さぁ集まるが良い…バカンスの始まりだ!(後)

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前回の中編から翌日の時間軸です!やっと後編まで持ってこれましたわ…。



〜7:00、アブソル視点〜

バンギラス「み〜〜ん〜〜な〜〜!!、お〜〜は〜〜よ〜〜!!!!」

枕投げの交戦を終えて就寝した翌日、バンギラスさんの大声で僕らは目を覚ました…今のは多分ドゴーム…いや、バクオング並にうるさい声の挨拶だったと思う…洞窟内だから声が反響して余計にうるさく感じた…。


アブソル「こ、鼓膜が…。」

フィオーレ「キーンって来た…あ、アブソルおはよ〜…。」

フィオーレに続いて他の大声の被害者もゆっくりとまだ寝たい身体に鞭を打って起き上がる…もちろん僕も起き上が……ん?、起き上が…あら?、右手と右足が…動かせない…。


デンリュウ「ん……。」

アブソル「はっ!?」

重い頭だけ動かして確認するとデンリュウさんが僕の腕にやはりしがみついていた…更には足まで絡め取られているため上手く身動きが取れない…恐らく抱き枕にされたのだろう…あ、意外とお腹柔らかい…。

フィオーレ「アブソル……起きないの?」

アブソル「うわぁ!?あ、フィオーレか…ごめん!デンリュウさん起こしたら僕も行くよ…。」

フィオーレ「分かった!じゃあ先に外で朝食作ってるミミロップさん達の手伝い行ってくるよ!」

アブソル「い、行ってらっしゃい……。」


洞窟から出ていくフィオーレ達を見届けて僕は緊張を…解けない…確かにフィオーレに誤解されるという事態は回避出来た…しかし問題はここからなのだ…デンリュウの隣にその爆弾は転がっている。」

エーフィ「すぅ……すぅ……。」


さて、今から僕がやらなくてはならないことを確認しよう…まずはこの規則正しい寝息を立てる爆弾(エーフィさん)を起こさないようにゆっくり動き、デンリュウさんの拘束を解く…そして僕だけ先にベッドから降り、何事も無かったかのように2人を起こす…!、結果、誰にも誤解されること無く事態を収める→バンザイ→完。以上です。


アブソル(まずはこの手の拘束から…。)

もうこの時点で見られたら怪しすぎてアウトなのだが僕達3人以外既にいない事が幸いした…動かせる左手でデンリュウさんの右手に触れる…。

デンリュウ「ん……。」

アブソル「……!!」

手が重なった瞬間…デンリュウさんの漏れた声に僕は思わず固まってしまう…暫くするとまた寝息を立て始めた…どうやらセーフっぽい……気を取り直してこの拘束を…


デンリュウ「ひゃうっ……!」

アブソル「あ……!」

デンリュウ「え……?」

しまった…右足が触れては行けない所に動いていたらしい…体重のかけ方失敗した…。

デンリュウ「…………。」

アブソル「…………。」

目が覚めたデンリュウさんと目が合う…逸らすことが出来ない…いや、それ以前の問題だ…なんて誤魔化したら良いのか…打開策が浮かばない…。

デンリュウ「アブソル…?」

アブソル「あ…えっと…これはですね…!ちょっと手をどかそうと…」

デンリュウ「大胆…♪」

アブソル「あなたがそれを言いますか……!ってしまっ……!」

つい開いてしまった口を慌てて閉じ、エーフィさんを見る…良かった…まだ寝ている…首の皮?はまだ繋がっているようだ…こんな所、フィオーレとかに見られたら多分殺される…あれ?これって死亡フラグとかそう言うやつじゃない…よね?

デンリュウ「アブソル……?」

アブソル「あ、デンリュウさん…え〜…こ、この手と足を…」

デンリュウ「続きは…しないの?」

アブソル「……。」

デンリュウさんのこの言葉にもう僕は絶句した…「大胆」「続き」そしてこの体制…幾らまだ子供の僕でも何が言いたいのかくらいは分かる…。

ペロッ…

アブソル「はうっ…!?」

デンリュウ「大丈夫…?私がリードしよっか…?」

デンリュウさんに頬を舐められて無理矢理我に返る…瞳に映るのは目を細めながら静かに笑ういつもとは全く違うデンリュウさん…こんな性格…だったっけ?

デンリュウ「力…抜いて…?」

アブソル「……。」

本当はこんなことをしてはいけない…まだ早い…そう考えている…分かっている筈なのにデンリュウさんの大人びた女性の声に従ってしまう…。

デンリュウ「そう…いい子…。」

アブソル「……!」

デンリュウさんの柔らかい身体に抱き寄せられ頭を撫でられる…やばい…何がやばいかっていうと理性が多分やばい…恥ずかしくて目をつぶってしまう…。

デンリュウ「はむっ…。」

アブソル「うっ……!?」

急に身体に走ったピリッと来る感触に思わず目を開けて現実に戻される…近くのデンリュウさんから頭だけ離れると耳から銀の糸…いや、唾液が下に落ちる…甘噛みされたようだ…。

デンリュウ「まだビクビクしてる…可愛い♪」

頬を舐められてからデンリュウさんにされるがままだ…力が抜けてしまった身体は再びベッドに倒される…。

デンリュウ「大丈夫だよ…すぐ終わるから…。」

もはやデンリュウさんの声が僕を動かすリモコンになっている…すぐ隣で寝ているエーフィさんを起こしてしまう…という考えすらどうでも良くなって来た…組伏せる形を取られて逃げ場を失い…顔を近づけてくるデンリュウさんに僕は……。

キルリア「3人共!いつまで寝てい…わぉ。」

アブソル「あ……。」

デンリュウ「ん……?」

ギリギリの所でキルリアさんに救われた。




エーフィ(やばいです…起きづらい…!)

寝た振りをしていたエーフィの苦悩も知らずに…。








〜7:40、朝食〜

キルリア「ごめんアブソル君!デンリュウの寝起きの悪さのこと…すっかり忘れてたよ…!」

アブソル「いえ…キルリアさんの助けが無かったら今頃僕は…あぁ…考えるのが怖くなってきました…。」

エーフィ(狸寝入りがバレなくて良かったです…!)

デンリュウ「元気…ないね…?」

アブソル「え?そう…ですかね?」

キルリア(デンリュウのせいだよ!)

デンリュウ「これ…フィオーレが作ったんだって…美味しい…アブソルも食べて…。」

アブソル「い、頂きます…。」

デンリュウ(続きは…今度…。)

アブソル「!?」

キルリア「デンリュウ…寝起きが悪い間の性格直さなきゃね…しかも大抵覚えてないし…。」

デンリュウ「うん…気をつける…。」

アブソル「……。」

耳元で囁かれたまた今度…本当は寝起きの悪い間の記憶もちゃんと残っているのでは?と疑ってしまう僕だった…。




〜8:20〜

アブソル「〜♪」

朝食も終え、程よく消化されたところで僕達は最終日の海を満喫し始めた…シルヴァとリオル君は鍛錬といって泳ぎ始め…バンギラスさんとキングドラさんは洞窟でゴロゴロ…フィオーレとエーフィはドレディアさんとミミロップさんを連れてビーチバレー…ヘラクロスさんはボスゴドラさんと…浮いてる…?海のポケモンを見てるのかな…。因みに僕は…砂浜でビーチパラソル広げて寝てる…朝の出来事のせいで妙に疲れてるのだ…。

デンリュウ「アブソル…。」

アブソル「あれ?デンリュウさん…キルリアさんと一緒にいると思ってましたが…。」

デンリュウ「日焼け止め私に塗ったら洞窟内に戻るって…キングドラとお茶でもするみたい……。」

アブソル「そ、そうでしたか…日焼け止めの意味は一体…。」

たわいの無い会話をしているが内心僕はさっきの「また今度」の言葉が頭の中でグルグルしている…本人は普通に接してくれているが…意識してしまう…。

デンリュウ「あとね…暇だったらお願いしたいことがあって…。」

アブソル「なんです?僕で良ければ協力しますよ。」

デンリュウ「助かる…えっとね…。」

言いづらそうに下を向くデンリュウさん…そして恥ずかしそうに口を開く…。



デンリュウ「泳ぎ方…教えて……?」








〜9:00〜

アブソル「デンリュウさん!もっと力抜いても大丈夫です!」

デンリュウ「えっと…こう?」

デンリュウさんから泳ぎ方を教えて欲しいと頼まれた僕はまずバタ足の方から教えることにした…本当はクロールとか平泳ぎとかを教えようとしたのだが…全く進まないどころか逆に沈み始めたので嫌な予感を感じ、慌てて練習メニューを基本のバタ足、そしてこの浮くことを覚えることに変更した…。

デンリュウ「海水…入った…。」

アブソル「うーん…バタ足はマスター出来ましたが…浮くことがまだ慣れませんね…。」

デンリュウ「つい力が…入っちゃう…。」

アブソル「みたいですね…説明も結構難しくてなんといえば良いのか…ん?」

デンリュウ「アブソル…?」

目の前をゆっくりと横切る白い物体に僕は目を奪われる…ボスゴドラさんか…まだ浮いて…浮いて…?

アブソル「デンリュウさん!ボスゴドラさんがいました!」







〜暫くして〜

ボスゴドラ「は?力を抜いて浮くコツだと?意外と簡単だぜ!?」

デンリュウ「ほんと…!」

ボスゴドラ「おうよ!いいか?まずは考え事をするんだ!」

アブソル「考え事…?」

ボスゴドラ「沈まないようにって意識するから身体が力んじまうんだ、だからそれ以外の何かを考えて見るんだよ…別のものに興味を逸らすといつの間にか力も抜けてるぜ!」

アブソル「なるほど…因みにボスゴドラさんは何を考えてるんです?」

ボスゴドラ「俺か?そうだな…さっきの浮いてる時は地球の始まりの瞬間について考えてたぜ!」

アブソル(果てしなく答えが見つからない考え事だ…。)

ボスゴドラ「まぁまずはお菓子の作り方でも…っておぉ!?」

アブソル「デンリュウさん!?」

デンリュウ「……。」

気がついたらデンリュウさんが当たり前のように浮いていた…ボスゴドラさんのアドバイスを早速試してみたのだろう…それにしても…。

アブソル「物覚え…早すぎません…?」

ボスゴドラ「あいつ大食いだけじゃなくて天才?だったんだな……。」





〜14:00〜

あれから浮き方も覚えたデンリュウは苦労の末、泳ぎ方もマスターすることに成功した…今では50mは安心して泳げるくらいの成長を見せてくれている…正直ここまで出来るとは思ってなかった…。

デンリュウ「ありがとうアブソル…ボスゴドラ…!クロール出来た…!」

ボスゴドラ「ハハハッ!良かったな!」

アブソル「デンリュウさん思ったより早く出来ましたね…!」

デンリュウ「これで海でも戦える…!」

アブソル・ボスゴドラ「え?」

デンリュウ「え?」

アブソル「……デンリュウさん…もしかして泳げるようになりたかった理由って……。」

デンリュウ「うん…海の中でも不利にならないように練習したかったの…!」

ボスゴドラ「いや、お前電気使えるんだからそれで感電させたらいつでも行けるんじゃね…?」

デンリュウ「あ…。」

どうやら泳げるようになることに執着しすぎて自身の特徴を忘れていたらしい…肝心のところがちょっと抜けている…シルヴァが2人になったみたいだ……。





〜16:00〜

太陽が沈みかける頃、僕達はギルドに戻るために帰路についた…この海ともお別れだ…ゆっくり羽を休めるつもりだったが…結構はしゃぐ時間が多かったと思う…。

キングドラ「リーダー…あの洞窟…そのままにして良かったのか…?」

バンギラス「大丈夫!しばらくしたら土壁が塞ぐように仕掛けてあるから!」

キングドラ「その技術どこで得たんだ…?」

デンリュウ「また泳ぐ…今度は戦い方も覚えなきゃ…。」

キルリア「デンリュウやる気だね〜。」

アブソル「そのやる気が殺る気にならないことを祈りましょう……。」

フィオーレ「にしても遊んだ後の帰りってきついよね……。」

シルヴァ「明日は筋肉痛…でしょうか…。」

バンギラス「あ!」

エーフィ「どうしました親方?やっぱり忘れ物が…。」

バンギラス「これがあったこと忘れてた…!」

アブソル「花火…ですか?」

キングドラ「おいおい…一番忘れちゃ行けないやつだろそれ…。」

ミミロップ「じゃあこれはギルドまでお預けね。」

フィオーレ「アブソル〜!早くギルドに戻るよ!」

アブソル「あれ?フィオーレなんで急に元気に…。」

ミミロップ「アブソルにはまだ早すぎるかしら…?」

デンリュウ「……」コクコク

ヘラクロス「……ん?」

ボスゴドラ「どうした?ヘラクロスも忘れ物か?」

ヘラクロス「いや…よく見たらバッジが反応してて…。」

リオル「え?バッジって確かダンジョンで光って効果を発揮するのですよね?」

ヘラクロス「リオル君よく勉強してるッスね!正解ッス!」

キングドラ「おいリーダー…じゃあ…あの海も含めてここは…。」

バンギラス「ダンジョンだった…テヘペロ♪」

キングドラ「テヘペロしても可愛くねぇよ!なんでダンジョンでバカンスさせてんだアンタ!」

ボスゴドラ「大将に任せるとこんな危ないことが起こるんだな…。」

アブソル「ナワバリのポケモンが1匹も来なかったのは奇跡ですね…。」

ドレディア「あの…でしたらこのあなぬけのたまで帰れるのでは…?」

全員「それだ!」



こうして僕達のグダグダな旅行休暇は幕を下ろす…後は花火を楽しんで…明日からまた…元の依頼をこなす日々が始まるんだ…。
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