第40話(終) 時空を越えて出会ったもの

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 ポケモン小説スクエアさん、13周年おめでとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。
 裂け目が消えた瞬間、ジンダイ、ジーク、ラティアス、カプ・レヒレ、ミナトにグロリオは裂け目の前でエストの帰りを待っていた。

「裂け目が消えた!?」

 ジンダイは唖然としていた。

「エストくん....ッ!」

 ジークもショックで身動き一つ取れなかった。

ーーエストっ!!ライン!

 カプ・レヒレは大号泣。勿論カプ・レヒレがしゃべっていることはジンダイとジークにはわからないが、泣いているのはわかる。ミナトもグロリオも目に涙を浮かべている。ジンダイが堪えかねて口を開く。

「すまなかった!私がエストくんたちをやぶれたせかいに行かせなければ....私が行っていればこんなことにはならなかったのに!申し訳ない!本当に申し訳ない!!」

 土下座をして、必死にカプ・レヒレたちに向かって謝っていた。しかし、ジークが制す。
「まだ諦めるのは早いですよ。エストくんたちならきっとこの中で諦めず、僕たちの助けを待ってるはずです。」

ーーそう言えば私エストに非常食持たせた。3日分。

 カプ・レヒレがぼやく。3日分程度でどうにもならないことくらいわかっていた。
 グロリオはそのぼやきを聞く。そしてカプ・レヒレに告げる。

ーーワタシが彼ら(ジンダイとジーク)に伝えましょうか?

ーーできるの?それならばお願い。何か変わればいいけど....

 カプ・レヒレは必死だった。エストをこの暗闇から助け出したい。その一心だった。エストを救うためならば仲の悪い奴にも頼み事をする。いや、同じ目的を持つ、今日だけは仲間だ。

ーーわかりました。

 グロリオはテレパシーを使って二人に語りかける。

ーーもしもし、テスト。こちらエストさんの手持ちポケモンのメタグロス、グロリオです。

 二人は驚いてグロリオの方を向く。

ーーカプ・レヒレさん曰く、エストさんは3日分の非常食は持っているそうです。

 ジンダイはそれを聞くや否や、少し安心したような面持ちに変わる。
「成程....まだエストくんを救い出す手段は残されているな。」

 ジークは驚いて聞き返す。
「まさか、やぶれたせかいとこの世界をもう一度リンクさせる手立てがあるのですか?!」

「ああ。事実、ここにはまだやぶれたせかいとの裂け目は残っている。その裂け目が限りなく狭いだけだ。だからその裂け目を抉じ開けられる者がいれば、もう一度繋げることはできる。幸運なことに、この世界と繋がっていない時のやぶれたせかいの時間の流れは物凄く遅い。だいたい(やぶれたせかいの)1日=(こちらの世界)1年ぐらいだな。この裂け目を抉じ開けるためには物凄い力が必要だが、儂はそれくらいの力を出せるポケモンを知っている。儂は今からそのポケモンの長き眠りを解きに行く。博士、エストくんのポケモンたちはどうしようか。」

「エストくんが帰るまで僕が研究所で預かります。それでいい?」
 ジークはカプ・レヒレたちに尋ねる。全員頷く。

「ならそうしよう。儂はそのポケモンを起こしに行く。博士たちは研究所に戻ってくれ。恐らく3年位はかかるだろう。普通に暮らしていて欲しい。準備が整い次第博士に連絡を入れよう。」

 ジンダイはそう言うと、バトルピラミッドへ向けて歩いていく。その背中は彼の若かりし頃のようだった。世界を駆け回り、遺跡の謎を解き、世界中の考古学の発展に貢献した頃のだ。今は冒険の世界から身を引いたようだが、それでも冒険家は冒険家。ジンダイの決意が見て取れる頼もしい背中だった。


「僕もジンダイさんに協力しなきゃね。ミナトにグロリオ、カプ・レヒレ。僕の研究所に案内するよ。この『テンシン地方』の南にある小さな町にあるんだ。」

 ジークも彼の研究所に向かって歩いていく。彼の背中はジンダイのそれとは対称的に、体格はそこまでよくなく頼りない感じではあったが、またジンダイとは異なった覚悟が感じられた。

 二人、そしてミナト、グロリオ、カプ・レヒレはエストを無事連れ戻すことが出来るのか。それはまだ誰にもわからないのだったーー。
エスト「なんか終わった感じしないね」
カプ・レヒレ「もちろん!まだ終わってないよ!」
エスト「え......?」
カプ・レヒレ「てな訳で来月より続編を連載開始予定!!よろしくね♪」
エスト「まじかーーーーっ!!(紹介雑でごめんなさい)」

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