第108話

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

なんか色々と現実的な事になっておりますので、取り敢えず注意喚起はしときます。

タ「(・・・あれ・・・?もう朝か・・・・起きないと・・・・ん?なんか・・・昨日と何か・・・・違う気が・・・・何だろ・・この感じ・・・・・取り敢えず目開けてみるか・・・・。・・・・・特に変わった事は無いか・・・。」


前日、あれからポケモンセンターへ戻ったタツミ達であったが、まず最初にポケモン達を預け、その間に色々と手続きやら物資の調達やらを行う為近くの商店へと出向き購入。その後、回復が終る頃合いを見計らって戻ってきてから夕食に。しかし、回復に少々時間を要したので相当遅い時間の夕食となってしまった。回復後も無事にスカイも以前と同じような感じに戻り、仲間達とも色々と謝ったり話したり遊んだりと色々とやっていた。そして、大体11時頃に全員が眠りに就いたのが昨日の出来事である。


タ「(それなのに何故かこんなに身体に違和感あるんだろ・・・まさかの二日酔い?まさかねぇ・・・お酒なんて飲まないし第一酒なんて買ってない。なのに何故こんなに・・・・?疲れもあるんだろうし、まぁもうちょっと寝ておこう。そうしよう。」


レガ『(?誰かの気配がするけど・・・・特に敵意は感じない・・・けど・・・何か違う何かが居るなぁ・・・でもまだ暗いし・・・どうせ見えないかー。タツミとかを起こすのも申し訳ないから放っておこう・・・。特に危害を加えそうな感じは受けないし、あー眠い。)』

ス『(・・・・・・・・誰か居るやろ・・・・一体誰や・・・・うーん・・・炎でちょっと見えるけど見えないな・・・気のせいか・・・。)』

ヴォ『(お腹空いたなぁ~・・昨日あんまり食べなかったし何よりあれから眠くなったんだっけな~。・・・・・そんな事よりおうどん食べたい。)』

スカ『(・・・・・昨日までタツミに迷惑かけてしまったし・・・これからは私がタツミを支えられるように頑張らないと・・・!何の為にキュウコンになったと思ってるの、絶対もうタツミを心配させない!)』



一旦気になる事で起きてしまうとやはりその事が心配で幾ら目を瞑ってはいても眠ることは難しい。そして、そのようなモヤモヤな状態で朝になりカーテンからは朝日が差し込んできた。



レガ『そろそろ起きてみるか・・・・うーん?何だろ~この気配・・・・全く検討がつかないよ・・・・・・ふぁ!?』

レガは一度伸びをしてから辺りを見渡してみる、そこには他の仲間達が寝ている姿が昨日と変わらずあり一安心した・・・のもつかの間で、タツミの方を見て一旦は視線をそらしたが何かが気になり再び見てみると明らかに昨日とは全く違う光景が広がっていた。その後、少し冷静になり心を落ち着かせてからクラウンの元へと静かに移動、その後激しく揺さぶったり枕でばしばしと叩いたりとクラウンを全力で起こしてみた。

ク『何だよ~?まだ寝てて良いでしょ~・・・僕疲れてるんだから~・・・えっ?何?タツミがどうしたの?タツミなら・・・・お察し下さいって感じでしょ?』

レガはクラウンを叩き起こしたのだが、起こす相手が悪かったのだろう。クラウンはタツミの方をチラッと見ると再び毛布の中にくるまってしまった。しかし、レガの異常な騒ぎ方で周りが目を覚ましレガに近づいてくる。

ヴォ『?どうかしたんですか~?・・・そんなにみんな驚いて・・・・・!?はっ?どういうことなの・・・・。』

ス『・・・何か変な気配するんだけど何か知らない?レガとヴォーグ・・・?どうした?そんなにポカーンと突っ立って・・・えっ・タツミがおかしいって?何言ってるの?タツミは何時でも可笑しいでしょ・・・・・はぁっ!?』

スカ『?何か似たような気配がするんですけど何か知りませんかねぇ~・・・・えぇぇぇ!?』

タ「ん?みんなどうした・・・?って何か身体が軽いな・・・それにちょっと熱っぽい気がする・・・まだ疲れが取れてないのかなぁ・・・ん?なんでこんなに何かフカフカなんだろ?こんな毛深かったっけ?・・・・あっみんなおはよう?・・・・どうした?そんな目をして・・・・ちょt!!」

レガ『貴様・・・誰や?タツミどこやった・・・?白状せんかい?・・・どうしても応えないならここで逆鱗ぶちかましても良いんだぞ?』

ス『お前・・・・一体誰だ・・・・?っと言っても周りに何かちぎれた服とかあるし・・・こいつが着ているのも昨日タツミが着てた服・・・・・まさか!?』

タ「?えっ?僕だけど・・・・?タツミだけどみんなどうした?えっ?えっ?何この手と足・・・これって・・・・・・。」

スカ『本当に・・・・・タツミなの・・・・?だったら取り敢えず一旦鏡で確認した方が良いよ・・・?自分の姿・・・・。』




そうスカイは言うと、テーブルの上にあった手鏡を器用に持つと鏡の部分をタツミの顔に向ける。




タ「・・・・・・はっ?・・・・な・・・・なんじゃこりゃーーー!!!!!なんで僕がキュウコンになってるのーーー!!!!」

ヴォ『いやいや、こっちが驚くわ!!って本当にタツミなの?嘘ついてるならもう怒るよ?殴るよ?燃やすよ?』

タ「本当に僕だって!!だってほら!昨日来てたTシャツだって着てるし何よりここって鍵締めてたしエアコン付けてたから窓も開いてなかったでしょ!第一僕の方が驚いてるんだから!!っってなんでこんな事に・・・うわ!耳も頭の上に付いてる・・・・・!ああ~・・・・。」

ス『まんまスカイと同じ姿だし同じ顔だな・・全く人間だった頃のタツミの面影なんて殆ど残ってない・・・どういう事なんだろ・・?なんか昨日変なの食べた?』

タ「いや~食べた覚えは無いけど・・・それに何も痛みとかそういうの無かったけど・・・昨日着てた服がこんな感じに破れてるって事はポケモン化したんだろうなぁ~・・・でも服は・・・上は無事なんだけど下が・・・尻尾で駄目になったみたいだね・・・。それにしても・・・起きたらこんななってたって・・・。」

レガ『えぇ・・・でも何も無くっていきなりそれって怖いけど・・・それに例の団員の仕業なら絶対そんな自我残らないだろうし、やっぱり何かしらの原因がある筈なんだよね・・。』

ク『そういえば、今日の1時30分くらいまでは人間の姿だったよ?まぁその後すぐ寝たから何時そうなったのか確認のしようがないけど・・・。』

ポル『おお・・・そういえば・・・キュウコンに触れた人って何かしらの祟りを受けるって言ってませんでした?』

ス『そういえば昨日もタツミ祟り受けて良いとか言ってたな・・・それも何かしらの原因にあたるんじゃ?』

タ「えぇ・・・でも図鑑にも書いてた通り祟りはあるけど・・・まさかそれで・・・こんな事に・・・?」

ヴォ『そのしゃべり方とか様子からするとタツミで間違いないみたいだね~、あー良かった。誰か変な人に連れて行かれたかと思った。』

ク『こうなっちゃ連れて行かれる方がマシやったかもね・・・・。』

スカ『・・・祟りって・・・・?えっ?私ってそんなに疫病神みたいな位置づけなの?』

ヴォ『まぁまぁ、そんなに神経質にならずに。疫病神というか守り神的ポジションで自己防衛機能と言うか・・・そんな感じじゃ無いのかな?』

レガ『何か・・・調子狂うなぁ・・・取り敢えずここでうだうだ言ってても仕方ないと思うけど?何か凄く違和感あるし・・・えぇ・・・。』

ク『そうやね~・・・ツンツン。あ~滅茶苦茶フカフカしてるからこれ枕にして寝たらすんごい安眠できそう、寝させてタツミ・・・ふぐぉ!!!』

クラウンはタツミの裏に回り尻尾をツンツンとつついてみる、やはり見た目と同じく結構ふかふかで、良い枕にはなりそうな感じでクラウンは今にも抱きつきそうであったが突然レガから離されそのまま放り投げられた。

タ「や・・止めろよ・・クラウン・・・気持ち的に嫌やぞ・・・・。」

ク『うお、本当にキュウコンになっとるやん、尻尾にまで神経行ってるとは・・・・完全にキュウコンそのものと考えて良さそうだね~。・・・・っと言うのは置いといて、タツミって最初から分かってたから僕は特に驚きもしなかったけどやっぱり何か違和感あるね~でもタツミって感じはしてるからそこだけは救いかな~。他の人達みたいに自我を忘れられたりしてないからね~そうなるともう対処が大変。』



レガ『・・・あっ、さっきはごめん。つい誰か分からない奴が居るって思ったから急に殴りかかっちゃって・・・・。』

タ「大丈夫・・・いきなり部屋に知らんやつ居ったらびびるわな・・・。」

ス『取り敢えず一旦整理しましょ。確かにキュウコンに触れた者は何かしらの祟りは受けるって聞いた事はあるけど・・・まさかのこれとはなんともまぁ・・・。』

スカ『本当にごめんなさい!!多分私のせいだと思う・・・・昨日までの私って相当荒れてたと思うから・・・それで反動で・・・・。』

ヴォ『えっ?何それ?祟りって当の本人次第で何とか出来るもんなの?』

スカ『それは分からないけど・・・でも恐らく昨日までの私って相当血気盛んだったと思うから・・・それで・・・。』




タ「原因が分かったなら良かった、じゃあ早く戻してよ?・・・・・・・・まさか?」





スカ『・・・・・戻し方分からない・・・・。本当ごめんなさい!!!』

レガ『えぇ・・・まさかのね・・・と・・取り敢えず同じポケモンが2体も居るとわかりにくいから・・・タツミの方にも何か目印を・・・。』

ク『うーん・・・あっよく見ると、スカイの方は目が青いのに対してタツミは黒目だね。じゃあ2人とも素のキュウコンじゃ無いんだね~これならわかりやすそうだ~。』

ヴォ『それに尻尾のモコモコ(?)のやつがスカイが9本に対してタツミは8本でタツミの方が1本少ない、そこもちょっと違うからね・・・。それにしてもナンテコッタイ、取り敢えずこれからどうするの?流石にこのままじゃ行動できないでしょ?』

タ「うーん・・・ヴォーグの言う通り今後どうすれば良いか分からないけど、それは一応大丈夫な事にはなってる・・・多分・・・。だけど暫くはサポートオネガイシマス・・・・あ~・・・・なんで急にこんな事になっちゃったんだろ・・・取り敢えず支度を・・・痛!!!!」

タツミはベッドから降りようとしたが今までは2足歩行だったのがいきなり4足歩行になった為か人間の時のように前の手を使わず後ろ足だけで降りたところ、後ろ足だけでは体重を支えきれずにそのまま顔を地面へと叩きつけてしまった。

ヴォ『ちょ・・・大丈夫?だってスカイ見たら分かるじゃ無い、4足歩行だって・・・まず前足(?)から地面に行かないと。今後は気をつけてね?』

ス『なんでいきなりヴォーグが先輩口調になってるんだ・・・。っと取り敢えずタツミ、今後は僕達がサポートしていくから・・・・暫くは相当不便だと思うけど・・まぁ頑張って・・僕達も何か調べてみるからさ・・・。』

ク『僕が来てて本当良かったねー。居なかったらサポートするポケモン一切居なかったよ~取り敢えずまずは朝食にしよう?お腹空いたし、話はそれから。』

タ「その前にトイレと顔洗ったりとかの身支度してくるわ・・・。」





タ「こんなに4足歩行が辛いものとは・・・・それに水で顔を洗っただけで相当疲れが出るってどういうことなん・・・そして、手で食べれないってのが一番辛い・・・本当食べづらい・・・・。あー・・・歯も全てもう人の物じゃ無いんだ・・・・。」

スカ『そうだよね・・・まだ2足歩行のポケモンとかならそう変わらないから良かったのに・・・・なんでよりもよってキュウコンなんだろうね・・・本当ごめんね・・・。』

タ「スカイが謝ることじゃないよ・・・でも戻る術も探さないといけないなぁ・・・それにしても、またやる事がまた増えた・・・。」

ヴォ『にしても、何かすんごく違和感・・・・同じポケモンが2体居るってかなり不思議な感じになるね・・・。』

ク『まぁ、暫くはその状態に慣れるとかその姿に慣れるだけで精一杯だと思うから、僕達が片付けとか準備とか、他の事はしないとね・・・だけど、何かもうちょっと目印が欲しいな・・・そうだ!』

そう言うとクラウンはタツミのバックの中を探り、中から一枚の大きめのタオルを取り出す。そしてそれをタツミの首元にぐるっと回しキュッとまるで工事関係者が夏の間にするようなタオルの巻き方で巻いた。

タ「これって・・・・?なんか工事関係者みたいな感じがするけど・・・?」

ス『まぁちょっとした目印やね、幾ら目の色が違うとか尻尾の数が違うとかって言っても、毎回毎回そこまで確認するのも大変だからもう一目で分かるようにしておこうって感じかな?それにまだ炎は出せないと思うし、僕みたいに背中から炎が出るわけでも無いから燃える危険性は少ないし、うんうん。』

ヴォ『元々着ていたジャケットそのまま着てるから、それなりにわかりやすいとは思うけどな~・・・でも、その目立つタオルも追加でしてるならわかりやすいかな。でも何かかなり違和感、色々な事情があるとは言ってもやっぱり何か違和感があるね・・・それも仕方ないね。』

ス『仕方ない・・・っか。まぁ僕達がサポートするからそんなに焦らずにのんびりと戻る術探していくと良いよ~、こんな事って滅多に無いだろうし案外貴重な体験かもよ?何事も前向きに考えないと!』

タ「あまり体験したくなかったなぁ・・・まぁ取り敢えずはこの身体に慣れる事からか~・・・。」

スカ『私と同じと言う事は・・・私もまだ進化して日が経ってないから同じような境遇って事だよね?そうだよね?じゃあ私と一緒に頑張っていこうよ!私もこの身体まだ慣れてないし!』

ク『お前はなんでそんなに嬉しそうなんだ。それにお前雄やろ、もしかしてホm』

ス『クラウン、早い所食べろ。そしてあまり人の趣向に口を出さない方が良いぞ?それに周りから見たらお前もそういう人達と同類に見える。』

ク『マジデスカ。』


その後朝食を無事に食べ終えたタツミ達であったが、取り敢えず今日の所は予定を急遽変更しヨスガシティ方面へと行く予定をちょっと進路変更、カンナギタウンへと向かう事にした。っが、ハクタイからカンナギはかなり距離が離れているのにプラスして険しい山脈をパスしないと行けないという謂わば嫌がらせでもされているかのような道中である。

タ「あーあ・・・服勿体なかったな・・・上は無事でも下が全部駄目になるとはなぁ・・・ジャージでも着てれば良かった。」

レガ『でも一応服の予備は幾つかあるから大丈夫だと思うよ?それに気になるなら別の町で買うって言う手もあるからそう悲観的にならなくても良いと思う。』

タ「そうなんだけどね・・・さてと・・ゴミ箱に捨てて・・・それで今日は誰がボールから出ておくの?」

ク『一応・・・僕とレガがボールから出てタツミをサポートするから、他のみんなはボールの中で待機ね?OK?』

スカ『えっ・・・・・同じ種族の私が居た方が何かと便利だと思うけど・・・?それは全く希望通らない感じなの?』

レガ『あー・・・そういう事か・・・でも同じ種族が2体も同じように歩いてると周りからの目線が痛くなると言うか何というか・・・取り敢えずそれは町を出てから考えると言う事で今日は行きましょう。』

スカ『分かった・・・・でも何かあったらすぐ呼んで?』

ク『よし、じゃあ荷物は・・・半分は僕が持つけど一応何かしら怪しまれないようにタツミはこのリュックでも上に載せといて・・・・はい前足(?)上げてー・・・これで良し!』

レガ『その手なんだけど・・・前足(?)とか後ろ足(?)とか言うのかなり迷うから普段通り前が手で後ろを足って言って良い?』

タ「別に構わないけど・・・寧ろそう呼んで貰った方がこっちとしても有り難いかな?じゃあ・・・行くよ・・・。」

部屋の鍵はクラウンが代わりに返し、タツミとレガは外で色々と今後の事を話し合いながらクラウンを待つ事にした。

タ「やっぱり歩きづらい・・・でも身体は軽いから何とかなりそうな感じ・・・だけどやっぱり歩きづらいし・・前と後ろのタイミングが分からない・・・。」

レガ『そうだろうなぁ・・・僕も進化して足で歩くようになった時は暫く違和感拭えなかったからな・・・まぁ無理せずに、タツミのペースに合わせるから急がなくても大丈夫だよ。』

タ「本当迷惑掛けるけどよろしく頼むよ・・・あー・・・尻尾とか耳の位置とか何というか・・・鼻の位置?とか歯とか視線とか感覚が色々と何か分からないよ・・。」

ク『お待たせ-、じゃあ行きましょうー!』

レガ『あっ、転けた。』

ク『まぁまぁ、最初だからね。僕が片方支えておくからゆっくりとこなしていこう?』

レガ『じゃその間クラウンが持ってる荷物の半分は持っててあげるよ。・・・っって重!?なんでこんなに重いもの持てるの・・・。』



クラウンに支えて貰いながら何とか町を抜けることが出来たタツミ達、当然ながら町は人で溢れている・・・その中をポケモンだけで歩いているのは、目立ち、通り過ぎる人の約6割が不思議そうな目でタツミ達を見つめていた。そのような視線をかいくぐりながら町の外へと出る事は出来たが、このままでは次の町への到着が相当な時間が掛かってしまうと予想できる為、これからのルートを確認しつつも、万が一日程が延びた場合を考え必要な物資がどこで手に入れられるかを探る事にした。

レガ『途中に何か険しい山があるからな・・・あまり物資を調達するところというのは極端に少なそうだね・・・だからといって買いすぎるのも今後の事を考えると現実的じゃ無いと言うか・・・。』

ク『でも、最初に比べるとタツミの歩き方も安定してきたし大丈夫じゃないかな?後は、タツミの体力次第だけど・・恐らくポケモンになったって事は相当体力UPしてるって事だから大丈夫とは思うけど?』

タ「体力は言ってる通りに、人間の時と比べると相当違うみたいでまだまだ全然疲れてないけど、やっぱり歩き慣れてないから足がちょっと痛いかな?それに視線が低いから・・・・。」

スカ『それならここからは私がサポートするよ!そっちが同じ視線でサポートできるから少しは違うと思うよ?だってクラウンとレガだと相当上から目線で言われてるような感じするし、第一同じ種族の方が何かと分かるからそっちが安心すると思う。』

ク『いきなり出てきたな・・・全く本当なんかあれなんだから・・・。』

レガ『まぁそうかもしれないけど・・・取り敢えずそう言うなら・・・1回やってみてから考えても良いか。じゃあクラウンサポートよろしくお願いね?』

ク『了解、まぁスカイは基本的な事は慣れてるから大丈夫か・・・ってなんでそんなに近づいて頬を擦りつけとるねん、やっぱりホモ疑惑確定やんけ!』

レガ『遂にストレートに言ったな、こっちはオブラートに包みながら言ってたのを一気に壊してくれたよ、このバクフーンは。・・・まぁ見てると確かにホモやな。うん。』

タ「ちょ・・・スカイ・・・1回離れて・・・凄く何か・・・危ない匂いがする・・・・。」

スカ『えっ?・・・あっ・・ごごごごめん!!!ついつい嬉しくて・・・・次からは気をつけるから・・。』

ク『これ、両方とも先が思いやられるんですけど~・・・・どうしてくれるんです・・・。』

レガ『それは知らん。』



その後はレガに変わってスカイがタツミのサポートに回ったのだが、レガが持ってた荷物全部がクラウンに放り投げられ、そのまま成り行きでクラウンが荷物を持ち、スカイは結局何も持たないというと言う典型的なパターンとなった。


ク『うぉーーーい、スカイなんで何も持たないねん!?・・・・・あっ・・・意外と何故かスカイの方が歩き方下手なんやな・・・・。』

スカ『う・・・うるさい!!まだ慣れてないんだから当然でしょ!』

ク『でも考えると、スカイよりもタツミの方がキュウコンになったのが遅かった訳で・・・でもタツミの方はもう1人で歩けるのに対してスカイは・・・歩けるけど何かちょっと不安が残るって感じでその。』

スカ『火炎放射打つよ?』

ク『なにそれ怖い、暴力反対ー!キャーヤメテー!』

タ「まぁまぁ、そんなに焦らず喧嘩せずゆっくり行きましょうよ?・・・・取り敢えず意外とコツさえ掴めば何とか行けるもんだな・・・未だに感覚分からないけど・・・。」

スカ『そうだよね・・・私も視線の高さが変わったりしたからちょっと戸惑っただけでその・・・特に今まではもうちょっと小さかったのにいきなりこんな大きな尻尾とか全くもって身体感覚が分からなくなるってその。』

ク『これじゃあタツミよりもスカイの方が、自分の身体に慣れないといけないんじゃないの?・・・・・これから先が本当思いやられるなぁ・・。』


その後は町を離れ山間部を歩いて行く、乗用車が通れる位の幅はあるが大抵の乗用車は自動車専用道路へと流れる為、こちらの方にはそれ程流れてこず静かな山間部を走る国道と言った感じであった。しかし、トレーナーや旅人は自専道を通るわけにもいかない為、こちらの方を歩く事になり少なからず人通りはあるよう。

タ「スカイ大丈夫か~?無理なら休むよ~?」

スカ『大丈夫・・・・だと思う・・・はぁ・・・はぁ・・・ロコンの時は何も感じなかったのになんでこんなにこの身体キツいのかな~・・・重いのがいけないのかな~?』

ク『おいおい、スカイ大分ふらついてるぞ?そんなにハイペースで来たわけでも無いし・・・タツミの方は全然平気っぽいし・・・スカイの体力も落ちてるのかな?前はあんなに元気だった・・っと思ったら歩かずに何時もタツミにおんぶされてたな・・・。』

スカ『・・・・そういえばそんな時もあったね・・・あーあ・・・進化せずにいたらタツミもこんな事にならなかったのになぁ・・・。』

タ「でも僕の為を思って進化してくれたんでしょ?恐らく近くの製鉄所で炎の石見つけたんだろうけど。」

スカ『!?な・・なんでその事を・・・あっ・・・・。』

ク『なるほどね・・・炎の石のありかを何処かで聞いてからそれから行ったのか・・・んでああなったと言う事ね・・・なるほど理解した。』

タ「まぁまぁ、取り敢えずもうちょっと行った所で休憩取ろう。考えるともう4時間位歩きっぱなしだ。」

ク『えっ?もうそんなになるの・・・・時間って早いねえ~もう3時なんて・・・。』



タツミ達は休憩がてら小さなキャンプ場へと立ち寄る、ここも炊事場やトイレ等の最低限の設備は整っているが如何せん山の中と言う事もある為か人が居らず静寂に包まれていた。午後4時ちょっと前だが普通のキャンプをする人達はもう既に設営してても可笑しくない時間にも関わらず人が居ないと言う事はあまり今日は人が来るのは望めないだろう。

ス『相変わらずやね・・・やっぱり中々難しいところもあるかな?』

ク『そうなんよね・・・どうしても今までとは違うからやりにくいと言うか分からないと言うか・・・取り敢えずはね・・・。』

ス『暫くの辛抱だね・・・でもこれから本当どうするか・・・まずそこから考えないと始まらないよね~。』

タ「それは・・・・取り敢えずはどうすれば祟りが取れるか調べて貰う必要もあるし、今後どう生活してくべきかとか・・・そういえばここってポケモンもトレーナー登録出来なかったっけ?トレーナー登録出来たら大分待遇が改善されるんだけど・・。」

ヴォ『トレーナー登録・・・でも、明らかに人じゃ無いよね?ポケモンでも登録出来ちゃうもんなの?』

タ「それは・・・取り敢えず明日連絡して調べて貰う必要がありそう・・・取り敢えず今日はもう疲れたからちょっと休もう、みんなも疲れたでしょ?」

ク『まぁ・・・何というか・・タツミじゃ無くてスカイに疲れたって言うかなんて言うか・・・。』

スカ『なんですと!?』

ク『だってスカイって本当なんかその・・・タツミよりも・・・下手というか・・・心配になるというか・・・タツミの方が最初からポケモンじゃ無かったのかって思っちゃうところが多々ありましてね・・はい。』

スカ『(´・ω・`)なんですと・・・・・。』

ヴォ『まぁまぁそう落ち込まないで、これからのんびりとやっていけば良いんだから。ね?タツミ。』

タ「そうやね、焦ったって何も生まれないからね~。のんびり確実にやっていく方がどっちかって言うと近道だったりするから焦らなくて良いよ。取り敢えず今日はあまり進まずにここで終わりにしておこう?ここから先はどうもちょっと道が悪くてあまり野宿するのに向かない地域っぽいし、早い所テント建ててしまおう。。」

ク『結構面倒なのよね・・・このテント建てるの・・・。』

レガ『つべこべ言わずにさっさとやってしまおう、早く終ったらその分楽できるんだし・・・それにこれ位のテントなら1時間あれば建てれるかな~。』

ス『最近はテントを建てる機会が多かったからもうすっかり慣れちゃったな~・・・・面倒だけどね。』

ク『お二人さん凄いのね・・・じゃあお願いします~僕はあっちでのんびりしてますので。』

ス&レガ『お前も手伝うんだよ!』

ク『分かりました・・・・。』

フ『・・・・・?誰?・・・なんかスカイみたいなのがもう1体居るよ?』

レガ『あー・・・これね・・・・タツミなんだよね、実はと言うと。』

フ『はっ?』

ク『実はかくかくしかじかでして・・・・。』

クラウンは事細かく今朝あった事をフィーロに話していき、その途中でフィーロは本物のタツミなのかどうか色々と確認したりして無事に本人の納得を得ることが出来たようだ。

フ『にしても・・・まさかポケモンになるとはねぇ・・・予想外です。』

タ「一番使いたいのはこの僕だよ・・・暫くはこの姿のままだけど何時もと変わらず接して・・。」

フ『勿論!だって姿変わっても中身はタツミのままなんだから当たり前じゃん!』

ク『やれやれ納得いかれましたでしょうか。それじゃあ、設営の続きをしようじゃないか。』





ス『ふぅ~何とか終った・・・けどもうちょっとどうにかならないもんかね・・・簡単に折りたためたり組み立てられたりしたら時間も削減できて疲れも減って良いのにね。』

ク『それに案外野宿の方が、時間的な制約とかが少ないから案外楽だったりするからね~。そういえばタツミどこ行った?さっきから全く見てないけど・・・・?』

レガ『トイレじゃない?知らんけど。』

ク『なるほど、トイレ行ってる事としておこう。取り敢えずこれで一段落ついたからのんびりとしますかねぇ~。』

タ「おいおい、勝手にトイレ行った事にして何のんびりしとるねん。って言ってもその通りお手洗いに行ってただけなんだけどねぇ・・・。」

ク『ちゃんと手洗った?案外菌って付いているらしいし石けんで洗わないと。ばっちいで。』

タ「ちゃんと石けんで洗いました!何回も何十回も嫌になるくらい洗ってきたわ!」

ス『そうムキにならんくても・・・。』

レガ『所で今日の晩ご飯って・・・何か作る予定なの?こんな状況で作るの?ねぇ?作るの?』

ス『しつこい、まぁ今日の残りはあるけどちょっと厳しいかな・・取り敢えずなんか作りますか。』

ク『じゃ僕が作るよ、こう見えてもウィングから意味分からん位みっちりと鍛え上げられたからね~。よし、作ろう!』




タ「中々独特な味やね・・・これはこれで・・・・あー・・・・。」

スカ『うーん・・・・はい、お察し下さいって感じがする・・・。』

ヴォ『一言言うと・・・・美味しくないね・・・泣きたい・・・。』

ス『不味い・・・もうちょっとどうにかならなかった物なの?これじゃキツいよ?』

レガ『ははははは!!!もう笑うしか無いね~どうしようもねぇ・・・。』

フ『はい・・・まぁ何も言わないで置くよ・・・。』

ク『みんな酷い!!こんなにも一生懸命つくったって言うのに・・・酷すぎる!・・・不味い!!!こりゃあどうしようも無いですわー。』

どうやらクラウンが作った料理の味はお世辞にも美味しいとは言いがたい位だったようだ。量が少なく作っていたのが幸いだったのか、無駄にはする事は無かった為そこだけは不幸中の幸いであった。




炊事場で片付けをし、バックの中に食器等を入れた後はのんびりとテントの傍でお口直しにコーヒーを飲みながら仲間内と談笑していた。

ヴォ『地獄やった・・・もう食べたくない・・・。コーヒーが何故か美味しく感じる・・・・お口直しには丁度良かった・・・。』

ス『もうちょっとオブラートに包んでから言ったらどうなんだ・・・でもこれはもう良いわ・・・気持ち悪いからもう寝る!お休み!!』

レガ『・・・・・・・・・(遠くを見る)』

ク『みんな酷いざます・・・そりゃあ不味かったかもしれないけど・・・僕だって頑張って作ったんだから!』

タ「それは認めるよ・・でも味がなぁ・・・。」

ク『タツミまで!・・・・・・でもまぁ僕も食べたけど不味かったから今回は無かったことにしとく・・・だけどもう作らないよ・・・。』

スカ『拗ねちゃったね・・・・。』

フ『でも、まぁもう仕方ないから休んだらどうかな?明日だってまた歩いて行くんだろうし、第一タツミは相当疲れたでしょ?休んだ方が良いって。』

タ「それもそうだね・・・・もう休もうか・・・みんなも今日はお疲れ様、明日もよろしくね。」






タ「寝れん・・・・・。」

午前1時、タツミは他のポケモン達よりも先に寝袋に入ったのだが全く眠気が襲ってこず寝れない状態が続いており、他のポケモン達の方が先に寝てしまうと言う状態に陥っていた。

タ「しゃーない・・・ちょっとこの身体に慣れる為に散歩でもするか。」

タツミは他のポケモン達を起こさない様に静かに寝袋から這い出ると近くの公園まで行きベンチへと腰掛けた(?)。

この地方は今まで行った地方の中でも特に自然豊かな地方である、その為周りに遮蔽物が無い事も幸いし夜空には満天の星空が広がっていた。その他、周りは森に囲まれている事もあってか空気が凄く澄んでおり排気ガスの匂い等は全く無い。


タ「座るのも・・・この尻尾が邪魔だなぁ・・・はぁ・・・今後どうなっちゃうのかな・・・・このまま一生戻れなかったら・・・。」





???『タツミ。』





一人ベンチに座り空を眺めながら独り言を言っていたタツミを急に呼ぶ声がした。その声の主は・・・・

タ「!?・・・・なんだ・・・スカイか・・・。」

タツミが声がした方を振り向くと、そこにはスカイが佇んでいた。どうやら先程、タツミがテントから出た時の僅かな気配を読み取りついてきたようである。

タ「あれ?起こしちゃった?他のみんなはもう寝てるけど・・・・どうかした?」

スカ『それはこっちの台詞、タツミの方こそどうしたの?急にテントから出て行くもんだから、ちょっと驚いて後付けてきたけど・・・もしかして寝れないの?』

タ「そうなんだよな・・・全く寝れなくて・・・だからこうしてちょっとボーッとしておこうかなとここに来たんだけどね・・・。」

スカ『そう・・・・・。』



タ「ところでスカイはさ、なんで今日の朝あんなに喜んだような顔してたの?なんか気になっちゃって。」

スカ『えっ?・・・あー・・・そんなに嬉しそうな顔してた?』

タ「してた、それに町出た時だってずっと笑顔で僕の方見てたし・・・なんかあったのかなと思って。」

スカ『うーん・・・特に深い理由は無いんだけど・・・・その・・・・なんか・・・兄弟が出来たと思っちゃって・・・ね?と・・・当然、タツミとは全く血が繋がってないし兄弟とも言えないんだけど・・・その・・・同じ種族だし・・・祟りでなったかもしれないのに、タツミにとっては不謹慎かもしれないけどなんか嬉しかった。』

タ「兄弟・・・か・・・・同じ種族だし本当似てるもんな・・・。」

スカ『そう・・・兄弟・・・と思っちゃうと嬉しくて・・・ついついあんな風になっちゃって・・・。』

タ「なるほどね・・・所でスカイにとって僕はお兄ちゃんって感じ?それとも弟って感じ?」

スカ『えぇ?・・・・うーん・・・お兄ちゃんって感じかな~。だって後から入ってきたのは私の方だし・・・なんかタツミの方が物知りだし頼れるし・・・なんか変な事言っちゃってごめんね?』

タ「いや、じゃあ僕はスカイのお兄ちゃんになれるように頑張るわ。・・・勿論戻れるのか?とか不安もあるしこの先どうなるかとも思ってる、でもやっぱりスパイアも言ってたけどこの状況って無い事だから楽しんだ方が良いんじゃないかなって思ってる。だから、スカイも僕をお兄ちゃんって思っても良いんだからね?」

スカ『タツミ・・・・・うん!私も兄弟みたいに全力でサポートするよ!』

そう言うとスカイはタツミに抱きついた。

タ「ちょ・・・スカイ、ヴォーグにも以前言ったことあるけど、急に抱きつくのは駄目やからね?またクラウンが怒るし拗ねるから・・・。」

スカ『ごめん・・つい嬉しくって・・・・。』

その後暫くの間、スカイとタツミは互いに同じベンチに隣通しで座り夜空を見上げていた・・・・・そしてそれをみる2つの影が・・・

ス『まぁ、一時はどうなるかと思ったけど何とか大丈夫そうだね。』

ヴォ『そうですね、でも僕達も全力でサポートしないと!』

ス『当たり前だ、タツミには色々と世話になってるし・・・ここで僕達が活躍しないとどうする!明日からまた全力でサポートするよ?』

ヴォ『了解です!』



CVTFを交換してみた、ATFへともそうだけど距離は4万キロごとに交換していくと安心ですな。

明日からはGW。だけどガソリンが急に上がったので、例年恒例となってたそれなりに遠出は出来なさそう。

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