ヴァイオレット・エゴイズム

作者:雪椿

あらすじ

私はずっとご主人様の隣にいたい。それなのに、アイツが邪魔をする。アイツのせいでご主人様がこっちを見ないのなら、アイツをどこかにやってしまおう。

※ポケモンと人間がお互いの言葉を理解している、という設定があります。苦手な方は注意して下さい。

本文冒頭

「エーフィ」
 ご主人様が私の名前を呼ぶ。私が「なあに?」とY字にわかれた藤色の尻尾を振ると、ご主人様は少し眉間にシワを寄せた。
「そうやってずっとまとわりつかれていると、キュウコンの体調確認ができない。悪いが少し離れてくれ」
 言葉に少なからずの棘を感じた私は、これ以上機嫌を悪くする前にと渋々ご主人様の傍を離れる。私が離れたことで明らかに嬉しそうな顔になったご主人様は、駆け足で銀色のキツネ……キュウコンの方へと向かってしまった。
 キュウコンは普通の色違いとは違う色の目を細め、ご主人様が来るのを露骨に嫌がっている。でも、ご主人様はキュウ

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