第14話 コロナ団四天王、コナラ登場

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 作者が修学旅行のため先週は更新出来ませんでした。申し訳ございません。
「じゃあ、また」
 フェルータたちは、カキョウタウンを去る。ブナンの見送りを受けながら。
「また来いよ~!待ってるからな!」
 手を振るブナン。横でぴょんぴょん飛び跳ねる彼のヒノアラシ。
 フェルータも同じように手を振る。ラティアスも同じく手を振る。短い手を...と本人に向け言ったら怒られるだろうが。

ーーフェルータ。
 ラティアスが急に話し掛けてくる。
「何?」

ーーあの二人、絶対良いタッグになりそうだね。

「うん。息ぴったりだしね。」

ーー後さ、

「ん?」

ーーさっき私の手短いって呟いたでしょ。結構気にしてるんだから...言わないで。
 気にしてるんだ...
「ごめん」

ーーまあこれがある意味私のチャームポイントなのかもね。

「手繋いだらラティアスとの距離も近くなるから僕は良いけどね。喋りやすいし♪」
 フェルータにとって、ラティアスは親友である。一番心の許せる相手であり、心の支えでもある。
ーー成る程ね。そう言う考えも...あるね。
 ラティアスも満面の笑みを浮かべる。彼女のコンプレックスが一つ消えた瞬間だった。
 二人手を繋いで、5番道路を歩いて行った...が、それを快く思わぬ輩も存在する訳で...

「おい、テメエら。イチャイチャしてんじゃねぇッスよ!」

「お前は!」
 コロナ団員である。しかもそこそこの位に就いてそうな。
「俺の名はコナラ。コロナ団四天王の一人ッス。」

「...何の用だ」

「ここの道はコロナ団の管轄でね。通行者の管理をしてるんスよ。勿論お前のような不適合者は、排除するのみッス!行け、ダーテング!」

「ダーテング...ラティアス、下がってて。エアロスター!頼んだよ!」

 フェルータの前に、エアロスターがどっかりと構える。
「あんたはタイプ相性も分かんないんスか!ダーテング!馬鹿をリーフブレードでしばいてあげなさい!」
 ダーテングは両手の団扇(?)に力を込め、エアロスターに向け切り込む。
「エアロスター、じっくり狙って、」

「むしくいだ!」

 一間開け、フェルータが叫ぶ。それに呼応するように、エアロスターはむしくいを繰り出す。大顎をダーテングの団扇に食い込ませ、ダーテングを無理矢理引き倒す。
「ダーテング!大丈夫ッスか!?」
 コナラはダーテングに声を掛ける。ダーテングは動かない。戦闘不能。
「畜生!まだ次峰がいるッスよ!行けフォレトス!」
 鋼鉄の体を持った球体がドシン、と地面に落ちる。
「...フォレトス」

「先手必勝ッス!フォレトス、ジャイロボール!」
 フォレトスは激しい回転をかけ、エアロスターに突撃する。
「エアロスター、しっかり狙って...」

「今度は何スか!フォレトス、変わらず突っ込むッス!」

「まだ...」

 その間にもフォレトスボールはエアロスターに急接近して行く。そうして、フォレトスが目の前にきた瞬間、
「賭けだ!じわれ!」
 エアロスターは地面に大顎をぶつける。その衝撃で地面が割れ、フォレトスを落とし、挟む。
「ここで、完全に落としきらなければ負けだ...」

 フォレトスの頑丈な殻はこの衝撃に耐えられる...筈だった。
が。

「まさかそう来るとは想定外ッス。技を解除して貰えるスか?こいつの特性は頑丈じゃなくて防塵ッス。」
 頭を抱えるコナラ。その言葉通り、エアロスターが地割れを解除すると、そこには目を回したフォレトスがいた。

「だから嫌いなんスよ...護神のポケモンとベタベタしているトレーナーと戦うのは...かつて、アローラの守り神とベタベタしてるトレーナーと対峙したことがあって...その時はそいつのポケモン...メタグロスとミロカロスに...トレーナーの指示無しでボコボコにされたッス...結局そのトレーナーはボスすら吹き飛ばして...コロナ団の野望を打ち砕きかけたんスよ。......俺の前から消えてくれッス。もう通っていいッスから。」

 と言うと、コナラは木々の間へ姿を眩ませた。
「...今のって、あのエストさんのことだよね...今の人、エストさんのポケモンと対峙し、見事なダブルバトルを繰り広げたとして悪名高い...」

ーー今の人って絶対まだポケモン持ってたよね。何であそこで切り上げたんだろ

「さっきメタグロスとミロカロスに敗れた、ってあの人言っていたでしょ。実はあれ、実際はコロナ団四天王は、かなりその二匹を追い詰めていたらしい。でも、その必死な二匹の姿を見て、その四天王は撤退を決めたっていう噂だよ。あくまで噂だけれども。」

ーーへぇ~。コロナ団の中にも情緒を解する心を持つ人もいるのね。

「まぁコロナ団に入っている理由は人それぞれだからね...」

 そう。一概に世界征服という目的であっても、特に四天王、そしてリーダーは必ずしも私利私欲で世界征服をしている訳ではない、と聞いたことがある。ならば何故、悪に手を染める?
 フェルータの悩みは深まって行くばかりだ...

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