第113話

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登場ポケモン→ ・フィーロ→ルギア ・ルタ→ナエトル ・ルディナ→ポッチャマ ・ポル→ミズゴロウ
        ・タツミ→キュウコン(元人間)

公営の公園に到着したタツミ達、途中でコンビニに寄り昼食を購入していた為、当初予定した時間よりも想像以上に時間が掛かってしまった。公園自体は市街地の外れにある為、それ程アクセスが良いとは言えないがそれでも多くの人とポケモンで賑わっていた。

タ「やっと着いた・・・フィーロ大丈夫か~?」

フ『何と・・・か・・・タツミ達が走るもんだから付いていくだけでも精一杯だったよ・・タツミ足早くなったね・・・はぁ・・・。』

タ「ごめんごめん、つい急がないとと思って走っちゃったから・・・ってここの公園って入り口ゲートあるのかい・・・。」

ポル『ん・・・?ここの公園って連れ歩きするのが入場する条件とか書いてあるけど大丈夫?ポケモンがポケモンを連れ歩くという摩訶不思議な事が起きようとしてるけど?』

タ「大丈夫でしょう・・・取り敢えず公園の入り口に行ってから聞いた方が早いかな~行こう!」



受付「ポケモンだけでご利用・・・出来るの?」

タ「(それこっちが聞きたい)」

受付「厳しいんじゃ無いの?だって連れ歩きが条件でしょ?まぁポケモンだからその条件に合致しないとかするとかはあれだけど、取り敢えず聞いた方が良いかと?」

受付2「多分大丈夫、前もこういう事あったけど普通に入れてしまったし、それにまだ連れているポケモンも小さい・・・大丈夫でしょう?と・・取り敢えず公園内は広いですけど、バトルとかは駄目ですのでそこら辺はお願いします。あと、ゴミはちゃんとゴミ箱へお願いします。」

タ「(頷く)・・・・。」



ここの公園は一般の公園とは異なり、入り口にゲートが設置され係員が常駐、トレーナーは手持ちポケモンをボールから出して入場するのが条件となっている全国的に珍しい公園である。
しかし、大型ポケモンは安全上の理由により連れ歩きは出来ない為、連れ歩けるのは実質的に小型若しくは中型のポケモンだけとなるが連れ歩きと言うのは一般トレーナーでは馴染みが少ない為、意外と好評なのか来場者は多い。


タ「ほぉ・・・ここって連れ歩きするのが条件って感じなのね・・・だけどフィーロくらいならばまだ暗黙の了解的な意味で入れたのか・・・。」

フ『僕なら大丈夫だろうけど、お母さんくらい大きくなるともう駄目だろうな~。』

ポル『っというよりもここの受付の人ってフィーロがルギアって事知らなかったっぽいし・・・大丈夫か?ここ?』

タ「まぁ気にする事無いじゃない。それよりも昼食にしようか、フィーロその袋からそれぞれに振り分けて・・ってシャッフルすな!!」

フ『レッツ!ロシアンルーレット。』

フィーロはタツミから手渡されたビニール袋を持ち、中身が混ぜ蕎麦と確認後ビニール袋をぐるんぐるんと回し始めた。その光景を見たルタやポルは早急に後ろへ後ずさりし若干引き気味でフィーロに忠告する。

ルタ『ロシアンルーレットって・・それやってる事と言ってる事全く違いますからね!?フィーロがやってるのただのシャッフル!!あー---!!!混ざる混ざる!!』

ポル『食べ物で遊んじゃ駄目でしょ!!って聞いてるの!?』

フ『あーーー聞こえなーーーーい!!』



タ「・・・混ぜても良いけど、それ全部フィーロが食べてね?僕達のはこっちにあるから。」ガサッ



ピタッ



タツミがそう呟きバックの中から別のビニール袋を取りだしたと同時に、フィーロの動きが止まりぐるぐると回転していたビニール袋だけが空しく廻っていた。そしてフィーロは静かにそれを止めテーブルにそっと置くと・・・


フ『申し訳ございませんでした!!!!』


全力で土下座し全員に謝ったという。

タ「まぁ混ぜ蕎麦やし、特に問題ないとちゃうん?それにあんさんが勝手にいきなり振り回したやん?責任とって食べろっちゅうねん。どう?言ってる事間違ってるか?」

フ『うぅ・・・・分かりました・・・僕が責任もって食べます・・・。』

タ「そうやそうや、それが責任取るちゅうやさかい。みんなも早よ食べりんしゃい。」

ポル『なんか色々と方言混ざってる・・・・それはそれでなんか面白いけど、フィーロの様子見ると本当に伝説のポケモンの子供なんやろうか・・・?』

ルタ『まぁ私達も早めに食べましょう、って意外と混ざってないのね・・・。』

ポル『そりゃあ遠心力が働くからぐるぐる回る速度が速ければ速いほどあんまり混ざらないよね。よってフィーロが謝ったのは無駄な行動だったと言う事よ。』

フ『あぁ?なんて?もういっぺん言ってみ?この世の中のどこに無駄なことがあるっちゅうねん。』

ポル『その行動そのものも無駄な事だからね~ズズッ』

フ『(´・ω・`)』

タ「言い争うのは勝手だけど、早く食べてしまってね-。それと、食べ終わった人から遊んできても良いからね~。」

ルタ『本当!?』

タ「本当、ただ見える位置で遊んでね?見えない場所とかあまりにも遠い所に行っちゃうと何かあったときに対応するのが難しくなるから。」




その後何故か全員が早急に食べ終え一目散と目の前に広がる芝生へと駆け出していき、それぞれがそれぞれに遊び始める。そしてそれを椅子に座った状態でボーッと見ているタツミとフィーロであった。

タ「フィーロは遊ばなくて良いの?この地域だったら大丈夫と思うから遊んできても良いよ?」

フ『いや~、タツミを1人にするとなんか不安というか申し訳ないというか・・・そんな気持ちになるからここでこうやってのんびりと過ごそうと思うよ。』

タ「そう?なら良いけど・・・うーーーん、昨日は一日中洞窟の中に居たから相当肩凝った・・・。ここって静かだし時間もゆっくり流れてるように感じるし良いところだね~。」

フ『ぽかぽか陽気で過ごしやすいなぁ・・・・それより僕、眠くなったよ~・・・ふぁ~~・・・・。』

タ「僕が見ておくから寝てても大丈夫だよ?昨日フィーロは頑張ってもらったし、今日くらいゆっくり休んでも大丈夫よ?」

フ『いやいや、ここはやっぱり僕が見ておかないと!それにあの子達も何しでかすか分からないし、幾らポケモンになってるからってタツミがどうこう出来る気がしないから僕が見とく!』

タ「言ってることは正論だし、勿論その通りだけど・・・それよりも僕もなんだか眠くなってきた・・・フィーロ、ごめんけどちょっと10分くらい寝させて・・・・。」

フ『うん!大丈夫、僕が傍に居るから安心して寝て良いよ?あの子達の事なら僕が見張っておくから!』

タ「じゃあお願い・・・スヤァ」

フ『早!相当疲れてたんだろうなぁ・・・そりゃあ昨日あんだけ頑張ってちゃ疲れるよね・・・お疲れ様、タツミ。』

ポル『あれ?タツミは寝ちゃったの?』

フ『そうそう、だから静かに騒がないようにね?騒ぐと凍らせるよ?』

ルデ『物騒!物騒!そんな事しないから!それよりももうちょっと遠くに行って来ても良い?なんかありそうな気がするんだ!』

フ『えぇ・・・あまり遠くにならないようにね?幾ら公園の中だからってどんな人が居るか分からないし見えないって事はその分対処出来る時間も延びるって事だからね!その事分かっててね?』

ルタ『分かってます、私が居るから大丈夫とは思いますが細心の注意を払って進行したいと思います。』

ポル『こいつのキャラがよく分からん。』



タ「あれ?いつの間にかこんなに寝てた・・・フィーロは・・・やっぱり寝ちゃってたか・・・それよりも・・・あの子達どこ行った?」

タツミが目覚めたのは眠りに落ちてから大体30分後位であった。タツミが眠っている間にフィーロもいつの間にか眠りに落ちたようで、タツミの尻尾を枕にするかのようにもたれかかり眠りに就いていた、しかしフィーロが眠っているのは特に問題ないのだが、ポル達がタツミの見える範囲に居なかった事の方が問題だった。

タ「・・・どこ行った?まったく・・・見える範囲で遊びなさいって言ってたのに・・・。しゃーない、探しに行こう・・・っとその前にフィーロをどう起こさないように動かすか・・・いつの間にか尻尾を枕にして寝てるし・・・。」

タツミはどうにかこうにかしてフィーロを起こさないように移動出来ないか考えたのだが、フィーロはタツミの尻尾を枕にして眠っていた為どうにも出来ないと悟るタツミ。

タ「フィーロには申し訳ないけど・・・フィーロ!起きて!」

フ『!?どどどどっどどうした!?タツミ!!何が起きて・・・ってあれ?僕もいつの間にか寝てたよ・・・タツミの尻尾ふかふかで良い枕だったからつい・・・。・・・・・それよりもあの子達どこ行った?』

タ「えっ?フィーロ知らないの?てっきりフィーロに何か伝えてからどこか行ったのかなと思ったのに。」

フ『いやいや、だってなんか勝手にもうちょっと遠くまで見てみたいって言ってそのまま行っちゃったし・・・多分全員一緒の場所に居るとは思うけど・・・どうだろう?』

タ「取り敢えず探してみよう!この公園内って言っても何があるか分からないし、例の集団に襲われでもしたら大変だから急いで探そう!」

フ『了解!』


この公園は主に4ブロックから成り立っており、その中でも現在タツミ達がいるのが西側入り口の1ブロック目、公園への入り口は2カ所で西側と東側にそれぞれ1個ずつと分かれている。西側2ブロックから東側2ブロックへは公式通路はなく行き来することは実質不可能扱いとされているがそこは抜け道がある為行けなくは無い。その為、ポル達が居ると推測されるエリアは西側2ブロック目か東側3ブロック目となる。ちなみに両方とも1ブロック目に居るタツミ達からは大体15分程度移動したところにある。

タ「なるほど・・・でも恐らく公式で行き来が禁止されているならば・・・可能性としては2ブロックに居る可能性が高いって事か・・・じゃあ眠気覚ましも兼ねまして行ってみますか!」

フ『うん!行ってみよー!!』

タツミとフィーロは意気揚々と歩き出す、ここの公園は芝生が主で野生ポケモンはほぼほぼ出現することはない。また、トレーナー同士が出会ってもバトルが禁止されている以上バトルを仕掛けられる事もない。その為、外の世界(?)と比べると格段に移動しやすい環境にはある。

タ「何も出てこないし、芝生もフカフカでちゃんと管理されているから歩きやすいの~。」

フ『うん!だけど、早めに探さないともうすぐ日没になるよ?』

タ「えっ?」

この地方は全国的に見ても北東に位置している為、通常太陽は東から昇り西に沈む事から、この地方では朝は早くから明るいが夕方は5時過ぎると途端に暗くなってしまう。現在時刻は3時49分と日没までは約1時間程度しか無い事からあまり余裕があると言える状況ではなかった。

タ「こりゃいけない!急いで探してポケモンセンターに帰らないと!」

フ『そうだね・・・急ごう!・・・・・ってっもう見つかった!!』

タ「早!!!何この今から大掛かりに探しに行こうと思ったらあっさりと見つかってしまうというなんとも困った展開!ちょっともう一回遠くに行って来てよ!」

フ『タツミ落ち着いて!なんか色々と不味い事言ってるから!・・・・ってあれ誰?なんかかなり綺麗だし清楚な感じで野郎共とは全く関わり合うこと無いようなポケモンが一緒に居るよ?』

タ「おお、なんかお姫様みたいなポケモンが居るな・・・えーっと・・あれは確か・・・イーブイだったか・・?取り敢えず事情を聞いてみましょう。」

タツミ達の視線の先にはその清楚でお姫様みたいなイーブイと遊ぶポルとルタの姿があった。ちなみにルディナはちょっと離れた場所でのんびりと木にもたれかかり黄昏れていた。

タ「なんか凄い性格の違いがあるな・・・それよりもそのイーブイどうしたの?」

タツミが遊んでいるポルに話し掛けそのポケモンはどこから来たのを問いただしてみる。

ポル『あっ!タツミとフィーロ・・・ごめん・・すっかり遅くなっちゃって・・・えっ?このポケモン?・・・えーっと・・なんて説明すれば良いのでしょうか?ルタお願い。』

ルタ『はい、えーっと・・簡単に言うと・・・人間の勝手な都合で捨てられたポケモンです。』

フ『はっきりと言ったよこの子。本当この子の性格分からない。』

タ「えっ?捨てられたって・・・?」

イーブイ『取り敢えず・・・私は弱いです・・・凄く弱いです・・・ですが、私は私なりに頑張ったつもりでした・・・ですが彼女には伝わりませんでした・・・それでもう嫌になって逃げ出して・・・。ただそれだけです・・・。』

タ「君を捨てたトレーナーって女性か・・・・あっいかんいかん。それで、君はなんでこんな所で・・・?それよりもなんでルタ達と遊んでるの?」

イーブイ『ここなら襲われませんし・・・食べ物にも困る事も少ないです。それに静かで整備されていて・・・・ここなら安全かと思って・・・・木の下で休んでたら急にそこのポッチャマに驚かされまして・・・それから成り行きでこんな事に・・・。』

タ「えぇ・・・これは・・・すいませんでした・・・僕の仲間が何か迷惑をおかけしたようで・・・なんとお詫びしたら良いか・・・すいません・・・。」

イーブイ『大丈夫です、・・・それに私としては話し掛けて貰って嬉しかったです(小声)』

タ「えっ?なんて言いました?」

イーブイ『いえいえ、こちらの事です。なのでそんなに謝らないで大丈夫ですよ?キュウコンさん?』

タ「・・・・・はい・・・・(キュウコンって言われるとなんか調子狂うなぁ)、それよりもこれからどうするのです?もし良かったらこれから夕ご飯食べに行こうと思ってるのですが、ご一緒にいかがでしょうか?迷惑掛けたお詫びという事もありますが・・。」

イーブイ『そこまでされなくても・・・そこまでされる事をしたつもりはありませんし・・・・。』

ルタ『でもお腹空いたでしょ?だってここあんまり良い木の実ないし、貴方だって相当痩せてるじゃないの?取り敢えずここはタツミに任せて夕ご飯をご馳走になったらどうかしら?』

イーブイ『・・・・・タツミさんって仰るのですね・・・名前があるなんて珍しい方ですね・・・。・・・分かりました、では夕ご飯はご一緒させて頂こうと思います。』

タ「それは良かったです、じゃあ行きましょうか。ルディナ!何黄昏とるん!行くよ!」

ルデ『はーい。』






タ「ごめんね・・・入れる店が無くてポケモンセンターの食堂でしかご馳走できないけど・・・。」

イーブイ『えっ・・これが・・・ちゃんとしたご飯・・今までと大違い・・・・・・いいえ、何でもありません。美味しそうですね、頂きます。・・・・あっ!・・美味しい・・・。』

フ『(この子もしかしてあまり良い食事してこなかった?毛並みもボサボサだし普通のイーブイと比べても小さい)それだと良かったけど・・・・ね?タツミ。』

タ「うん、喜んでくれて何よりだよ~。まだまだあるからそんなに焦って食べなくても大丈夫だよ・・ってルディナ!勝手に色々と頼まない!!なんでソフトクリームなんて頼んどるねん!」

ルデ『旨そうだったから!それ以外に理由無し!』

ルタ『まぁ確かにそれはそれで理由にはなりますけどねぇ・・・・それ程値段張らないみたいだから今回だけは食べさせて上げたらどうでしょ?』

ポル『(やっぱりこういうタイプ苦手だ・・・)じゃあ僕も・・・。』

タ「結局全員分買わなきゃいけなくなるんだから・・・・。」

イーブイ『ふふふ(なんだろう・・この楽しい気持ち・・・)』

フ『取り敢えず全員分取ってくるよ、それからだね。』


全員が食べ終え一旦部屋へと引き上げる事にしたタツミ達。一応部屋まではイーブイを一緒に来させたのだが、この後の事でイーブイをどうするかでまた一つ悩んでいた。

タ「本人の意思に尊重します。なのでイーブイはどうしたい?」

イーブイ『私は・・・・・・・。』

フ『あーダメダメ、そんな直球で聞いたら余計答えが分からなくなるよ~。ここは単刀直入に、帰りたいか帰りたくないかでお答え頂けますでしょうか?』

イーブイ『えっ・・・で・・でも・・・・・今回は帰ろうと思います・・・・はい・・・・。』

ポル『でもなんか帰っても何もないし、別に僕達はここに居てもらっても大丈夫なんだよ?あれなら明日の朝でも帰ると良いのに?』

イーブイ『いえいえ、皆さんにご迷惑をおかけしますし・・・・これで私は失礼します・・・。』

そう言うとイーブイは扉に向かって静かに歩き出し、小型ポケモン用の入り口から外へと出て行ってしまった。

タ「うーん・・・なんかあまり良い気分じゃないからちょっと外まで見送ってくるよ。」

フ『あっ、じゃあ僕も一緒に行く!』

タツミとフィーロはイーブイの後を追うように部屋から飛び出す・・・・っが、肝心のイーブイはエレベーターの前で立ち竦んでいた。ボタンも押さずにただ礼儀正しく扉の前に座っている光景はなんともシュールである。どうやらエレベーターの使い方を知らないようで、自動ドアのように前に立っているだけで自動的にエレベーターが来ると思っていたからああいう行動をしていたらしい。

イーブイ『あっ・・・・ごめんなさい!私・・・つい・・・・。』

タ「大丈夫ですよ?・・・・それより辛いなら辛いって言った方が今後の為にもなりますし、何より自分の身体が第一ですよ・・・?相当無理して居るように僕には見えますけど?」

イーブイ『だ・・・大丈夫です・・・・。』

そうこうしている内にエレベーターが来て扉が開く、それに乗り1階ボタンを押すフィーロ。その手慣れた行動にイーブイは何故か目を輝かせながら見ていたのをタツミ達は知らない。そして、1階のロビーに着き別れようとした瞬間とある女性がイーブイに近づき、その人の声がロビーに響き渡る。

女性「あれー?そのイーブイって私のじゃね?マジ急に逃げ出すからどこ行ったかと思ったわ!本当面倒な事して、あんたこんな事してタダで済むとは思わないでよね!」

イーブイ『ご・・・ごめんなさい・・・・・・。』

女性『そんなに顔を下げて謝ってるつもり?あんたって何時も何時もそうじゃない!この役立たず!クズ!』

そういうと女性は思いっきりイーブイの頬を平手打ちする、その衝撃でイーブイは近くのソファにぶつかりそのまま倒れ込んでしまう。どうやらトレーナー本人が気づいていないパターンの虐待のようだった。

急なその女性の行動と言動に辺りに居たトレーナーは、おどおどするか一目散に逃げるか見て見ぬ振りをするかいずれかの行動を取る人が多く、所謂触らぬ神に祟りなし状態・・・ジョーイさんも処置室の方に居る為か知る由もなく、誰もその女性の行動を批判したり注意等をしようとはしなかった。


フ『タツミどうす・・・タツミ?』

タツミは静かに女性の元へと歩いて行く、しかしその後ろ姿は人間の頃には見た事がない位、殺意に満ちあふれていた。

女性「はっ?なんなのあんた?ちょ・・キュウコンとか珍しー!ゲットしちゃおー!」

女性はこの地方ではかなり珍しい部類に入るキュウコンを見るやいなやボールからルクシオを繰り出しゲットする気満々で立ち向かってきた。

女性「へまするんじゃないよ!思いっきりやっちゃってー!10万ボルト!」

ルクシオはトレーナーの指示通り10万ボルトをタツミに放つ、10万ボルトはタツミに当たったがそれを物ともせず尚前に進む。その姿はまるで攻撃を受けても微動だにせず前に進むロボットのようであった。しかし、タツミの目は怒りに満ちあふれておりルクシオの近くまで来ると、いきなり至近距離で今まで出来なかった筈の火炎放射を放つ。その火炎放射もスパイアやヴォーグと比にならない位力強力なものだった。

タ「どけよ、お前のトレーナーみたいな屑にやられるほど僕は弱くはない。」

火炎放射を受けたルクシオは、タツミの威圧感に怖じ気づきその場を動けずに居た。それをタツミは尻尾で払いのけ女性の元へと歩き続ける。しかし、ルクシオもそのままやられる訳ではなくタツミを背後から襲おうと飛びかかる。しかし、タツミはちょっと横にずれ前に出たルクシオの横っ腹を思いっきり前足で殴りソファに打ち付けた。ちなみに、そのまま目を回した事からあまりレベルは高くなかったようであるがタツミにとってはそんな事はどうでも良く、先程の行動に対するタツミの怒りの方が強かった。

タ「お前いい加減にしろよ・・!!!何故気づけない!!あんなにボロボロになるまで叩いたり突き飛ばしたりして・・・!!そんな酷い仕打ちを受けているにも関わらず、彼女はお前の為に頑張ってきたんだろ!!!!それなのにお前ってやつは・・・・痛い目に遭わないと気がつかないか!!!」

女性「なに?このキュウコン喋れるの?珍しー!喋れるポケモンなんて数年ぶりに見たわ!」

タ「話をそらすな!!!お前はこのイーブイの事どう思ってるんだよ!!」

女性「さっきから何言ってるのよ!私が1から育てたのよ!育てた親に対して刃向かうなら当然これくらいしても許されるわよね!!!第一刃向かうやつは私のポケモンじゃないわ!!」

イーブイ『!!!そんな・・・・・。』

タ「お前・・・やっぱり分からないか・・・・じゃあ身をもって分からせてやるよ・・・・あの子の痛みってやつをな!!!!!!」

女性「ひっ・・・・!!なんなんのよ!!あんたには関係ない話でしょう!!!!!!もう良いわ!!あんなイーブイなんて知らない!!!!勝手に死ぬなり生きるなりすれば良いのよ!!私は無実よ!!!帰らせて貰うわ!!!」

タ「おっと、痛い目には遭って貰うぞ・・・・覚悟しろ・・・。」

そういうとタツミは火炎放射を放とうとした・・・・・っが今回は人に対しての攻撃に値する為、危険を感じたフィーロがタツミを引っ張り離したことで人的被害は出らずに済んだ。

フ『人に向かって火炎放射なんてもってのほか!!!危ないし何よりこの事で捕まる事もあるんだから絶対駄目!!幾ら屑で駄目な人間相手でも絶対駄目!!・・・・って言いたい所だけど、僕もむかついたからずぶ濡れにはなってもらうけどねー。』

そう言うとフィーロは天井に向かって弱くハイドロポンプを放つ、その水は弧を描きその女性へと一気に降り注いだ。女性はびしょびしょになってしまう。

タ「次は乾かしてやろうか?」

そう言うタツミは口からちょっとの炎を見せながら女性の方へと近づいていく、それを見た女性は恐怖におののき何かを叫びながらルクシオをボールに戻すと一目散にセンターの外へと逃げていった。

ジョーイ「なんの騒ぎ!?一体・・・!!あら?なんでこんなに床が水浸しなのかしら・・・?雨漏り?うーん・・・。」




タ「・・・ごめん・・・つい頭に血が上って・・・でもなんかむかついたから・・・。」

フ『でも、火炎放射使えるようになったじゃない~!凄い凄い!これで少しは護身術みたいにつかえるね!』

タ「なんかこんな感じで取得するのは不本意だったなぁ~・・・それよりも・・・。」

イーブイは先程の言葉に多少なりともショックを受けているようで身体は小刻みに震えていた。

タ「・・・・・・・・。」

それを見たタツミはそっと抱きしめ、ただ一言「大丈夫だよ」と耳元で呟く。その言葉を聞いたイーブイからは身体の震えは消えており、また何かを決心したかのように頷くとそっとタツミから離れ・・・

イーブイ『・・・・・・ありがとう・・・・私の為に・・・あんなに・・・真剣になってくれて・・・・。私初めてだったの・・・あの人が・・・だけど、ずっと虐められてた・・・それに慣れてしまっていたみたい・・・だから気づけなかった・・・こんなにも私の事で真剣になってくれる人が居るって事に。』

フ『うんうん、・・・・・ん?人?』

イーブイ『・・・何となく察してはいたけど・・・元人間だったでしょ?キュウコンさん?』

タ「・・・気づいていたのか・・・今はこんな姿だけど、元々はね・・人間でした・・・よく気づいたね・・・。凄いなぁ。」

イーブイ『そりゃあまだ匂いとか言動とかで人間って分かるわ・・・でも・・・・私・・・そんな貴方に惚れました・・・・・貴方が好きです!!』

タ「うん・・・・?うん?は?えっ?ちょっと?何言ってるのこの子。」

イーブイ『貴方と一緒に居させて下さい!!貴方となら私の未来が見える気がするのです!お願いします!!」

フ『なんかちゃっかり告白されてませんでした?』

タ「こっちも何も出来ないし危ない目にも遭うかもしれないよ?それでもいいの?」

イーブイ『はい!!それでも構いません!』

タ「そ・・・そう・・・。なら・・・・よろしくお願いします・・・あっ付き合うとかじゃなくてね?」

イーブイ『そ・・それ位分かってます!それ位勘が鈍いわけじゃありません!・・・でもこれからよろしくお願いします!!』

タ「なんか・・・こんな僕だけどよろしくね?」

イーブイ『はい!』

フ『タツミ、それよりも早い所部屋に戻ろう~?なんか一気に疲れちゃったよ。』

タ「そうだね、じゃあ行こうか。」



タツミ達は部屋へと歩き出す、しかしその光景を見ている一つの影に気づく由はなかった。

北海道で34度記録したって聞いて、この国のどこ行っても暑いなと思ってしまいましたね。
ただ、いつかは北海道に行ってみたいものです・・・・行ってみようかな~。
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