第93話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください


フィーロと別れそのままワカバタウンへと直行したタツミ達は、大体1時間ちょっとの飛行でワカバタウンのウツギ研究所の前へと辿り着く事が出来た。一つの地域をまた旅したタツミ達であったがその気持ちは何処かまだ晴れずに居た。



タ「何か・・・あんまり気持ちいい終わり方じゃないね・・・まぁひとまず入ろうか。」

タツミはウツギ研究所の扉を開け中へと入って行った。するとその瞬間ウィング達が駆け寄ってきてタツミに飛びついてきた。

ウィ『お帰り!タツミ・・・ってどうかした?何か元気ないよ・・?何かあったの?あっ!もしかしてまたレガとスパイアが喧嘩とかしたんじゃ無いの?』

レガ『ギクッ!?そそそそそそれはないよ!・・・・多分ね・・・。』

タ「ははは、大丈夫だよ~それよりも元気にしてた?ごめんね、中々連絡して無くて・・レスタも大きくなったなぁ~もうこの調子なら全然活躍してくれそうだね。」

レス『うん!タツミも新しい地方の方どうだった~?何か新しい事あった?』

タ「そうだなぁ・・・まぁ一通り旅してきたけどなぁ・・・色々とあったなぁ・・・。」

ウィ『あれ?そういえばフィーロやスカイはどうしたの?さっきから見当たらないんだけど・・・・?えっ?なにクラウン・・・・?』

ク『察してあげて。スカイはちょっと前に・・・そしてフィーロなら・・・さっき別れてきたよ。』

ウィ『えっ・・・・ごめんなさい・・私知らなくて・・・・。』

タ「いいよいいよ、大丈夫。さてと・・・あれ?考えたら博士は?さっきから全く見当たらないんだけど・・・・?」

プ『博士だったら暫く留守にするって言って助手と一緒に隣町に出かけてるよー。だからその間僕達が研究所を守っているって感じかなぁ~。まぁだからと言って何も無いんだけどねぇ~。』

タ「そうかぁ・・・何日くらいかかるって言ってた?」

レス『大体3,4日くらいで戻ってくるって話だったから帰ってくるのは明後日かな?それよりもタツミ、久しぶりに会ったんだから遊ぼう!』

タ「そうかー、まぁ確かに帰ってくるのも結構久し振りだから遊ぶかー。」

レス『うん!何して遊ぶ-?』

ウィ『タツミ大丈夫・・・?そんなに辛い思いしたなら無理に遊ばなくても良いんだよ?レスタの相手はスパイアにでも任せておけば良いし・・・。』

ス『なんで僕限定なの!?レガとか暇そうなクラウンがいるじゃん!?』

ク『こう見えて暇じゃ無いんだぞ?これから睡眠という用事が入っているんだ。』

ス『それを暇って言うの!ってか睡眠を用事に取り入れてどうするの!?クラウンが遊んであげなよ、睡眠という用事は何時でも出来るでしょ!』

ク『眠い時に寝るってのがまた良いんじゃないか!それが分からないなんて・・・スパイアも若いなぁ、ねぇタツミ。』

タ「だぁー!もう良いから!僕が遊ぶから2人ともあっち行ってて!」

ス『はい・・・・。』

ク『むぅ・・・・。』





タ「いやーレスタも強くなったなぁ・・・古代のポケモンって話だったけど本当成長したよ・・・この調子ならまだまだ強くなりそうだね。」

レガ『確かにそうだね・・・力とか以前とは比にならない位強かったし意外とバトルとかのセンスもあるのかもよ?』

タ「そうだね・・・さてと何するかねぇ・・・あっ!そうだった・・・また恒例行事みたいになっているけど次の地方に行く時に誰を連れて行くか決めないと・・・。」

レガ『!?』

ス『!』

タ「まぁまだ決定事項じゃ無いんだけどね、それに今日はここに泊らせて貰おうと思うから発表は明日ね?それまで各自自由に過ごしてて良いよ~。」

レガ『でも、今回はどこに行く予定なの?もしかして・・・。』

タ「まぁシンオウ辺りかなぁって考えではあるけどさ・・・幸い今はまださ厳寒時じゃないから寒くはないだろうけど北部に行くほど雪は積もっているみたいだし・・・この地方どうなってるんだ・・・?」

ク『寒い地方に行くならやっぱり炎タイプを連れて行った方が良いんじゃないかな?そっちが何かあった時も暖を取れるし。』

ス『そそそそそうだね。特に僕に至っては尻尾に炎灯っているから寒い地方に行くならなおさら都合良いと思うよ?』

タ「まぁそういうのを留意した上で明日発表するよ。」

タツミがそう言い終えるとポケモン達はそれぞれ今まで居た場所ややっていた事を再開させるために持ち場に戻っていった。それを確認するとタツミは静かに研究所のドアを開き外へと出る、しかしそれを遠くから見ていたレガだけがタツミの後を追い研究所のドアを開け追った。




タツミは研究所からそう離れていない芝生が生えた小さな公園のベンチに腰掛けた。芝生は寝転んでも痛くないと思われる位柔らかく少々踏み入れて良いか戸惑いを感じさせる。

タ「うーむ・・・さてとこれからどうするかねぇ・・・今日も博士は帰ってこないという話なら仕方ないから何か買ってくるかそれか何か作るか・・・。」

レガ『タツミ。』

タ「!?・・・なんだレガか・・・どうかした?何かまたスパイアとの間に問題でも起きた?」

レガ『僕が話し掛けてきた=スパイアとの喧嘩じゃなくて・・・。いや・・・何かタツミが元気なく外に出たから心配になって・・・大丈夫?』

タ「ははは、一応ね。それよりも今日の夕飯はどうしようか~・・・研究所の中に何も無いって事は無いんだろうけど勝手に食材使ったりするのも迷惑だろうし、逆に何か作るってのも面倒だしなぁって思ってね。」

レガ『それなら材料買いに行こう!それに久し振りに何か作ってみたらどうかな?今まで自分たちで作るって事、数えるくらいしかなかったから今回の旅の最後にって。何かの記念になると思うよ。』

タ「それもそうか・・ならちょっと何か買ってくるかなぁ・・・それから色々と・・・よいしょっと・・・・!?」

そう言いベンチから立ち上がろうとしたタツミだったが。その時に背後から急に凄い力で抱きつかれそのまま前の芝生へと転がった。それを見たレガは一瞬何が起きたのか分からず居たが直ぐに目の前に居たタツミが居なくなった事に気づく。

レガ『あれ?タっタツミどこ?!』

タ「いてて・・・急になんだろ・・・この触った感じや微かに見える白くて大きい手は・・・もしかして・・・・・・・・








フィーロ・・・?」






フ『うん・・・・・・・。』


どうやらタツミを勢いよく抱きしめたのは先程別れたばかりのフィーロであった。首元に巻いていたスカーフからまだ水が滴り落ちていたという事は、海からそう時間を掛けずに来たという証拠であろう。

タ「・・・・・・どうした・・・・?お母さんの元に戻ったんじゃ無いのか・・・・。」

フ『・・・・戻ったよ・・・でも・・やっぱり僕は・・・。』

タ「そうか・・・・分かった。会ったという事は・・・もうあの話も聞いているって事か・・・。」

フ『・・・・・・うん。僕も最初にお母さんから聞いた時はどうしても信じられなかったけど・・・タツミのさっきの態度とか見るとどうしても・・・。』

タ「どうしても言えなくて・・・それが余計にフィーロを悲しませたかもしれないな・・ごめんね・・・。」

フ『大丈夫・・・それと僕決めたんだ・・・やっぱりタツミと一緒に居たいって。そしたらお母さんも賛成してくれたよ・・・タツミなら・・・・絶対大丈夫だって・・・裏切らないし大事にしてくれるって・・・・だから・・・僕・・・。』

そうフィーロが言ったのを聞いたタツミはフィーロを抱き直した。そしてフィーロに言った。

タ「そう言ってくれて嬉しかった・・・・あのお母さんにも・・・フィーロにも・・・・。」

フ『だからタツミ・・・・・。』


タ「・・・・・もう絶対離れないから・・・・もう別れは・・・要らない・・・・。」

そう言ったタツミの頬は涙で濡れていた。そしてフィーロも続けて

フ『僕も・・・絶対もう迷わない・・・・決めたんだ・・・・!絶対タツミから離れないって・・・だからタツミ・・・・。』

タ「うん・・・・・またよろしくね・・・・フィーロ!」

フ『僕の方こそまたこれからもよろしく・・・・タツミ!!』

そうお互い言い終えると抱きしめ合った。それを遠くから見ていたレガだったが二人に近づき・・・

レガ『良かった良かった、タツミが元気なかったからずっと心配していたけど・・・フィーロが戻ってきてくれたなら・・・。』

フ『うん・・・レガにも迷惑掛けてごめんね・・・・またこれからもよろしくね?』

レガ『勿論!それよりも今日の夕飯の食材買いに近くの町に行こうか~タツミ・・・フィーロ。』

タ「そうだね、よし!じゃあ行こう!・・・それよりもフィーロどんだけ飛ばしてきたんだ・・・まだスカーフが濡れたままじゃない。」

フ『どうしても早くタツミに会いたくて・・・・。』

レガ『まぁそうだろうなぁ・・・よし!行こう!』

そう3人の様子を遠くから見つめる大きな一つの影があったが、3人がそれに気づく事は無くその大きな影は静かにその場を離れていった。



ク『まぁフィーロが無事また戻ってきてくれて良かった・・・けどお母さんの方が気になるね・・・何事も無く過ごせて行けたら良いんだけど・・・。』

フ『大丈夫とは思うけど・・・今回はあんまり調子が良くなくて・・・だけど大丈夫だと思う・・・多分・・・。』

タ「まぁこれからは長期行く時は事前に様子を見に行くついでに寄ってから出発した方が良いかな。それよりも今日は・・・作るぞ?」

ウィ『えっ・・・作るって・・・何を・・・もしかして夕食を?タツミ出来るの?私作っているの見たこと無いけど・・・。』

タ「大丈夫だ、多分問題ないと思う。まぁ簡単なやつしか出来ないけどそれでも勘弁してね。じゃあ作ろう!」

レガ『OK!ところで何作るの?』

タ「取り敢えず簡単なところカレーかシチューか野菜炒めかもやし炒めかとかそこら辺しか出来ないかなぁ、あっスパイアは悪いんだけど尻尾の炎でご飯炊いてくれる?」

ス『分かった!それ位なら・・・・って僕コンロの役!?』

ルビ『ウィングにはあれ位で話を付けておいてあげたんだから今回はコンロの役に徹しなさい。・・・そうじゃないとレガとの事とか色々言うわよ?』

ス『分かりました・・・申し訳ありませんでした。コンロの役に徹したいと思います、はい。』

タ「よし、じゃあ作るぞ!」

フ『うん!』


タ「意外とルビアとかウィングって器用なんだね・・・ってウィングとか凄く器用なんですけどえっ?えっ?なんでこんなに器用なの?」

ウィ『そりゃあタツミが居ない間はずっと私が世話役みたいにしてたからね、これ位は日常茶飯事って感じよ?それよりもクラウンの方は鍋の具合どう?沸騰していないかしら?』

ク『大丈夫、今の所沸騰はしてないね。だけどスパイアは大変だなぁ・・・コンロ役でご飯と鍋の両方を温めないといけないんだから。』

ス『これ位なら・・・って言ってもかなり暇だからね?これ?かなり暇過ぎるからね?』

タ「まぁ暫くしたらスパイアにもちょっと手伝って貰う事あるからそれまでの我慢、それよりもレガとフィーロの方はどう?」

レガ『うん、大分マシな味付けになってきたと思うけどどうかなぁ~フィーロはこれ位が丁度良いって言ってるんだよね。』

フ『そう、あんまり濃い味になるとちょっと食べ続けるのがきつくなっちゃうからね・・・薄味プラスαが丁度良いと思うよ(*^_^*)』

タ「なるほどねぇ・・・まぁそっちはそっちに任せるよ。」

ヴォ『(ーー;)・・・これどうやってチンするんだろ・・・?』

プ『一応その袋を破ってから扉開けてそして中に置いてからの話だから・・・そうそう、それを扉開け・・・って開けづらいから僕が代わりに・・・はいこれで中に置いて。』

ヴォ『こ・・こんな感じ?』

プ『まぁそれ位で良いと思うけど・・・っで取り敢えず3分間チンしよう。ここからは僕がするからちょっと見てて。』

タ「取り敢えずかなり大掛かりな事になったな・・・博士が居なかったからこれ出来てるけどこりゃ片付けも大変そうだな・・・。」



暫くして大体の料理が出来上がったが、もう外は真っ暗で時計の針は19時をちょっと回ったところだった。料理を広めのテーブルに置き小さな小皿やら飲み物やらを用意した後はみんなで食す。

タ「よし、じゃあ食べようか。今回の旅も一応無事に終わった事を記念して・・・・頂きます。」

ク『何か・・・辛くないこの・・・・スープ・・・?ってこれタバスコやん・・・誰入れたの?』

ス『あれ?クラウンって辛いの好きじゃ無かったっけ?(ニヤニヤ』

ク『お前かー!!!辛いの好きじゃ無いし寧ろ苦手な方だしなに入れてくれてるのよ!スパイア!お前最近なんか様子おかしいぞ!』

タ「確かに何か様子おかしいよな・・・もしかして風邪でも引いて熱でてるとかじゃ無いよね?・・・うーん・・・炎タイプだから熱いのは熱いけど・・熱があるかどうかまでは分からないなぁ・・・。まぁ取り敢えず食べた後風邪薬飲んでおくこと。」

ス『うん・・・?』

レガ『全くスパイアは・・・。ん?!ちょっと待て・・・これ誰やねんレモン汁入れたの・・・もしかしてクラウンか?』

ク『(遠くを見ている)』

レガ『お前も人の事言えんやん!クラウンのにも酸っぱいのと辛いの入れるぞ?』

タ「食べ物で遊ばない、全くなんで長く旅してきた方がぎゃーぎゃー騒いでヴォーグとかティアとかあまり長く旅してない方が静かに綺麗に食べるのか・・・。」

ヴォ『?』

ティ『まぁあまり騒がしい中食べると食事の質も落ちますし味も悪くなりますから、とにかく騒動には加わらなくて静かに食べるのが良いと思いますね。』

フ『それは僕も同感。少しくらいは賑やかな方が良いけど今回はちょっと騒ぎすぎかな・・・静かに食べるべきだね(`・ω・´)』

ウィ『・・・・あんた達・・いい加減にしないとそれぞれの苦手な技仕掛けて動けなくするわよ?』

ス&レガ&ク『申し訳ございませんでした・・・反省して静かに食べますので・・・どうかお許しを・・・。』

タ「何だこの絵は。とにかく静かに食べて話したい事あるなら後でお願いします。」

九州と関西を高速で移動する時は大体山陽道よりも中国道経由にする事が多いです。
飛び石とかの心配も少ないし何より交通量が来い状態なので運転しやすいんですよね。ただ、80規制が多いのでそれが難点かなと・・後は交通量が少ない為PAやSAの施設が一部を除いて古いと言うのも難点ですね・・。

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