李徴は虎になったのだ

作者:北埜とらさん
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作品紹介

「その声は、我が友、李徴子ではないか?」

本文

「君を虎にしてやるのは簡単だよ」
 店主はそう言うと、品定めするような目で李徴をしげしげ見下ろすのだった。
 李徴は歓喜に震えた。それは揺るぎない夢であった。虎になるが為にこそおれは生まれてきたのだと李徴は長く信じてきた。皆の反対を押し切って生家を飛び出したのも、諸々の鬱憤の末とは言えど、その諸々の所以を求めてゆけば必ずそのひとつの願望に辿り着く、その位に虎への憧憬は凄まじかった。
 勇ましい虎の躍動に抱く、大いなる畏怖と崇敬。その背に父親に描くべき情熱を見たのは、よちよち歩きも脱して間もない頃であった。テレビ画面の中で猛然と枯れ草の海を駆る黄土の狩人に、幼心は掻き毟られるような慕情に焼......

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最終更新日
2017年11月12日
ステータス
短編
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