AM8:00 セッカシティー
〈ねえ、ユウキ~。今日はどうする?〉
まだ時間が早いためか、人影がまだまばらだ。
「うーん、一応ここは一通り見たし……。」
〈そうね……。〉
〈ユウキ、せっかくだから[リュウラセンの塔]に行こうよ♪近くなんでしょ♪?〉
〈はい。十分ぐらいで着くと思います。〉
「結構近いんだね。よし、行こっか。」
〈そうだな。〉
〈こっちです。ついてきて下さい。〉
〈ええ。道案内任せたわよ。〉
ユウキ達はコバルオンの案内でリュウラセンの塔に向かった。
………
AM8:10 リュウラセンの塔前
〈ここです。〉
〈ここがそうか。〉
〈結構高いね~。でも、入り口が見当たらないけど、どこから入れるの~?〉
〈今は見えませんが、入り口は浸水してるんです。〉
〈ってことは今は塔に入る術はないってことだな。〉
〈ウチは潜れるから問題ないけど、みんなは際どいところだね♪〉
〈ええ、そうね。それにしても塔を見ると引っ越す前の事を思い出すわね。〉
「エーフィー、そうだね。前住んでいた街にも塔があったしね。」
〈ええ。そういえば、引っ越す前はまだ私も進化してなかったわね。」
「そういえばそうだったね。」
〈えっ、エーフィーって進化してたの♪?〉
〈知らなかったよ~。〉
ユウキ、エーフィーを除く全員が驚いた。
〈一回だけね。〉
「うん。それにどのポケモンに進化させるか悩んだっけ。」
〈そうね。私はエーフィーになって良かったと思うわ。〉
〈ってことはいくつかのパターンがあるってことか?〉
「うん。そうだよ。」
〈私の進化前はイーブイって言うポケモンなんだけど、過ごす環境によって火、水、電気、悪、草、氷、そして私のエスパータイプの7つのどれかに進化出来るの。これだけパターンがあるのは私達だけかな。〉
〈エーフィーさんの種族は変わってるんですね。〉
〈いろんな可能性があるってことね♪?〉
「まあ、そういうこと。」
〈ちょっと話がそれたわね。一通り見たし、そろそろ行きましょうか。〉
〈そうだね~。何事もなかったみたいだしね。〉
そう言い、ユウキ達は塔をあとにした。
………
AM10:30 シリンダーブリッジ
〈!!うるさい!〉
〈これじゃあなにも聞こえないね♪〉
この橋に鉄道が通っているためか、かなりの騒音がしている。
〈ちょっと耐えられなのでボールに戻してもらってもいいですか?〉
〈ウチもお願い♪〉
〈俺も。〉〈僕も~。〉
エーフィー、ユウキ以外は騒音に慣れていないためか、この状態に耐えられないみたいだ。
〈私は大丈夫よ。少し懐かしいくらいよ。〉
ユウキ、エーフィーは都会育ちなのだろうか。
「まあ、みんなのどかな場所の出身だから仕方ないよね………。」
〈そうね。ずっと待ってもらうのも申し訳ないから早めに渡りきりましょ!〉
「そうだね。」
2人は走って橋を渡った。
………
AM10:40 9番道路
「ふぅー、結構長かったね。」
〈そうね。思った以上に長かったわね。〉
「うん。渡りきったしみんなを出そうかな。よし、みん……」
ユウキがメンバー全員を出そうとした時、
「オラ、てめぇ誰に断ってここにいると思ってるんだ!」
数十人の暴走族に囲まれた。
「通るからには交通料払ってもらおうか!」
〈ユウキ、厄介な事になったわね。〉
「うん。すぐに通れなさそうだし、みんなでやっちゃおうか。」
〈そうね。ここなら楽しめそうね。〉
「てめぇなに一人で喋ってるんだ!払わないなら力づくで奪うまでだ!」
「ここを通ったことを後悔するんだな!ワルビル!」
〈お前らいい度胸してるじゃあねぇか!〉
〈私じゃあ相性が悪いわね。〉
「うん。じゃあコジョンド、[波動弾]お願い!」
〈チンピラ相手か。〉
そう言い、コジョンドは手元にエネルギーを溜める。
「[噛み砕く]………」
〈よし!溜まった、くらえ!〉
相手が指示を出す前にコジョンドはエネルギー弾を放った。
命中し、一発で倒れた。
「クソっ。全員でかかれ!」
リーダー格(?)の男が叫んだ。
「集団戦法か。なら僕達も容赦しないよ!みんな、思う存分暴れていいよ!〉
〈結構数多いわね♪〉
〈これなら思いっきりできそうだね~。〉
〈人通りが少なかったのはこの人達がいたからだったんですね。〉
全員やる気に満ち溢れている。
「こいつ、珍しいポケモン持ってるぞ!」
「構わん、かかれ!」
そう言い、相手も悪タイプのポケモンを中心にだした。
「よし、まずコジョンドは[波動弾]を連射して。スワンナは浮上してから[アクアリング]してから[冷凍ビーム]!、コバルオンは[ふるいたてる]から[アイアンヘッド]!、ジャローダは[ソーラービーム]の準備をお願い!、エーフィーは[シャドーボール]で牽制して!」
ユウキはそれぞれに指示をだした。
〈ああ、任せろ!〉〈うん。わかったよ♪!〉〈はい、わかりました!〉〈OK~。〉〈ええ。私達にまかせて!〉
コバルオンを先頭に攻撃を開始した。
5分後
「クソっ、強い。」
「覚えてろー!」
結果はユウキ達の圧勝で終わった。
「ふぅー、みんな、お疲れ様。」
〈このくらい容易いわ♪〉
〈僕にとってはかなり好都合でした。〉
〈後半はほぼ一発で倒していたしな。〉
〈そうね。あれが特性の効果なのね。〉
〈結構楽しかったな~。〉
「みんなもがんばってくれたし、自販機で何か買って一服しよっか。」
〈そうだな。〉
ユウキが自販機でジュースを買っていると、
「お兄ちゃん、強いんだね。」
〈僕達ここの暴走族には悩まされてたんだ。〉
キバゴを連れた少女に話しかけられた。
第7章 完