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PM1:00 セッカシティー

「ねえユウキくん。まだ時間あるし、ジム戦してきたらどう?」
「そうだね。」

昼食を取り、ユウキ達は雪の積もった道を歩いている。

〈ねえ、ベル?〉
「なに?エーフィー。」
〈やっぱりここのジムって氷タイプなの?〉
「うん。そうだよ。」
〈そうか。なら今回は俺が中心的に闘えばいいな。〉
〈そうね♪。〉
〈だったら僕の出番はないかな~。僕草タイプだし。〉
「そうだね。コジョンドだけだとさすがに大変だから、エーフィーにも頑張ってもらおうかな。」
〈うん。わかったわ!威力を上げれば勝てるわね。〉
〈ユウキさん、僕はどうしたらいいですか?〉

コバルオンはユウキに聞いた。

「うーん、まず何の技が使える?」
〈僕は[正義の剣]、[アイアンヘッド]、[ふるいたてる]、[神秘の守り]です。〉
「コバルオンは鋼タイプを持ってたんだね。」
〈守りはよさそうだな。〉
〈ねえ、コバルオン♪その[正義の剣]っていう技って何タイプの技なの♪?〉
〈格闘タイプです。あと僕の特性は[正義の心]と言って、悪タイプの攻撃を受けると攻撃力が上がる効果があります。〉
「そんな特性があるんだね。初めて知ったよ。」
〈僕達しか持ってない特性ですから。〉
〈そうなのね。ってことは闘えそうね。〉
「よし、メンバーも決まったし、ジムに向かいながら作戦立てようか。」

ユウキ達は作戦を立てながらジムへと歩き出した。

………

PM1:30セッカシティージム

ユウキは作戦を立て、エーフィー達をボールに戻していた。

「ユウキくんはいつもジム戦の前はこうやって相談してるんだね。」
「うん。作戦会議を始めたのは言葉がわかるようになってからだけどね。」

ベルもユウキについてきている。もちろん全員ボールに戻してだが。

「そういえばもう7回目かー。よし、すみませーん、ジム戦お願いします!」
「挑戦者だな。」
「はい。あなたがここのジムリーダーですね。」
「いかにも、拙者がジムリーダーのハチクだ。」
「さっそくですが、お願いします。」
「では、始めるぞ!」
「はい!」(やけに芝居がかってるな……。)
「よし、バイバニラ頼むぞ!」
〈了解だ!〉
「よし、まずはエーフィー、お願い!」
〈ええ、もちろんよ!〉
「見たことないポケモンだな。面白い。まずは[霰(あられ)]だ!」
〈よし、任せろ!〉

突然フィールドに霰が降り始めた。

〈霰かー、持久戦は無理そうね。〉
「うん。よし、まずは[めいそう]!」
〈ええ。…………〉

エーフィーは精神統一を始めた。

「拙者もいくぞ![氷のつぶて]だ!」
〈承知した!〉

バイバニラはいくつもの氷塊を飛ばした。

「エーフィー、くるよ!」
〈…………〉

エーフィーは集中しながら華麗にかわす。

〈………。ユウキ終わったわよ!〉

「今度は[冷凍ビーム]だ!」
〈おう!〉
「エーフィー、[冷凍ビーム]に[サイコキネンシス]!」
〈わかったわ!〉

エーフィーは攻撃の軌道を変えた。

「なに!?」
「維持しながら[シャドーボール]!」
〈ええ、やってみるわ!〉

エーフィーは意識を集中させ、さっき捉えた冷気を発散させないように注意しながら、口元に漆黒の球を作り出した。

「おぬしのポケモン、なかなかやるな。」
「ある程度溜まったら同時に発射して!」
〈ええ…。〉

エーフィーは汗を流している。相当大変なようだ。

〈私の全力の攻撃、受けなさい!〉
〈!!ダメだ、避けきれない!〉

めいそうによって強化された二重の攻撃が、バイバニラに命中した。
とてつもない攻撃に耐えれず戦闘不能となった。

〈ふぅ、さすがに…同時に技を出すのは…キツいわね。〉
「うん。エーフィー、ありがとう。」
「なかなかやるな。フリージオ出番だ。」
〈………〉
〈……無口ね。ユウキ、交代だね?〉
「うん。お疲れ様。コジョンド、お願い!」
〈コジョンドあとは任せたわよ!〉
〈ああ、もちろんだ!〉
「[冷凍ビーム]だ!」「様子見で[波動弾]!」
〈………〉〈ああ、やっと使う時がきた!〉

両者の技はぶつかり合い、互いに打ち消した。

「[ジャイロボール]!」
「ギリギリまで引きつけて[飛び膝蹴り]!」
〈………うん。〉
〈ああ。 やっと喋ったな。〉

フリージオは回転しながら接近する。
対してコジョンドはタイミングを見極めている。

〈よし、今だ!くらえ!〉

ゼロ距離で技が命中し、両者とも逆方向に飛ばされた。

「コジョンド、体勢を立て直しながら[波動弾]!」
〈…ああ。〉

コジョンドは空中で手元にエネルギーを溜める。

「自分のタイミングで撃って!」
〈ああ、任せろ!〉

コジョンドは見事に着地した。

「もう一度[ジャイロボール]!」
〈………うん。〉
〈くらえ!〉

フリージオは再び接近し、コジョンドはドッヂボールほどの大きさのエネルギー弾を発射した。

〈……うっ。〉

フリージオは避けきれず戦闘不能となった。

〈よし!〉

「ここまで追い込まれるとはな……。ツンベアー、頼むぞ!」
〈ワシに任せなさい。〉
「コジョンド、お疲れ様。コバルオン、お願い!」
〈久しぶりの戦闘……ユウキさん、任せてください。〉
「!! 伝説のポケモン!?おぬしは一体何者だ!?」
「ちょっと訳がありまして………。よし![ふるいたてる]!」
〈はい、わかりました。〉
「まさか伝説のポケモンと手合わせできるとは……。ツンベアー、[冷凍ビーム]だ!」
〈了解だ!〉
「かわして距離を詰めて!」
〈はい!〉

コバルオンは技を紙一重でかわした。

「ツンベアー、[地震]だ!」
〈ワシの攻撃に耐えられるか?〉
〈!!ヤバい。〉
「コバルオン、耐えて!」

コバルオンは足をとられながらもなんとか攻撃に耐えた。

〈……さすがに長い間戦ってないと体が鈍りますね。〉
「よし、[アイアンヘッド]!」
〈わかりました!〉

コバルオンは頭部を硬質化してツンベアーに突っ込んだ。

〈くっ。 若いのに…やるな。〉
〈伝説を見くびらないてください!〉
「次で決めるよ。[正義の剣]!」
〈はい!〉
〈!?速い!〉

コバルオンは目にも留まらぬ早さで数回の斬撃を繰り出した。

「すごい、これが[正義の剣]………。」
「見事な技だ……。」

両者共に技に圧倒された。

〈ユウキさん、終わりました。〉

2人が気がつくとツンベアーは倒れていた。

「……はっ、拙者の負けだな。これがバッチだ。受け取るがいい。」
「……はい、ありがとうございます。」

ユウキは七個目のバッチを受け取った。

………

PM4:00 ポケモンセンター

「コバルオンの攻撃すごかったね。」

ユウキ、ベル達は[正義の剣]に感動していた。

「うん。僕もあんなにすごい技、初めて見たよ。」

〈ウチらじゃあ絶対に出来ないわね♪〉
〈さすが伝説と言われているポケモンね。〉
〈[正義の剣]は僕達[守護者]に伝わる特別な技なんです。〉
〈ってことはビリジオンも使えるってことだな。〉
〈はい。〉
「コバルオンの実力もわかったし、今日は早めに休もうか。」
〈そうだね~。僕は今日なにもしてないけど~。〉

この日は部屋をとって、全員で雑談をして過ごした。

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