうなの」

 少女の顔に、失望の色が浮かんだ。それまでフワンテは死神ではないと信じていたのに。

「じゃあ、死神かどうか聞いた時に違うってやったの、あれ、嘘だったの?」

(嘘じゃない。君の両親にとってはそうだったのかもしれないけど、君にとってはそうじゃなかったはずだよ)

「じゃあ、なんで!?」

 そこで初めて、少女はまともな声を出した。はっと口を押えるが、両親が階段を上がってくる様子はない。

(考え方は、人それぞれなんだよ。人間をあの世へ無理矢理連れていくのが、君のお父さんとお母さんが思っている死神なんだろうね。でも、違う。僕たちはあの世へ行くべき人を導くだけ。無理矢理命を奪うなんてことはしない)

 フワンテの小さな目が、少女の大きな瞳を見つめる。少女の瞳が迷いに揺れる。カタカタと窓が軋む。

(信じてくれるかい?)

 少女は何も言わずにコクリと頷いた。というより、頷くしかなかった。自分がもうだめだということが、今になって痛いほど身に染みた。

(じゃあ、行こうか)

 フワンテが少女の手を引いて、

「待って」

 少女はそれをとどめた。

「パパとママに、お別れを言わないと」



    *



 翌朝。普段はとうに起きている時間になっても少女が降りて来ないことを不審に思った母親が、少女の部屋を覗きに来た。そこで母親が見たのは、母親がそれまで見たことのないほど安らかな笑顔でベッドに横たわる少女だった。そして、少女が既に帰らぬ人となったことを物語るように、胸の前で両手を祈るように組んでいた。母親は青ざめた顔で少女の口元に耳を近づけ、息をしていないことが分かると
「あなた!あなた!」
と、大声で階下の父親を呼んだ。
 父親は何かをぼやきながらのそのそと二階に上がって、少女の名前を呼ぶ。返事は返ってこない。母親が震える声で少女が旅立ったことを伝えると、父親は何も言わずに部屋に背を向け、俯いたまま入り口の柱に拳を突き立てた。

 涙を流しながら少女の頭を持ち上げて抱きしめる母親が、枕元に何かを見つけた。
 真っ白な封筒だった。中には、小さく折りたたまれた一枚の紙が入っていた。


――――わたしはもうだめなんだって、
   ふうせんさんがいっていました。
   おとうさん、おかあさん、さようなら――――

 少女の字でそう書いてあった。それから下の方に、大きな字で

――――ふうせんさんは、しにがみじゃなくて
   てんしさんだったんだ――――


「……」
母親は無言のまま、手紙を父親に見せる。父親はその手紙を見て、驚きに目を見開いた。少女を失った悲しみと、何もしてやれなかった無力さと、勘違いによって少女を苦しめていたという罪悪感がこみ上げて、気が付けば、わなわなと震える手で、少女からの手紙を握りつぶしていた。



     *****



 フワンテ。風船ポケモン。幼い子供が死んだときに、天国まで迷わないように、何かに襲われないように導くポケモン。この事実を知っている人間は、残念ながら今なお少数である。














 あとがき

 朝に読まれた方はおはようございます。
 昼に読まれた方はこんにちは。
 夜に読まれた方はこんばんは。
 そして、初めて読まれる方は初めまして。円山翔です。


 「王墓の守り手」に引き続き、連載小説「死神たちの憂鬱」の番外編として書かせていただきました。

 ポケモン図鑑の記述も、見方を変えればそのポケモンに対するイメージはがらりと変わる。「死神たちの憂鬱」は、そんなことを考えながら書いてきたシリーズでした。今回のフワンテについては、璃那さんの連載小説「森の子供たち」より解釈をお借りしました。ありがとうございます。

 死神と一口にいっても、いろいろありますよね。ゲームではよく敵キャラとして登場しますが、ドラゴンボールのゴテンクスは自らを「正義の死神」と名乗っていますし、BREACHにおける死神は、いい魂を冥界に送り、悪い魂を斬るといったように、捉える人や見方によって変わってきます。皆さんにとって、死神はどんな存在でしょう?

 死神だけに限らず、見方を変えれば見えていたものが180度違って見える例はいくつも転がっています。一つの見方だけの囚われず、様々な見方ができる人間になりたいと願う今日この頃です。

 
 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

2015年8月6日
円山翔

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