ノーマルタイプ:ボクら平凡同盟!

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ノーマルタイプのお話です。




 僕はオタチ。何処にでもいる普通のオタチだ。今日は満を持してとある秘密会議を開くことになっている。参加者は僕を含めて、コラッタ、ジグザグマ、ビッパ、ミネズミ、ヤングースの六匹だ。
 此処はとあるきのみの沢山なる森の中、木々の間に覗く小ぢんまりとしたスペースで、僕らは集まっていた。
 そう、僕らの名前は!
 『平凡同盟』である!

「隊長! 遅れてごめん!」

 まず一番目にやってきたのはコラッタだった。大きな前歯が特徴的だが、喧嘩が弱くて他のポケモンに馬鹿にされている毎日らしい。

「隊長、おいらも来たよ!」

 次にやって来たのはビッパだ。こちらもコラッタに同じく前歯が特徴的で、丸い体が何処か愛らしさを放っている。それでもこれといった個性がなく、日々困惑しているらしい。

「おっす、ジグザグやってきたジグザグマだよ!」

 続いてジグザグマが現れる。縞のように配置されて茶色の白の交互に並んだ体毛とつぶらな瞳が特徴のまめだぬきポケモン。ジグザグ歩くのが癖で、いつも右往左往していて忙しい子である。

「遅れてすまん隊長! 寝坊した!」

 そう言って姿を現したのはヤングース。ギザギザの牙と鋭い目つきが印象的な将来有望そうな見た目のやつ。一番声がでかいのはこの子である。

「……あれぇ。みんなもう来てたの? ぼくがビリかぁ」

 そんな風にお気楽なテンションでのそのそと歩いてくるのは最後のメンバー、ミネズミ。大きな目が見る者を圧倒……するのかはわからないけど、とにかく、目が大きい。それだけ。かなりののんびり屋でマイペースなことこの上ない。

「よぉし、みんな揃ったね! それじゃあ、始めようか! 合言葉は?」


 みんな平凡! ずっと平凡!


 全員の威勢の良い声が森の中に広がった。鳥ポケモン達が木から飛び立つ音が聞こえた。ふふふ、『空を飛ぶ』っていう個性を持った『非凡』なポケモンには、僕たちの『平凡さ』は到底理解できないことだろう。
 いいよね。個性が強いポケモンは。
 僕たちはそんな風に恵まれて育っていないから、恵まれて生まれていないから、そんなやつらとは全然違うんだ。
 でもね。
 僕たちはそんな『平凡さ』が、あながち嫌いじゃないんだ。『平凡』であるが故に、こうして六匹でつるんで、バカやって、友達でいれれんだもん。
 僕なんかは、一応隊長ってことになっているんだけど、結局のところはなんの力も持ち合わせていない『平凡』そのものなんだ。取り立てて運動音痴でもなければ、とっても賢いわけでもないんだから。だけど、僕はそれを憎んだりしない。
 みんながいるから。一緒にいれるから。それだけで、十分じゃない?
 さて、じゃあ、本日も例に漏れず。


「さ、平凡な僕らの『平凡な秘密会議』を、始めようか!」


 今日は、日が暮れるまで遊んじゃうぞ!



 

約一週間に渡ってお送りしてきた『18枚の紙切れ』、今回で最終回となります。暇つぶしに見てくださっていた方もそうではない方も、ありがとうございました。あなたの好きな物語が、ありますように。
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感想

お名前:円山翔 さん
こんにちは。円山翔です。完結お疲れ様です。
最近、星新一さんのショートショートを読んだのですが、その時と同じような感覚に何度も襲われました。短いけれど筋がしっかりしていて、オチの秀逸さに思わず声を上げてしまう。きっとそうなるんだろうなぁと予想がつくものも、そうでないものも、よくぞここまでうまい事落としたものだ、こんなことを思い付いたものだと感心してしまうのです(上から目線のつもりはありません)。私がショートショートに手を出していなかったらまた違った感想が出てきたのかもしれませんが、つまり何が言いたいかって。
全体を通して面白かったです。短いながらに心に何かを残していく小説たちでした。私もこんな小説が書けたらなと思います。
書いた日:2017年05月20日
作者返信
円山さんこんにちは。最近ホラを吹く行為に正義を見出せない猫野郎です。ご感想ありがとうございます。
連載を思い立った当初は「低年齢向けの絵本」のような作品にしようと思っていたのですが、書いていく内に何やら違和感を感じ始め、自分でも理解できないようなオチに至ったり、その逆で自分の書こうとしている終着点になんとか降り立ったり、色々ありました。それのおかげで色んな形の話が書けたので正直に楽しかったと言えます。
読んでくださった方々へ何かを残せていたらそれは本望なので円山さんにその言葉を頂けてとても嬉しいです。
正直なところ、18タイプの全てに互いの関連性を持たせないという点では全く関係のない話を18個考えるのがとても大変でした。それでも最終的に見ていただけたということはとても感謝です。
最後まで読み進めてくださってありがとうございました!今後も執筆活動を頑張っていこうと思います!
書いた日:2017年05月20日