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ホドモエシティにて


鎖を巻き取るような甲高い音を立てながら、垂直に屹立していた跳ね橋が下ろされていく。
ライモンシティとホドモエシティを結ぶ5番道路の西端――ホドモエシティの手前は運河となっており、船舶の航行と陸上の通行が交差するために跳ね橋が設けられているのである。
アナウンスが流れて約五分、安全と機構への負担を鑑みた低速で跳ね橋が下ろされ、5番道路とホドモエシティが陸路で結ばれた。

『大変お待たせいたしました。どうぞお通りください』

通行可能のアナウンスが流れるが早いか、両岸で通行を妨げていたゲートが開き、開通を待ち侘びていた人たちが我先にと駆け出していく。
そんな彼らを横目に、アカツキは初めて肉眼で目の当たりにした跳ね橋に想いを巡らせていた。

(ジョウト地方には跳ね橋ってなかったんだよな。
テレビで何度も見たけど、実物はやっぱり大きいなあ……)

水陸の交通を両立させる手段の一つとして考案されたのが跳ね橋だが、他にもトンネルや高架橋といった手段もあるにはある。
5番道路においては、財政面での負担や環境への配慮から跳ね橋による両立が採択されたという経緯がある。
往来を始めた人たちを眺めるのも程々に、アカツキはナナを伴って歩き出した。
二百メートルほどの跳ね橋を渡り終えると、そこから先はホドモエシティだ。自然豊かな5番道路とは対照的に、港町特有の佇まいが目の前に広がっている。

「ヒウンシティとは違うんだなあ……」
「そうだね。ヒウンシティも海に面してるけど、あっちはイッシュ地方の玄関口って感じだから」

往来の妨げにならぬ場所で立ち止まり、町並みを眺めながらポツリつぶやくアカツキに、ナナが小さく頷き返した。
イッシュ地方で海に面しているのはヒウンシティとホドモエシティの二都市。
海に近いという意味ではカノコタウンも含まれるが、他の地方との往来も物流の拠点が存在しているわけでもないことから、沿岸としては認識されていない。
ヒウンシティは官庁の多くが集約されており、商業都市というよりは行政都市といった側面が強い。
他の地方や他国からの定期船が停泊し、他国の使節団が訪れることも行政都市の色合いを強めている一因だろう。
翻って、ホドモエシティは一般的に言うところの『港町』である。
かつては小さな港町であったが、イッシュ地方で最も面積の広い都市という強みを生かす形で物流の拠点となる設備を次々と増設し、今ではライモンシティと双璧を成す商業都市となった。
当然、商業の拡大化に伴い急激な変化が街中を飲み込むこととなったわけだが、当時は生まれてすらいないアカツキとナナがそういった事情など知る由もなく。
街を見て回りたいなあと思うナナとは対照的に、アカツキはすでにジム戦に向けて臨戦態勢に入っていた。
覇気や闘志が全身から漲っているのを感じてか、ナナが確かめるように訊ねる。

「アカツキ。ジム戦に行くの?」
「ああ。ソロたちのコンディションも問題ないし、早いとこバッジをゲットしたいんだ」

問いに、アカツキは得意げな表情で首肯を返した。
ポケモンセンターを発つ前、念のためにポケモンたちのコンディションをチェックしたのだが、万全に近い状態だった。
体調不良にでも見舞われれば、ボールから出てその旨を訴えかけるだろう……それがないということは、ジム戦に臨んでも問題ないだけのコンディションを保てているのだと考えたのだ。
止めなければならない理由もない以上、自分が口出しをすべきことではない。ナナは先にポケモンセンターに向かうと告げた。

「寝泊まりする部屋、アカツキの分も取っとくね」
「助かるよ、ナナ。ありがとう」
「じゃあ、ジム戦頑張ってね」
「おう!!

二人はそこで別れ、それぞれの目的地へと向かった。
ホドモエジムは街の北東部、港町の中でも比較的閑静な一画に位置しているそうだ。
どんなポケモンが出ても、最後まであきらめることなく戦い抜く。
強い想いを胸に歩くうち、前方の広場に人だかりを認めた。

(なんだろ、あれ……? イベントでもやってるのかな……)

どんな催し物であれ、人の集まる場所で行った方が効果的だ。
だが、近づくにつれてそれが『催し物』などではないことを理解する。

(あれは……プラズマ団?)

人だかりの中心に、群衆を従えるように立つゲーチスの姿。
断片的に聴こえる内容から察するに、カラクサタウンでの演説と同様『ポケモンを解放すべきである』と力説しているようである。

(……………………)

熱弁を振るい自己陶酔に浸っていて気づいていないのか、はたまた遠くから眺めているアカツキに気づきながらも、今相手にすべきなのは眼前の群衆であると無視を決め込んでいるのか。
どちらにせよ、プラズマ団が何をしているのか知っておいた方が良いかもしれない……そう思い、アカツキは広場の近くにある物陰に隠れ、聞き耳を立てた。

「ポケモンは人間と違い、私利私欲で争うことはありません。
生きるため、仲間を、己の尊厳を守るため……邪な心を持たず、気高き想いを胸に懐いて生きる存在……それがポケモンなのです。
我々人間は、彼らに学ぶべきところがたくさんあります。
ですが、どうでしょう? ポケモンから学んでいることが何か一つでもあるでしょうか?」

流暢な語り口と共に、答えを引き出そうとするように身振り手振りを交えながら、人とポケモンの関係性について語るゲーチス。
実際にプラズマ団の所業を目の当たりにしてきたアカツキにしてみれば、美辞麗句で飾り立てられた言葉は紙よりも薄っぺらく、胡散臭いものでしかない。
しかし、実際にプラズマ団の裏の顔を知っている人は決して多いとは言えない。
群衆の中には、ゲーチスの言葉に理解を示し、何度も頷き返している人もちらほら見受けられたのだ。
彼らの反応から自分たちの陣営に引き入れられると判断してか、ゲーチスの言葉はさらに熱を帯びていく。

「共に暮らすポケモンたちから学ぶべきこともあるでしょう。
しかし、野生に戻り、本来の生き方に目覚めたポケモンたちからはより多くのことを学べるのではないでしょうか。
私利私欲に塗れることなく、正しく生きる術を学ぶため……そのために、人というくびきに縛られたポケモンたちを解放しなければならないのです。
さあ、みなさん。ポケモンたちから正しく生きる道を学ぼうではありませんか。
以上で、ゲーチスの話を終了とさせていただきます。
お忙しい中、貴重な時間を割いて耳を傾けてくださったこと、重ねて御礼申し上げます。
それでは、失礼いたします」

言い終えるが早いか、深々と頭を下げて団員たちに撤収を告げる。
中途半端に見える幕引きだったが、決してそうではない。これ以上は言葉を口にせずとも、人々は思案の末に自分たちに靡く……そんな打算を働かせていたのだ。
『人心を掌握する』という目的を果たした以上、ここに留まる理由はない。
広場からプラズマ団が去った後、残された人々の間から声が上がった。

「ポケモンから学ぶ……か。わしらはそんなこと、一度も考えたことはなかったな」
「そうね。ポケモンって、人と違って悪さを働いたりしないもんね……どうしようかな。わたしのポケモンも、解放した方がいいのかしら……」

ゲーチスの言葉が心に染み入ったのか、ポケモンを解放しようかという言葉がちらほらと聞こえてくる。

(本当にそれでいいのか……?
一緒にいるポケモンの気持ちとか、考えてる……?)

プラズマ団の言う『ポケモンの解放』は、あくまでも人間の側の都合に過ぎない。
人と共に暮らしているポケモンが、解放されることを望んでいるのか否か……それすら考えていないように見えるだけに、なんとも居たたまれない気分にさせられる。

(ちゃんと向き合って、ポケモンがどうしたいのか確かめれば分かることだけど……そろそろ出ても大丈夫そうだな)

同じ時を共に生きるポケモンの気持ちを確かめ、その上でポケモンが離れて暮らすことを望むのであれば、止めることはできまい。
それさえせず、自分の一方的な都合を押し付けるだけではプラズマ団と何が違うといのか。
尤も、その答えを出すのは、ゲーチスの演説を聞いていた人たちだ。
居たたまれない気持ちを振り切り、物陰から姿を現す。

(プラズマ団は本当にいろんな場所で演説やってるんだな……これから、どうなっちゃうんだろう……)

広場を抜け、ホドモエジムへの歩みを再開しながら、アカツキは思った。
プラズマ団は各地で演説を繰り返し、人心を掌握しようと企んでいる。
そして、伝説のドラゴンポケモンを復活させ、プラズマ団の王であるNがそのポケモンを従えることによって、人々にポケモンを解放させる。
伝説のポケモンは普通のポケモンとは一線を画する絶大な力の持ち主ばかり。
『伝説という枕詞を冠するに相応しい力を持つ存在』と言い換えることもできるが、実在するか否かはともかく、それだけの力を持つ者を従えたなら、人々に与える影響力は絶大となるだろう。

(でも、これからイッシュリーグが本腰を入れて動き出すはずだ。
オレは……目の届くところでプラズマ団が悪いことをしてたら、絶対に止める)

イッシュリーグと警察が連携して対策に乗り出すなら、自分にできるのは今より強くなることでポケモンたちを守る……それだけである。
そして、もしもプラズマ団の魔手が迫ったならば、力ずくでもそれを振り払うのみ。
強い気持ちを胸に歩くうち、ホドモエジムにたどり着く。

「……会社?」

アカツキは足を止めると、眼前の建物に訝しげな視線を向けた。
通りに出ていた案内板に従って歩いてきたわけだし、場所は間違っていない。
ただ、目の前にあるのは大企業の本社ビルを思わせる建物だ。

(イッシュ地方のジムリーダーって、別に本業を抱えてる人ばっかりだったよな。
ホドモエジムのジムリーダーって会社の役員とか、社長だったりするのかな……?)

本業を疎かにすることなく、ジムリーダーとしての鍛錬も欠かさないのだから、強敵であることに変わりはあるまい。
気を引き締め、入口の脇に設けられたインターホンを押下する。
お決まりの呼び出し音が鳴り響く。幾重にも反響し、やがて消え……

「…………?」

応答がない。
もう一度押下するも、同じだった。

(今日は休日じゃないと思ったけど、誰もいないのか……?)

スモークガラスの入口からは、中の様子は窺い知れない。
中に人がいれば何かしら反応があると思うのだが……社員旅行のために臨時休業としているのだろうか。
どうしたものかと思っていると、背後から声を掛けられた。

「ジムに挑戦しに来たのかい?」

振り返ると、スーツ姿の男性が歩いてくるのが見えた。
ジムの関係者かと思ったが、どこからどう見てもその出で立ちはサラリーマンのものである。

「社長が会社を空けてる日はジム戦ができないんだよ」
「社長?」
「ああ。ホドモエジムのジムリーダーはここの社長なんだよ」

男性の言葉に、アカツキは仰天した。
まさか、本当に社長だとは……だが、不在であれば出直すしかない。とはいえ、手ぶらで帰るわけにもいかないと思い、訊ねた。

「どちらかに出かけられてるんですか?」
「新しい鉱脈が見つかったって話らしくてね、街の北にある電気石の洞窟に向かったよ。
明日には帰ってくるって言ってたけど」
「そうですか……分かりました。
明日またお邪魔します。教えてくださってありがとうございました」

一日遅れてしまうが、こればかりは止むを得まい。
会社の社長となれば、会社の存続のため、社員の生活のために働く義務がある。それを放り出してまでジム戦に臨むわけにもいかないだろう。
アカツキは丁重に礼を言い、ポケモンセンターへ向かった。

(今日一日はフリーになるけど、だったらジムリーダーのことを調べておこうか)

肩透かしを食らったことは否めないが、ジム戦に備えて英気を養いつつ、ジムリーダーについて調べておくのも良いだろう。
同じ『大都市』という枕詞を冠しながら、ホドモエシティの街並みは摩天楼と称されるヒウンシティと些か以上に趣が異なる。
高層ビルの代わりに多く見られる倉庫や、貨物船の積み荷となるコンテナ……港町ならではの風情を肌で感じつつ歩くうち、ポケモンセンターが道の先に見えてきた。
さすがは大都市、ヒウンシティに比肩する規模である。

(ナナも、まさかとんぼ返りするなんて思わないだろうなあ……)

程なくポケモンセンターにたどり着く。
ロビーはかなり賑わっており、カウンターの脇には宿泊の受付で列ができている。ナナの姿はその中になく、すでに部屋を確保したのだろう。
だが、彼女の代わりに別の見知った顔をロビーに見つけた。

(あれは……)

人混みが苦手なのか、ロビーの隅……人があまりいない一画の長椅子に腰を下ろす、気品を漂わせる金髪の少女。
このような場所で顔を見かけるとは思わなかったが、だからこそ最近どうしているのか気になるところだ。
アカツキは少女に歩み寄り、声をかけた。

「シェリアじゃん。久しぶり」
「アカツキさん……お久しぶりです。このような場所でお会いするなんて、思いませんでしたわ」

突然声を掛けられて驚きながらも、少女――シェリアは眼前に立ったのが顔見知りの少年であることに気が付いて、柔和な笑みを浮かべながら立ち上がった。
彼女もアカツキやチェレンと同じく、イッシュリーグ出場を目標に旅をしているトレーナーなのだ。どこで再会しても不思議はない。

「アカツキさんも、ホドモエシティに挑戦しにいらしたのですか?」
「ああ。でも、ジムリーダーがいないって言われてさ……明日またジムに行くつもりなんだ。オレ『も』ってことは、シェリアも?」
「ええ。ジムリーダーが社長様で、不在にしていると伺いまして。
とはいえ、せっかく立ち寄ったのですから、一日くらいは待とうと思っているのです」
「そっかあ……」

肩透かしを食らったのはシェリアも同じだったらしい。
いや、もしかしたら……このポケモンセンターに滞在しているトレーナーの中には、ホドモエジムに挑戦しに訪れた者もそれなりにいるのかもしれない。
いかに本業が忙しかろうと、イッシュリーグからジムを任されている以上は、不必要に多くのトレーナーを待たせては本末転倒なのだが……それはさておき。

「3番道路で会って以来だよな。フリージアは元気にしてる?」
「元気すぎて困りますわ。あれから吹っ切れたかと思ったら、自分から積極的にポケモンバトルがしたいとねだってくるんです」
「へえ……」

トレーナーから引き離されかけるというトラウマから、フリージアは立ち直っているらしい。
そういえば……と思い至る。

(あの時、シャスはフリージアのことをずいぶん気に掛けてたもんな。
後で会わせてあげようか。お互い、喜ぶかもしれないし)

プラズマ団に連れ去られたフリージアをシェリアの元に帰した時、一悶着あったのだが……その際、シャスはフリージアに根気強く接することで立ち直らせたのだ。
同族だから放っておけなかったようだが、それなら久々に顔を合わせるのもいいだろう。
シャスも喜ぶだろうと思っていると、シェリアが問いを投げかけてきた。

「ナナさんとチェレンさんは一緒ではないのですか?」
「チェレンとはヒウンシティで別れたんだ。イッシュリーグ出場を目指してるのは一緒だけど、だからって一緒に旅をしなきゃならないわけでもないしさ。
ナナはさっき部屋を取って……たぶん、部屋で休んでると思う。会わなかった?」
「いえ、わたくしがここを訪れたのは十分ほど前なので、その前に宿泊手続きを済ませられたのかもしれません。
わたくしも部屋を取ってはいるんですが、買い物に出ている連れの帰りを待っているんです」
「そうなんだ。シェリア、一緒に旅をしてる人がいるのか?」
「はい。幼なじみです。
わたくしだけだと心配だと言って、押しかけ同然に一緒に旅をすることになりまして……」

互いに軽く近況を伝え合う中、シェリアは押しかけ同然に連れと旅をしていると言うが、表情や口調から察するに相当信頼しているようである。

(シェリアの連れって、どんな人だろ……?)

共に旅をするとしたら、トレーナーか、あるいはブリーダーか。
ポケモンに関する職業に就いている人物だとしたら、会って話をしてみたいところだが、彼女らの都合もある。
一緒に食事でもしながら話でもしないかと、ダメ元で切り出そうとした矢先、妙に間延びした声が聞こえた。

「シェリア、お待たせ~」
「…………?」

脱力感を誘う、なんとも能天気な声音だ。
アカツキが振り向くと、屈託のない笑みを浮かべた少年が手をパタパタ振りながら歩いてくるではないか。
緊張感がないというか、へらへらしているというか……見るからに無邪気な雰囲気を放ちまくっている少年だ。

(…………? どこかで会ったことがあるような……気のせいかな)

頭に巻いたカラフルなバンダナ合間から飛び出すように、茶髪が好き勝手な方向に伸びている。
一見すると細身で頼りなげに見えるが、彼がシェリアと共に旅をしている幼なじみなのだろう。
相手を観察するのも程々に、アカツキは訝しげな視線を少年に据えた。
気のせいか、どこかで会ったことがあるような気がする。
アカツキが眉間にシワを寄せていることに気づくでもなく、シェリアは紙袋を抱えてやってきた少年に微笑みかけた。

「スバル、買い物はもうよろしいんですの?」
「うん。港町ってすごいねえ、思ったよりもいろんなものが売ってて助かったよ~。
これでみんなのポケモンフーズとかポロックとかポフィンとか、たくさんつくってあげられるね」
「フリージアも喜びますわ。あなたの作るお菓子は美味しいって、いつも楽しみにしていますから」
「…………!?」

シェリアが口にした名前に、アカツキはハッとした。

(スバルって、もしかして……)

……と、スバルと呼ばれた少年はそこでようやくアカツキに気づき、顔を向けた。

「んん? どこかで見たような顔なんだけど、会ったことあったっけ?」
「スバルって言ったよな……もしかして、シゲおじさんのトコの……?」
「うん。お父さんのこと知ってるの?
……あ、思い出した~。キミ、マイカおばさんのトコのアカツキでしょ?」

やはり、初対面ではなかった。
屈託なく微笑むスバルがアカツキに向けたのは、惜しみない親愛の情。

(こんなところで会えるなんて……)

アカツキにとって、スバルは母方のいとこ。それでいて、友達と呼べる相手だった。
親戚にたらい回しにされ、シジマに引き取られてジョウト地方で暮らし始める前……イッシュ地方で暮らしていた時のことである。






To Be Continued…
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