第27話 (自称)バトルフロンティア最高の戦い

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「な、ナズオさん...!」

 目の前に立っている太りぎみの男。その人こそエストをバトルフロンティアに導いた張本人だ。

「いつここまで来てくれるのか待っていたよ。正直予想以上の早さだった。」

 ナズオはそう言いつつニヤリと笑って、

「それでは戦いを始めようか。このバトルフロンティアで最高の戦いを!!」

 ナズオはボールを投げる。
「行け!ランドロス!」(霊獣)

 エストも投げる。
「よろしく!グロリオ!」

 ナズオは少し感慨深そうに言う。
「ほう...懐かしいな。しかし容赦はせん!ランドロス!じしん!」

「負けません!グロリオ、進化を超えるよ!メガ進化!」

 ナズオは驚いた顔をする。
「メ、メガ進化だと!」

「グロリオ、そのまま冷凍パンチ!」

 メガ進化した直後、グロリオは手に冷気を込めランドロスに突っ込んでいく。
「残念ながらこのランドロスの特性はいかく。メタグロスの攻撃は下がっているはず。耐えて殴れ、ランドロス!」

「グロリオのメガ前の特性はクリアボディ。いかくは受け付けません。」

 ランドロスがじしんを撃つより早くグロリオは冷凍パンチをランドロスに叩き込む。

「ま、まさか...ここまで強いとは...」

 焦るナズオ。だが気を取り直して次のポケモンを出す。
「行け!ボーマンダ!」

 ボーマンダのいかくで(今度こそ)グロリオの攻撃が下がる。

「このままじゃ分が悪い。グロリオ、交代、よろしくミナト!」

 ナズオはニヤリと笑う。

「ボーマンダ!メガ進化だ!」

「ま、まさか!」

 ボーマンダが激しい光に包まれ、メガ進化を成し遂げる。
「超火力でごり押しするぞ、メガボーマンダよ!」

 だがエストも冷静だ。

「ミナト、冷凍ビームだ!」

「メガボーマンダ、捨て身タックル!」

 このままだとメガボーマンダに冷凍ビームが耐えられてしまうかも知れない。そう思ったエストは間合いをはかる。







「今だ!!」

 ミナトは冷凍ビームを撃ち込む。メガボーマンダの口内に。メガボーマンダは装甲が厚い。ならば内側からダメージを与えれば効果的である。

 メガボーマンダは気絶する。しかし、捨て身の勢いは止まらず、ミナトに直撃する。

「ミナトッ!!」

 エストは叫ぶ。が、ミナトも気絶していた。相討ち。余りにメガボーマンダの捨て身タックルの威力が強すぎたのだ。

「面白い...ではこちらも最後のポケモンといこうか。行け!パルシェン!」

「じゃあ任せたよ!グロリオ!」

 エストは残り2匹。対するナズオはあと1匹。このままだと圧倒的にエストが有利だ。しかしナズオは一切焦る素振りを見せなかった。

「グロリオ、アイアンヘッド!」

「パルシェン、からをやぶるッ!」

 パルシェンは殻を破り、一回り小さくなる。
 ナズオはニヤリと笑う。

「残念だったな。エストくん。試合終了だ。パルシェン、行くぞ!」

 ナズオは頭の上で手をクロスさせる。まずい、Z技の構えだっ!

「パルシェン!スーパーアクアトルネードッ!」

「グロリオ!」

 しかしグロリオは気絶していた。
「元となった技はドロポン。流石のメガメタグロスも受けきれなかろう。さあ出すのだ。ラストのポケモン、フライゴンを!」

 ナズオは得意気、だが...
「へ?今日ライン連れてきてませんよ」











「いつの間に手持ちが増えたんじゃーッ!!」
 少しナズオは怒っている。
「あの馬鹿野郎!俺に逐一報告しろと...おっと失礼。」

 エストはなぜナズオの態度が変わったのかはわからなかったが、とりあえずエストのラストのポケモンを出す。
「よろしく、カプ・レヒレ!」

 ナズオの顔が一瞬にして豹変する。
 急に焦った顔となる。

「パ、パルシェン!ロックブラスト!!」

 岩の大砲が次々と飛んでくる。しかし、カプ・レヒレはエストの考え通り殻で凌いだ。
 そう。既にエストもカプ・レヒレもお互いが声をかけなくてもコミュニケーションがとれていた(お互い気付いていなかったが)。
 ついにシンクロしたのだった。

「カプ・レヒレ!行くよ!」

 それで指示は十分だった。

 エストはZ技の構えをとる。

「ラブリーッ!」

ーースターッ!

「インパクト!!」

 カプ・レヒレは強烈な攻撃をパルシェンに飛ばす。
 その一撃はパルシェンの装甲をいとも簡単に打ち破る。

 中身だけになったパルシェン。しかしまだ倒れてはいなかった。
「フハハハッ!残念だったねエストくん。まだパルシェンは倒れていない。決めろパルシェン。ロックブラスト!」

 先程撃った岩の破片を集め、カプ・レヒレ目掛けて発射する。
 だが、エストはニヤリと笑って、
「カプ・レヒレ!スマートホーン!!」

ーー了解!!

 二人の思いが一つとなり、パルシェンに突っ込んでいく。スマートホーンでパルシェンが飛ばす岩を打ち砕きながら急接近し、パルシェンの中身を貫く。

 一撃。



 呆然としていたナズオだが、しばらくするとガクッと崩れ落ちる。
「クソッ!俺がこんなガキに負けるなんてッ!あの御方になんと弁明したらよいのだ...」

「ナズオさん...?」

 急に態度が豹変したナズオ。今までとは全く違う口調に、そして謎の“あの御方”というナズオの上司(?)の存在に驚くエスト。この人がバトルフロンティアのオーナーではなかったのか。

 だが、このエストの驚きにさらに追い討ちをかける出来事が起こる。

「ウッ...!」

 急にナズオが呻き声を出して倒れたのだ。
 慌ててナズオに駆け寄るエスト。幸い、脈はあるようだ。

 ホッとしたのもつかの間、部屋の真ん中に黒い影が出てきた。そこからふっと謎の物体が出て来て...


 ...役立たずめ...。


 そこにいたのは、幻のポケモン、ダークライだった。
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