第51話
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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください
あれから部屋に戻ったタツミ達はやはり少し無理気味だったのか横になるとすぐに夢の中へと落ちていった。ちなみにリュウセイはもう既にいびきをかいて寝ていた。
そして、翌日一番最初に起きたのはリュウセイの方だった。
リュ「うーん・・・はぁ・・・・よく寝た。さてと、今から試合の準備しないとな。準備は本当大事だからな・・・。タツミは・・・・寝てるか・・・。朝一で一緒にトレーニングしようかと思っていたけどなぁ。
まぁ、昨日遅くに帰ってきたみたいだし・・・今は寝かせておいてやりますか。」
リュウセイはタツミを起こさないようにソロ~と部屋から出ていった。
リュウセイが部屋から出て行ってから1時間後、ようやくタツミが目を覚ました。
タ「・・・・・あれ?リュウセイがいないなぁ・・・。まぁ準備体操でもしにいったんでしょ・・・。さてと、出発の準備でもしておこうかな。」
タツミは身の回りを片付け、着替え、顔洗い、歯磨きと行った恒例行事を淡々と行い、ポケモン達をボールから出した。
ク『・・・・昨日はしゃぎ過ぎた・・・。すんごく体がだるいよ・・・。』
ス『僕も同感・・・。』
タ「だからあんまりはしゃぎすぎるなって言ったのに・・・・。まぁ、今日はボールの中でゆっくりとしておくことだね。」
ク『そうする・・・・。』
レガ『なら、今日は僕が歩こうかな。』
タ「うん、わかった。それじゃあ朝飯食べに行こうか。」
タツミはポケモン達をボールに戻し、部屋を出ていった。
タツミ達が朝食を食べに行ってから数分後、リュウセイが朝練から戻ってきた。しかし、部屋のカギはタツミが持っていたので部屋には鍵がかかっていた。
リュ「うわ~・・・鍵持って出ればよかったかなぁ・・・。まっ丁度朝食に行こうと思っていたから良いか。」
リュウセイは鍵を開けるのも半ば諦め、タツミがいるであろう食堂へと歩いて行った。
レガ『うわ~・・・人多いね。』
タ「まぁ近い内にバトル大会あるって言ってたからそれに出る人達だろうなぁ。にしてもみんな強そうなポケモン連れてるなぁ。」
レガ『うん、なんか怖い人もいるからなるべく早めに出た方がよさそうかも・・・。』
タ「そうするか。レガは何が良い・・・それよりも何か買ってから外で食べるか。」
レガ『うん♪』
ということでタツミ達は急遽予定変更して、近くの公園で朝食をとることにした。
タ「うーむ・・・やっぱり時間が悪かった・・・。」
タツミ達はあの後外に出たのは良いが、やはり知らない土地でどこが安く美味しいのかわからないので無難な選択ということでコンビニみたいな場所で買うことにしたのだが、考えていることは
みんな同じで買う人が多く結局人数分買うことが出来なかった。
レガ『これじゃあみんなで1個は無理だね・・・。』
ク『本当人多いってなんか弊害多いなぁ・・・。』
ル『お腹空いたですねぇ・・・・。』
レス『・・・・・・(コクッ』
タ「しゃーない、じゃあ僕は良いからみんな食べていいよ。それならばなんとか行けるからさ。買えなかったと言っても1人分足りないくらいだから。」
ス『でもそれじゃあタツミが・・・。』
タ「大丈夫だよ。元々あんまり食べない方だから。」
ス『でも・・・。』
ク『タツミ、はい。』
クラウンが手渡してきたのはやや半分に割れたさっき買ったばかりのおにぎりだった。
タ「クラウン?」
ク『やっぱり僕も昨日の疲れであんまり食欲ないから・・・。だからタツミに半分あげるよ。』
ス『だったら僕も・・・・』
スパイアも半分に割って渡そうとしたが、その時スパイアのお腹からグーと大きい音が聞こえてきた。
タ「お腹空いているみたいだから1個食べていいよ、その気持ちだけ有難く受け取っておくよ。」
ス『うん・・・。』
タ「さてと・・・今日はどうしようか?」
レガ『進むとしたらどこに行くの?やっぱりシオン?』
タ「うーん・・・やっぱりそうなるよなぁ・・・。でもあの町はちょっと怖いのよねぇ・・・墓あるから・・・・。」
ス『墓!?』
ク『墓って・・・・。』
レガ『確かにそれは薄気味悪そうだ・・・。』
タ「うーむ・・・ポケモンタワーっていうやつがあったような気もするんだよねぇ・・・。それとももうラジオ塔に改装されたっけ・・?」
ス『と…取り合えず行ってみたらどうかな・・?ちょっと怖いけど・・・。』
タ「それもそうだね、まぁ行っても入らなければいい話だもんね。朝食が終わってから出発しようかね。・・・っとその前にリュウセイに断り入れなきゃな。」
ス『ところで・・・本当にタツミ大丈夫なの?その・・・お腹空いてないかなって思って・・・。』
タ「本当大丈夫だよ。スパイアの方がよく食べておいて。何かあったときは頼るからさ。」
ス『うん!・・・・・・ゴホッゴホッ!!』
タ「おいおい・・・大丈夫かいな・・・。一気に食べるから・・・。」スパイアの背中をさする。
ス『ゴホッ・・・ごめんタツミ・・・。』
ク『まったく・・・。』
レガ『スパイア大丈夫?』
ス『大丈夫。タツミが背中さすってくれたおかげでちょっとは楽になったよ。ありがと、タツミ。』
タ「どういたしまして。急いでないからゆっくり食べていいよ。」
タ「という訳で今日出発することにした。」
リュ「いや、いきなりそういわれてもこっちは反応に困るぞ。」
タ「まぁ言った通りこれから出発しようと思う。」
リュ「お前はさっき話し始めたばかりでこっちはこれまでのいきさつが全く把握できないのだが。とりあえず出発するんだな。気をつけてな。」
タ「うん、またどっかで会おうな。それじゃ。」
リュ「なんかあっさりと色々と言われた気もするけど気を付けてなー。またなんかあったら連絡して。」
タ「おk。それじゃ。」
・・・・・・・・
リュウセイと別れを告げたタツミはヤマブキシティを東に向けて歩いていた。
タ「にしても人多いね。」
レガ『うん、なんかコガネ以来の人の多さな気もするよ。』
タ「確かにコガネかそれ以上な感じもするね。流石首都だわ。」
レガ『それでこれから行くシオンって町は墓がメインの場所なの?』
タ「うーん・・・確かポケモンタワーっていういわゆる墓があるって聞いたけどなぁ・・・そのあとラジオ塔に改装されたって聞いたこともあるし・・・。行ってみない事には分からないんだよね、こればっかりは。」
レガ『そっか・・・。あっ、ゲートが見えてきたよ。』
タツミ達はヤマブキシティ東側ゲートへと辿り着いた。こちら側も北側と同じようにナンバー読み取り装置や検問所が設置されていて警備体制だけは厳戒態勢だ。
タ「さっさと通過してしまおう、今日の目的地はまだまだ遠いからね。」
タツミ達はさっさと警備員には目もくれずに検問所を後にした。
レガ『でも人にはあんまり厳しくないんだね。車の方には相当厳しそうなのに。』
タ「多分、車で変な物資とか運んできたりするのを阻止しているのじゃないかな?・・・・ゲートを通った瞬間から一気に自然が溢れる景色になったなぁ・・・。」
ゲートの外側は山々が連なっていてこれから行くシオンがやたらと山深いところにあるのを意味しているような感じだった。ちなみに車はトンネルで一気に通過してしまうようで、絶え間なくトラックやタクシーが行き来していた。
歩行者用の道路はちょっと遠くはなるが峠越えの道となる。通行する人がやはり多くいるためか道としては整備されているようだ。
タ「さて、さっさと行ってしまおう。夜に着くような感じだと怖いから・・・。」
レガ『それもそうだね・・・。』
タツミとレガは一気に通過してしまおうと走り出した。