37―Freezing Island 4

作者:円山翔

本文冒頭

『よかろう!我が背に乗れ!』
 頭に響く声に頷き、ムメイはラティアスをボールに戻して酸素ボンベを口に、ルギアの背に飛び乗った。直後、石造りの床を蹴って部屋を飛び出したルギアの素早さは、おそらく別の場所に立って見れば瞬きをする間に消えてしまうほどだったであろう。ムメイが小さな歩幅で歩いた部屋が、瞬く間に後ろへと流れていく。いつの間にかバリアを抜け、海の中へ飛び出した後も、しばらくは海底神殿の中にいるような感覚が残っていた。来る時と同じ、体に水が触れる感覚がまるでない。そのままぐんぐんと昇っていき、暗い海がどんどん明るくなっていく様を眺めながら、ムメイは考える。この後自分はどうするべ

全文はこちらから

つながり