2章 2.電脳空間のポケモン

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読了時間目安:3分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「覆面企画というのがあるらしいが?」
「イズミは出たいの?」
「既存の作品のキャラは出れないらしい」
 私と共にいるポケモンは、どこから連れてこられたのかはっきりしないけど。オーレ地方でのダークポケモン開発が頓挫してすぐの頃に私とリンクさせられていたから、オーレ地方出身なのかもしれない。でも、元を正せば私の故郷から密輸出されたポケモン達だから、クラ諸島出身かもしれない。とりあえず、データはいろいろ改竄されているから詳しくはわからない。
 まあ、普段外に出すわけにいかないけど、手持ちとしてはダークファイヤー、ダークキュウコン、ダークジュゴンの3匹がリンクされている。とりあえずのところ、3匹は心を閉ざしているし、私が3匹の思考と自分の思考をメルトさせないように上手くコントロールできているから、私が処分した他の被験者のポケモン達のように暴走する事はない。

 制御と言っても、私は流れてくる0と1の情報を適宜仕分けて、1人と3匹の思考データが混ざらないように調整しているだけ。
 他の成功した被験者は、自分も心を閉ざして、互いに干渉しない出来ないをした人。積極的に情報を交換しつつ、互いの存在を意識して自他を手持ちのポケモンと共に明確に区別し続ける。あとは、すべてを共有して、1つの人格として完成する。といった感じでなんとかメルトからの暴走を防いでいた。



 電脳空間では、互いの意識のやりとり以外にも、適宜流れ込んでくる電子情報とかもあるからこれともメルトすると暴走してしまう。一番危なかったのは、どこかの国の情報機関からハッキングを受けた被験者が、その機関のスーパーコンピューターとメルトしてしまってそこを起点にその国の核ミサイルを発射させようとした事。ま、私達が気がつくのが早かったから被験者は殺したし、相手も慌てたのかスーパーコンピューターを手動で爆破して事なきを得たみたい。
 電脳空間に適合しているっていう事はそういう危険があるし、それが人間だけでなくてポケモンの方にも危険がある。もし人間側がメルトしなくても、ポケモンがメルトしたらそれはそれで暴走が起こる。人間の意識が踏みとどまっても、メルトしたポケモン同士が勝手に暴走するかもしれないし、その暴走が電脳空間で繰り広げられると大規模な災害になりかねない。





 まあ、要するに。技術が未熟で電脳空間と生物を繋ぐのは危険という事。
 で、今回の依頼は比較的危険の少ないポリゴン系統でも、自我を得てしまうと何をするかわからないという事でした。めでたしめでたし。
ちっ……。あ。続く

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