したっぱロケット団員の憂鬱1

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〜 タマムシシティ ロケット団のアジトの一室〜



「今回も失敗に終わったのか?」

「ニャー…」


ドスの聞いた声が部屋に響き空気を重く震わせる。
口を開こうにもあまりに重すぎる空気にやられ、僕は声を出せずにいた。

目の前にはパソコンや本が置かれた机に向かい、時間が惜しいと今この時すら仕事に励む、尊敬するべき我らがロケット団のボスーー


ーーそう、サカキ様だ。


その隣には毛並みのいいペルシアンが行儀よくお座りをしながら毛ずくろいをしている。

そんな光景をボーッと眺めていると、でんこうせっかのような速さの言葉が僕を貫く。

「リョウキ、聞いているのか!」

「は、はいーっ!!」

緊張と驚きで声が裏返りながら返事をする。
今呼ばれたのが僕の名前だ。

僕の名前はリョウキ。
カントー地方にあるタマムシシティの出身で、とある事情でロケット団に入団してからまだ一年と少しの月日しか経っていない、しがないしたっぱのロケット団員だ。

そんなしたっぱ団員の僕が、謁見することすら畏れ多いサカキ様の個人部屋に呼び出され、畏れ多くもサカキ様の生の肉声を拝聴させていただいているかというと……ことは時を三週間前まで遡る。

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