第15話 バトルアイランドに挑戦!

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ポケモンスクエア用下書き
 暑い夏の日差しの中、一際涼しそうな建物、バトルアイランドの前に立つエスト。
 よし、と心を決めバトルアイランドの中に入る。

 自動ドアが開き、エストは中へ。
 案の定中はエアコンが効き涼しかった。

「いらっしゃいませ!」

と係員のお姉さんから声をかけられる。

「こちらは島々を巡りその島に広がる迷路と謎を解いていく施設です!迷路と謎を解く知識が試されます。尚、他の挑戦中のトレーナーと出会った場合、バトルをして負けた方は即退場、勝った方は負けた人がてに入れていた謎についての情報を知ることができます。バトルアイランドについての説明は以上となります。バトルアイランドに挑戦されますか?」

「はい!」

「あっお客様、もう1つルールがございました!この施設では泳げるポケモン又は空を飛べるポケモンのみが参加可能です!」

「ということは...参加できるのはラインとカプ·レヒレと...ミナトか。いや待て今ミナトは風邪気味だ...どうするべきか...」

 実はミナトは朝から風邪気味でキツそうだった。

ーー私は...行けますッ!

「ホントに?無理しなくて大丈夫だよ?」

ーー私が風邪をひどくさせるより私が参加できないからって今日バトルアイランドに挑戦できない方が私は嫌です!私は行きます!

「ホントに無理はしないでね...」

 ミナトの意思は固かった。それをエストが曲げることはほぼ不可能だろう。
 エストもミナトの意思を尊重したかった。だからエストは渋々一緒に挑戦しようと考えた。

「行きます」

「わかりました。それではこちらにどうぞ。」

 何故か係員のお姉さんはおどおどしながら案内してくれた。

 案内された先はスライダーになっていた。僕はラインたちをボールに入れてスライダーを滑る。

 意外に長いスライダーだ。





 スライダーの先はジャングルに続いていた。そしてすぐそばに
「ここは1のしま。謎:霧で相手を惑わし、穢れのない綺麗な水をつくるポケモンは?」

ーーフフッ...

「なんでカプ·レヒレ笑ったの?」

ーー謎見て

「あっ!!」


ーーそう、答えはこの私みたい。最初っから驚いた。


「だからあの係員さん焦っていた訳ね...まさか僕がカプ·レヒレを連れているなんて思わなかっただろうから。」

ーーじゃあ後はこの迷路をこえるだけだね。

とライン。

「うん。」

 そして僕たちはジャングルの中の小道に足を踏み入れる。




 10分位たっただろうか。ジャングルの中の一本道を進んでいたエストたちは早速ピンチに陥る。

 スピアーの群れに遭遇したのだ。

「逃げよう!」

 エストは叫ぶ。

ーーなんでスピアーの群れの方に走っているのよ!エストの馬鹿ッ!

 カプ·レヒレは猛反論。

「だってあっち側に走ってももといたところに戻って行き止まりで結局襲われるじゃん!」

ーーこれじゃあスピアーたちに突っ込んでいるだけよ!

「こっちに逃げた方が助かる確率絶対高いって!」

ーーもう知らないッ!
(とか言いながらエストの逃げる方向に逃げるカプ·レヒレだが)

ーーうるさいなぁ...夫婦喧嘩はバトルホテルでやってよ...

とラインが言った直後、ラインが空中で体を180度回転させ、

ーー喰らえ、スピアーたちッ!

と岩雪崩をスピアーの群れめがけて撃つ。

 ライン渾身の岩雪崩はスピアーの群れの大半に命中し、弱らせ飛べなくしたのだが、数匹が生き残り怒りの眼差しでライン(そしてエストたち)を襲う。

「まずい、ライン!」

ーー私が...やります!

とボールから息を切らしながら出てくるミナト。
 エストが止める間もなく波乗りを放つ。

 波乗りは生き残りのスピアーたちの動きを瞬間的に止める。そしてその隙にラインが岩雪崩を再度撃ちトドメを刺す。

「ありがと...う」

 少し驚くエスト。
 完璧なコンビネーションだったからだ。

ーーミナトとは昔からの付き合いだからね。こんな感じで砂漠で生き残ってきた。

ーー私もラインとこんな感じで敵と戦ってました...懐かしいです。あの頃に戻りたくはないですけど...

「へぇー」


 やはり余り体調の良くなさそうなミナトをボールに戻しエストたちは先を急ぐ。

「カプ·レヒレ、さっきはごめん。」

ーーこちらこそ。行き止まりに逃げても意味なかった。


(ホント夫婦みたいだね...) 
と心の中で思うラインだった...











「あっ」

ーーなんか大きな門がある。

その門には
「謎の答えを大声で叫べ。そうすれば道は開ける。」
と書かれていた。

ーーずっと一本道だったね。

「迷路はまだなのかな。」


そしてエストとカプ·レヒレは叫ぶ。

「「謎の答えは、カプ·レヒレ!」」





ーーあれ?開かない...

「え?」

 しかし、門は開かなかった。


ーー任せて。

 とライン。


「カプ·レヒレッ!」


と人間の声と勘違いするほど上手な声て爆音波を出す。

「凄い...」

(門が開いたのか吹き飛んだのかは知らないが)門が開いた。

 門の先には海...とまではいかないが海峡を模した大きな溜め池があった。
 案の定大量のトレーナーが波乗りしたり戦ったりしている。

ーーよしっ、私に任せて!

「ちょっと待ってッ!ストッ...」

 スッとカプ·レヒレはエストを抱き上げ、自分の殻を閉じ水中にダイブ。

ーーカプ·レヒレ...エストと殻に籠っちゃったよ...

とラインは呟きながら対岸へと飛ぶ。




「意外に殻の中って快適なんだね...」

ーーでしょ!冷暖房完備だし!...いや嘘だけど

「かなり狭い...けど」

 エストは物凄く体を折り曲げていた。

 しかし海上にはトレーナーがウヨウヨしていたので寧ろよかったのかな、と思うエストだった。







 しかしその頃。

「ルンパッパ、ギガドレイン!」
「ラプラス、冷凍ビーム!」
「サメハダー、ハイドロポンプ!」


ーー煩い奴たちだなぁ...


 ラインは集中砲火を喰らっていた。
 しかし、ラインは目にも止まらぬ速さで飛び敵たちに的を絞らせない。

ーー絶対レヒレより先に対岸についてやるよ...!
僕がエストを乗せるんだ!絶対!







「着いたね」

ーーええ。

 カプ·レヒレは殻を開ける。
 するとそこにはラインがトレーナーたち数人のポケモンと戦っている姿が。

ーー遅い!でもここで戦っても情報は得られないよ!
さっさと島のジャングルに逃げ込もう!

「わかった!ライン、竜の波動!カプ·レヒレ、濁流!」

 2匹の強力な一撃が相手全体を襲う。


しかし、
「フローゼル、アクアジェット!」


「ライン、アイアンテールで打ち返せ!」

 フローゼルは吹き飛び自身のトレーナーに突っ込んだ。
 その相手たちが怯んだ一瞬の隙を突いて、

「カプ·レヒレ、ボールに戻って、ライン、僕を乗せて!」

ーーわかった!

 カプ·レヒレをボールに戻したエストがジャンプすると地面すれすれをラインが飛行してエストを受けとめる。
 ラインとエストは完璧なコンビネーションで一瞬でジャングルの中に逃げ込む。





「ありがとう」

ーー何とか逃げ切ったね♪



 前には看板が。

「ここは5のしま。アイランドクイーンのいるしま。
謎:このバトルアイランドに足りなかったものは?」



...


「何個かのしまをすっ飛ばしてきたみたいだね」

ーーあれ?足りないものってそれでは...


ーーたぶんそんな簡単ではないと思いますよ...

「ミナト!」


ーー私はもっと単純だと思います...ゼェゼェ

「取り敢えずボールに戻って!」

 ミナトをボールに戻す。


ーーエスト、裏見たらまだ看板に何か書いてある...

「間違えてしまをすっ飛ばしてきた方へ よくたどり着きました 本当はここは2周目にしか来れない場所ですが稀に1のしまから水中を潜ってくるか、空中を飛ぶとたどり着くトレーナーがいらっしゃるそうです さあ、最後の謎...と言うか問題を解いて私の元に来て下さい!」


「...なんじゃそりゃ。」

ーーしかし、謎って...

「そこが問題なんだよなぁ...」


ーーまさか...金とか?

とライン。






ガチャッ...


ーー嘘ッ...ライン凄い。


「ライン、ナイス!」



 僕たちは門の中に入る。




 そこには謎の女が。

「フッフッフッ...よく来たね。私がアイランドクイーン、ツバキ。宜しく。(よくあの問題解けたな)」

「僕はエスト。お手合わせ願います。(金欠なのね)」

「よかろう。さあ出でよ!我相棒、トロピウス!(あの問題解けたら恥ずかしいから今度変えるか)」


 エストは考える。
 ...ここはミナトなら冷凍ビームで倒せる。しかし、ミナトは風邪を引いているから無理はさせられない。
 でもカプ·レヒレなら抜群を取られてこちらから抜群をとる手段がない。ラインは抜群を取られないが大した打点を持たない。クソッ!


「ライン、キミに決めた!」


「ほう...フライゴンか。しかしフライゴンごときに私のトロピウスは負けない!トロピウス、日本晴れ!」


「よしっ、ライン!大文字!」


 ラインは日本晴れで更に火力が上がった大文字をトロピウスに放つ。

「トロピウス、避けて。」

 鈍足のはずのトロピウスがヒラリと大文字をかわす。

「ま、まさか!」


「そのまさかだね。このトロピウスは特性葉緑素。晴れの時素早さが2倍。」

「さあ、トロピウス、ソーラービーム!」


「ライン、アイアンテール!」


 トロピウスは光の束を発射。
 しかし、ラインも負けてはいない。

 アイアンテールで光の束を反射させ自身へのダメージをかなり減らした。

「トロピウス、ソーラービーム!」

「ライン、もう一度アイアンテール!」

 また光の束を反射させる。
 しかし確実にラインにダメージは蓄積されている。

 ツバキは指を鳴らす。

「トロピウス、ソーラービーム!...流石にアイアンテールでダメージを軽減したのは驚いたわ。しかし確実にフライゴンは弱っていく。このまま押しきる!」

「こっちも負けられない。3対2だ。相手はフロンティアブレーン。普通に戦ったんじゃ絶対負ける。
ライン、大文字!」




 しかし、トロピウスはソーラービームを放たなかった。
 代わりに放ったのは、エアスラッシュ。
 ラインの大文字を掻き消し、ラインを吹き飛ばし壁に激突させる。

ーーイタタタッ...ごめんエスト!でもまずいよこれ!あまりにもパワーが強すぎる!


 ラインが叫ぶ。

 そう、ラインの言う通りだった。


「今よ!トロピウス、ソーラービーム!」





 大爆発が起こる。




「フライゴン、戦闘不能!」



「な、なんで...」


「種明かしは私に勝ってから。さあどうするの!?」



 まずい...

 まずい...

 まずい...


 負ける!



「カプ·レヒレ。頼んだよ。」


「カプ·レヒレ!?嘘でしょ!?また守り神なの!?」


 フロンティアブレーンが珍しく落ち着かない様子だ。

「トロピウス、交代!頑張れ!スターミー!」


「カプ·レヒレ、ムーンフォース!」

 交代した瞬間にエストはカプ·レヒレにムーンフォースを指示。

 スターミーに直撃する。

「いくよカプ·レヒレ!Z技、ガーディアン·デ·アローラッ!」


 土煙をあげて巨大な巨人が現れる。
 拳を振り下ろし、スターミーに大ダメージを加える。

「スターミー、10万ボルト!」

「いくよカプ·レヒレ!なみのり!」


 先程まで完全に押されていたエストだが、フロンティアブレーンが焦っている一瞬の隙をついて勢いを盛り返した。
 因みにこのカプ·レヒレへの指示も策略あってのものだ。完全に彼は調子を取り戻した。


「なにっ!」

 ブレーンが驚きの声をあげる。
 スターミーが戦闘不能になっていたからだ。

「くそっ!いでよトロピウス!」


「しぜんのいかり!」
「にほんばれ!」


 エストは悔やむ。
 ごめんレヒレ...
 トロピウスに対して何も出来ないよ...

「トロピウス、ソーラービーム!」






「カプ·レヒレ、戦闘不能!」





 
「君の最後の一匹は何かな?」
 ブレーンは余裕の表情だ。


 降参するか...

ーー私、行きます!

「ミナト!」

ーーここまで来たんです、私もついてきた身、最後までやります!

「わかった。」



「勝負は決した!決めろ!ソーラービーム!」

「ミナト、自分の前にれいとうビームで壁を作って!」


 ミナトの前に氷の壁が出来る。
「そこに軽く熱湯だ!」

 その壁が一気に白くなる。

 そう、光をおおよそ半分程度減らせる壁だ。

「ミナト、ミラーコート!」

 氷の壁を通り抜けられた光は少し。
 余裕でミナトは耐える。そして倍返しだ!




「トロピウス、戦闘不能!」


 ブレーンの表情からは余裕というものが消え失せた。代わりに出てきたのは焦り。
「いでよ、私の切り札、ルンパッパ!」


「ミナト、大丈夫!?」

 ミナトはゼェゼェと息をしていた。

ーーラスト一体、決めましょう...!


「わかった。頼んだよ。」


 二人のトレーナーは指示を出す。

 フロンティアブレーンはパチンと指を鳴らす。
「ルンパッパ、ソーラービーム!」

「ミナト、ミラーコート!」




「よし、ミナト、跳ね返せ!」

 ルンパッパが放ったソーラービームの倍のエネルギー弾がルンパッパに向けて放たれる。

















「ルンパッパ、ソーラービーム!」

「えっ!」


 何とルンパッパはミナトのミラーコートを耐えていた、いや殆ど無傷だった。

 ソーラービームが直撃したミナトは、地面に横たわっていた。戦闘不能、だ。
 


「ミロカロス、戦闘不能!よって勝者はフロンティアブレーン、ツバキ!」




「負けた...」


「先程のタネを教えてあげよう、私が指を鳴らしただろう?それが合図だったのだよ、トロピウスに対してはエアスラッシュ、ルンパッパに対しては影分身。」


 いつものエストならここで素直に納得していただろう。しかし今日のエストは違った。

 自分は負けた。
 そのことをなかなか受け入れられなかった。

 自分が弱いのか。それとも...


 エストは考えるのをやめた。










 彼らはバトルアイランドから出る。



 夕日の射すなか、バトルホテルに戻る。



 エストは一言も喋らず無言でホテルの売店で買った弁当を食べ、寝た。

 ラインたちも各々が今日のことを反省していたため、一言も喋らなかった。(グロリオ以外)


 グロリオもそのうち、状況を察して静かになった。





 

 全員が寝静まったあと、ミナトだけは起きていた。
 彼女は昼間のバトルを悔いていた。

 実は彼女はツバキの指ならしの術を見抜いていた。

 最後のルンパッパの影分身も大体読めていた。

 しかし、ミラーコートで跳ね返す直前、無理が祟ってふらついてしまったのだ。
 そのせいで狙いを大幅に外し、分身にすら当たらなかった。
 そのせいでエストが落ち込んでいる、ミナトは自分自身を責めていた。

 私はエストの手持ちポケモンで良かったのだろうか...

 彼女の悩みが深くなっていくのと比例するように夜もふけていく...
 「ライン、このコーナー早くも作者に後書きのところに異動させられたね」
ーーそうだね~、ねぇエスト、今日は作者のかわりに僕たちが読者の皆さんに挨拶しようよ!

「皆さん、いつも時空を越えてをお読み頂きありがとうございます」
ーーご意見、ご感想も待ってるよ~    ...やっぱ作者に言って貰おうよ、エスト。

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