太陽の使い

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毎日ハロウィン企画:13日目のお話
ある日のこと。デスマスとデスカーンがオアシスでのんびり過ごしていると、空を飛んでいたシンボラーがなにかの信号を送ってきました。どうやら、傷ついたポケモンがいるらしく、助けてほしいようでした。デスマスが仮面をキランキランと反射させて了解の合図を送ると、シンボラーは音もなく飛んでいきます。後を追っていくと、砂まみれでぐったりとしているポケモンを見つけました。

もふっとした体毛に、赤いトゲトゲ。ちょっと丸っこい体のポケモンは、メラルバでした。シンボラーがいうには、突然空から落ちてきたそうです。デスマスとデスカーンは元々は砂漠の国の民でした。メラルバは太陽よりの使いだと信じていたので、これは大変だと、急ぎオアシスに連れて帰りました。デスカーンは四つの手で優しくメラルバを持ち上げると、傷口を洗い、薬の染み込んだ包帯を巻いてあげました。デスマスは葉っぱを集めて寝床を作り、きのみを砕いて食べやすいようにしてあげました。

弱っていたメラルバでしたが、二匹の介抱で少しずつ元気を取り戻すのでした。辺りを動き回っても平気になると、デスカーンにたかいたかいをしてもらったり、デスマスとにらめっこをして遊びました。しかし、どうして砂漠に落ちていたのかはわかっていないようでした。急に空が真っ暗になって、体が浮き上がったところで記憶が途絶えてしまったようです。一応帰るべき場所があったことだけは、確かに覚えていました。

それなら探さなくては。でも手がかりはないしどうしようと、デスマスとデスカーンは悩みます。メラルバは、見ず知らずのポケモンなのに、どうして二匹がそこまで優しくしてくれるのか、わかりませんでした。と、そこへ上空から大きな影が迫ってきました。見上げると、エアームドがメラルバめがけて突っ込んできました。怯えるメラルバを守ろうと、デスマスが攻撃を受け止めます。

エアームドは食べ損なった獲物を横取りされたと、怒っていました。金属が擦れるような嫌な音を出して、こちらを威嚇してきます。すると、音に呼び寄せられて、仲間であろうエアームドが数匹やってきました。デスマスとデスカーンは、メラルバにだけは攻撃が当たらないよう応戦しますが、相手の数が多く防戦一方になってしまいます。

激しい攻撃を受けても、いつもの怖い顔ではなくにこやかな笑顔を向けるデスカーンに、メラルバは心動かされました。この状況をどうにかしたい。守ってくれる二匹のためにできることを。メラルバが心を強く持ったとき、体がまばゆい光に包まれ、ウルガモスへと進化するのでした。飛び上がったウルガモスが猛烈なねっぷうを吹き付けると、エアームドたちはたまらず砂の上に墜落します。

落ちてきたならこちらのもの。あとはデスカーンが包帯でぐるぐるとまいて、体の中に一匹また一匹としまいこんで、おしまいです。

ウルガモスは二匹にお礼をいって、帰るべき場所、太陽に向かって飛んでいくのでした。二匹は深々と頭を下げて、ウルガモスの旅の無事を祈るのでした。

きょうのおはなしは、これでおしまい

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